大倉忠義の魅力|なぜかクズ役がハマる!輝かしきクズ遍歴を紹介


映画『窮鼠はチーズの夢を見る』…流され天然タラシ系クズ



美しいビジュアルや成田凌との濃厚なラブシーンが話題になった、水城せとなの漫画原作のBL作品。大倉演じる大伴恭一は、言い寄ってくる人と次々関係を持ってしまう流され系クズ。

恭一は妻がいながら不倫を繰り返し、大学時代の後輩であり妻に雇われた不倫調査員・今ヶ瀬(成田凌)には「何とか黙っててもらえないか」と頼む。平気で二股かけるし、噓がばれたら「ごめん。お前が知ったら嫌だと思ったから」と、女のファンデーションが襟元についていたと言われれば「泣いてるのにほっとけないだろ」と、悪びれなく言えてしまいます。

保身で嘘をついているのもゼロではないでしょうが、その時その時は本気でその方が相手が嬉しいんじゃないかと思っていそうなところがたちが悪いです。優柔不断で、目の前に泣いてる人がいれば「ほっとけない」と言って長い目で見て相手を傷つけることかどうか考えられないところは『知ってるワイフ』の元春とも共通しています。

来るもの拒まずなわりに、ときたま去るものを追おうとするからさらにいけません。はじめは拒絶していた今ヶ瀬と流されるまま半同棲し、彼が自分の元から去ろうとすると優しくしたり引き止めたりしてしまいます。計算なしに誕生日に生まれ年のワインをくれたり、拗ねてる時に肩を抱いたりしてくれる。天然タラシというか何というか……。駄目な人だとわかりつつも抜け出せない、そういう魅力がある男。話が進むにつれ、恭一のクズさを痛感するとともに彼を好きになる気持ちもわかってしまう気がします。「知ってるワイフ」の元春は「ほんとダメだな~」って感じですが、恭一は「ほんとひどいけど好きになっちゃうな~」という。

そしてまぁ、この作品での彼は終始美しいです。スーツ姿も部屋での眼鏡も色気があるし、ベッドシーンも美しい。観る前の想像以上に激しくて勇気がいったのではと思いますが、役者魂を感じました。

この作品は大倉忠義も成田凌はもちろん、バンド「ゲスの極み乙女。」のドラマーほな・いこか(普通に女優をやっている人かと思った)や映画『チワワちゃん』の印象が強い吉田志織など、脇を固める俳優陣の演技もよかったし、映像も美しいのでぜひ観てほしいです。

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