あなたに役立つ映画・ドラマのプラスαがあるメディア「シネマズプラス」

©cinemas PLUS Committee. All Right Reserved.

「珈琲いかがでしょう」全8話の感想|1杯の珈琲が幸せのバトンを渡し続ける



第8話あらすじ&感想

第8話あらすじ



「暴力珈琲」「ポップ珈琲」

ぼっちゃん(宮世琉弥)が執拗に青山一(中村倫也)を追っていたのは、信頼していた青山の裏切り行為に対する報復だった。

垣根志麻(夏帆)やぺい(磯村勇斗)を巻き込んでまで追い詰めようとするが、暴力ですべてを制するようになったぼっちゃんに、青山は「そのやり方で手に入れたコーヒー牛乳はおいしかったか」と問いかける。ぼっちゃんの脳裏に蘇ったのは、同級生を脅して好きなだけコーヒー牛乳が飲めるようになったのに、なぜかまったく味がしなかった頃の記憶...。

さらにこれまで沈黙を貫いていた夕張(鶴見辰吾)が、見かねて裏切りの真相を語り始める。青山が大金と共に姿を消した裏には、息子を思う二代目(内田朝陽)とのある固い約束があった。時を経て事実を知ったぼっちゃんは...。

ついに最終回。青山は「奥さんと同じ墓に入りたい」と願っていた、たこ(光石研)の願いを叶えることはできるのか?

第8話の感想:1杯の珈琲が幸せのバトンを渡し続ける


 大円団である。

 

 ぺいや垣根を人質に取られ、ピンチに陥る青山。ぼっちゃんは青山にこう迫る。

「淡々とおしゃれな暴力を教えてよ」

 この言葉の残酷さが心に染みる。ぼっちゃんが青山の気持ちを何も分かっていなかったというのはあるんだけど(まあぼっちゃんには無理な話かもしれない)、「淡々」と「おしゃれ」が暴力という言葉を装飾するのが聞いていてしんどい。

 そんなぼっちゃんに対して、青山はその暴力を「しんどくてたまらない」「ここ(心)殺してないとやってらんない」と痛みと一緒に伝える。

 結局は、ぼっちゃんは誰にも愛されていないと感じていただけ。いや、気づかないふりをしていただけなのか。大切な人がいなくなり、愛してもらう術も見失ってしまった。それを青山が痛みを持って伝えるのだから皮肉な話かもしれない。

 とにかく、ぼっちゃんとぺいが青山をめちゃくちゃ好きなのはよくわかった。ぼっちゃんはもっと立派にならないと「(青山に)プロポーズできない」と言うし、ぺいは「兄貴の永遠のラブなんて誰もゲットできないんだよ」などと言い出す。なんですか、「兄貴の永遠のラブ」って……ぺいはどこでそんな言葉を習ってきたの……と考えると頬が緩む。

 

 そして、青山はついに最終目的地であるたこじいさんが愛した人・幸子の元を訪れる。たこに珈琲と、愛と大切な人を守るということを教えた人だ。たこと幸子の短くも幸せで悲しい物語。たこじいさんの遺骨を渡し、その骨を砕き、自分の珈琲に入れる幸子。一瞬、ギョッとするような行動だけれど、そのワンシーンに幸子の想いの大きさと重さが詰まってる。これこそ「永遠のラブ」なのかもしれない。

 過去編、現在編と、その役柄のふり幅をいかんなく発揮していた中村倫也だけれど、最終話も「最高」の一言。ぼっちゃんに対しての怒りと悲しみの表情、幸子に会いに行くものの落ち着きを失くしてオロオロする様子、珈琲を飲みながら、涙があふれそうになるその幸せな表情。加えて垣根とぺいそれぞれに見せる表情にも感情があらわになっていて「すげえな中村倫也……」と感嘆の声が漏れる。

 ぺいは一緒に働くようになったのか、少しばかりの変化はあるけれど青山はこれからも移動珈琲屋を続けていくのだろう。そして、行った先でちょっとずつ珈琲を飲む人を幸せにする。それが、たこと幸子の幸せな時間がスタートになっていて、その幸せを青山が引き継ぎ、また別の誰かに分ける。幸せはひとりで完結するものではない、ということを伝えてくれた気がする。

→目次へ戻る


全ての画像を見る
NEXT|次ページ >  『珈琲いかがでしょう』作品情報

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

(c)「珈琲いかがでしょう」製作委員会 (c)コナリミサト/マッグガーデン