「珈琲いかがでしょう」全8話の感想|1杯の珈琲が幸せのバトンを渡し続ける
第4話あらすじ&感想
第4話のあらすじ
「ガソリン珈琲」
ワゴン車のタイヤがパンクした青山一(中村倫也)は、ガソリンスタンドに立ち寄る。厳つい風貌の店主・ゴンザ(一ノ瀬ワタル)とは知り合いのようで、笑顔を見せる青山に「昔のお前を知っていると身の毛がよだつ」と言いながら整備をしている。
そんな中、一台のトラックがやってくる。セルフでガソリンを入れ始めた運転手の菊川貞夫(野間口徹)は、どこか不機嫌そう。ゴンザ曰く、たまに来店する、声をかけても挨拶すらしない無愛想な客だという。そんな菊川が、思わず動きを止める。青山の珈琲の香りにつられたようだ。「淹れたての珈琲いかがでしょう?」――その声に我に返ったのか珈琲を飲まずに慌てて去ってしまうが、どこか寂し気な様子が気になった青山は、しばらくガソリンスタンドで「たこ珈琲」を開くことに。実は菊川は珈琲を“飲めない”のではなく“飲まない”、ある複雑な事情を抱えていた。
「ファッション珈琲」
青山は、元バリスタチャンピオンとして珈琲界では有名なカフェ店主・モタエ(光浦靖子)にコピ・ルアックの豆を届ける。“幻の珈琲豆”と言われるインドネシアの高級珈琲豆だ。2人でその珈琲を堪能していると、まもなく始まるワークショップの生徒が来店。その中に垣根志麻(夏帆)の姿を見つけた青山は、思わず影に隠れてしまう。そんなことを知る由もない垣根は、珈琲に興味を持つきっかけとなった青山との出会いを語り始める。一方、珈琲について純粋に教えたいモタエは、“箔付け”のために通う生徒たちとのズレに悩んでいて…。
その頃、ぺい(磯村勇斗)はとあるヤクザ事務所にいた。組員の花菱(渡辺大)に呼び出されたからだ。なにやら青山について話している2人。果たして2人と青山の関係は…?
そして青山の隠された過去が徐々に明らかになっていく。
第4話の感想:中村倫也の表情のスイッチングが病みつきになってきた
静かなドラマだなあ、と思う。
前回、ワゴン車のタイヤがパンクした青山はゴンザ(一ノ瀬ワタル)のガソリンスタンドに立ち寄り、修理を依頼していた。どうやら、青山の“金髪”時代からの知り合いのよう。
いつもの珈琲屋さんの笑顔を見せるが、ゴンザは気味が悪そうな様子。だからこそ、以前の青山の表情も垣間見える。珈琲屋の店主のときと、昔の顔が切り替わる瞬間の刹那の表情が良すぎる。使っている表情筋、絶対に違う。
ゴンザに疎まれつつも、ガソリンスタンドで珈琲屋を開店させる青山が出会ったのは不愛想な客、菊川(野間口徹)。妻が病気で入院中、願掛けのために珈琲を絶っていた菊川だが、青山が淹れる珈琲の香りに誘われて、とうとう1杯飲んでしまう。
妻のことが大好きで、毎日、妻が淹れてくれる珈琲も愛していた。たとえその珈琲がまずくても。また妻に珈琲を淹れてほしい、と願っていた菊川だが、実はすでに妻は亡くなっているのだった。
退院したんですけどね、と言いつつまだ珈琲を絶っていたのは、珈琲を飲むことで妻が亡くなった現実を認めなくてはならなくなってしまうからだったのかも。
青山は美味しい珈琲を提供しただけ。それで1歩踏み出すことができた菊川だが、それが幸せだったのかどうかは菊川だけにしかわからない。
珈琲は淹れ方でグッと味が変わる。
青山の淹れる珈琲がきっかけで垣根志麻(夏帆)は元バリスタチャンピオンで珈琲界では有名なカフェ店主・モタエ(光浦靖子)主催の珈琲のワークショップに通うようになっていた。またあのおいしい珈琲を飲むために。
青山は志麻の人生に大きな影響与えちゃっているわけだが、たぶん、まあ、あれだ。青山にほのかに思いを寄せているのだろう。淹れ方によって味が変わる珈琲だから、その人の人生に強く残るのかもしれない。菊川は珈琲の味が分かるし、美味しい珈琲は当たり前に嬉しい。でも、きっと菊川にとっては妻が淹れるまずい珈琲が人生で一番の珈琲だったはずだ。
志麻は、仕事で辛かった時期に、青山の珈琲が救いになった。そして、どうやら青山にもそんな人生に影響を与えた珈琲があるようで……。
今回は組を抜けるときの青山が描かれていた。泣きながら青山を殴るぺいの姿も。“やべえヤツ”な雰囲気は変わっていませんが、ぺいはぺいでいろいろと思うことがあるのはうかがえる。
来週はいよいよ青山の過去の全貌が明らかになるのか。
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