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2021年05月28日

『アオラレ』さながら、ラッセル・クロウに「アオラレ」まくりの名作6選!

『アオラレ』さながら、ラッセル・クロウに「アオラレ」まくりの名作6選!



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2021年5月28日(金)より公開の映画『アオラレ』は、朝からついてないヒロイン(カレン・ピストリアス)が、思わず前に止まっていた車にクラクションを鳴らしたことから始まる、恐怖の域を優に超えた生地獄のような出来事を描いたあおられ型サスペンス映画の怪、いや快作です。

あおってあおって煽りまくる恐怖の“男”を演じるのは名優ラッセル・クロウ。

スティーヴン・スピルバーグ監督の出世作となったTVムービーで日本では劇場公開された『激突!』(71)は、主人公をあおりまくるタンクローリー運転手の姿を一切画面に見せませんでしたが、今回はもう警察に見られてもお構いなしといった開き直りの姿勢でラッセル・クロウが画面狭しと出まくります。

先ごろリバイバルされたカルト映画『ヒッチャー』(85)のルトガー・ハウアーはイケメン・サイコ・キラーでしたが、こちらは思いっきりメタボなでぶっちょ中年男(役作りのための体重の増減はラッセルの得意とするところもでもありますが、今回はかなりすごい!?)

とかくストレスが溜まりまくりの現代社会に見合いまくるほどのおよそ90分のサスペンス、やはりラッセル。クロウのあればこそのすさまじさです。

というわけで今回は、映画ファンをあおりまくり続けるラッセル・クロウの代表作をいくつかご紹介していきましょう!
 

豊川悦司と共演した
『NO WAY BACK 逃走遊戯』



1964年4月7日、ニュージーランドのウェリントンに生まれたラッセル・クロウは4歳でオーストラリアに移住し6歳よりドラマ出演。一時期ニュージーランドに戻りますが、再びオーストラリアに戻って1990年に本格映画デビュー。

しばらくはオーストラリアで活動しますが、サム・ライミ監督の異色西部劇『クイック&デッド』(95)でハリウッドに進出。

そして同時期、日本資本の東映Vアメリカ作品『NO WAY BACK 逃走遊戯』(95)で豊川悦司と共演を果たしています。

ここでの彼の役は、最愛の息子を誘拐されたことで、NY進出を図ろうとしている日本人ヤクザのユウジ(豊川悦司)をNYマフィアのもとへ連れていこうとする刑事ザック。

しかし、やがてザックとユウジの間には友情のようなものが芽生えていき……。

ラッセル・クロウがブレイクする前の低予算映画ではありますが、なかなかコンパクトにまとまった粋なプログラムピクチュアです。

今は豊川悦司も『ミッドウェイ』(19)でハリウッドに進出するなど、日本を代表する国際スターとして活躍中。

ここらで両者の再共演作品なんてどなたか企画してくれないものかとお思ったりしてしまいます。

ちなみにラッセル・クロウは他にも、日本軍による連合軍捕虜虐殺事件を描いた『アンボンで何が裁かれた』(90)に端役で出ており、また『ヘブンズ・バーニング』(97)では工藤夕貴と共演するなど、意外と日本に縁があるのでした。
 

アカデミー賞主演男優賞受賞
『グラディエーター』



 『LAコンフィデンシャル』(97)『インサイダー』(99)とハリウッドでどんどん実力と人気を高め続けていったラッセル・クロウの映画スターとしての名声を決定づけたのは、リドリー・スコット監督のローマ史劇超大作『グラディエーター』(00)でしょう。

ローマ帝国の皇太子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)の陰謀に巻き込まれて奴隷と化した将軍マクシムス(ラッセル・クロウ)が剣闘士(グラディエーター)として名を挙げていきなが、ヤガテコモドゥスと対峙することになっていきます。

アカデミー賞作品賞をはじめ5部門を受賞した名作ですが、ラッセル・クロウもここでアカデミー賞主演男優賞を受賞。

実は彼、前年の『インサイダー』(99)と翌2001年『ビューティフル・マインド』でもアカデミー賞主演男優賞候補になっており、まさに21世紀の躍進の始まりを象徴する3作品であったともいえるでしょう。

また、この後も彼は『プロヴァンスの贈り物』(06)『アメリカン・ギャングスター』(07)『ワールド・オブ・ライズ』(08)『ロビン・フッド』(10)トリドリー・スコット監督とコンビを組み続けていきました。

フランス映画のリメイク
『スリーデイズ』



 『決断の3時10分』をリメイクした西部劇『3時10分、決断の時』(07)や、幾度も映画化されてきた『レ・ミゼラブル』(12)などリメイクものの出演も多いラッセル・クロウ。彼が2010年に主演した『スリーデイズ』(10)も2008年のフランス映画『すべて彼女のために」をハリウッド・リメイクしたものです。

無実の罪で逮捕された妻(エリザベス・バンクス)を脱獄させようと画策する夫の決死の行動を描いたもの。

夫の職業が大学教授で『ドン・キホーテ』の講義をしているところなど、まさに彼が現代のドン・キホーテとして突っ走っていくことを示唆しているようでもあります。

『ミリオンダラー・ベイビー』(04)『父親たちの星条旗』(06)など2000年代クリント・イーストウッド作品に欠かせない存在でもあった脚本家としても知られ、『クラッシュ』(04)でアカデミー賞作品&脚本賞を受賞したポール・ハギス監督の製作・監督・脚本作品。

オリジナルに負けじ劣らじのサスペンスの逸品であすが、そこにラッセル・クロウらの名演が大きくかかわっているのも間違いはないところでしょう。

賛否両論真っ二つに割れた
『ノア 約束の舟』



神のお告げで巨大な箱舟を建造し、その中に家族や家畜などを避難させ、大洪水から逃れるノアの物語。

旧約聖書の「ノアの箱舟」もこれまでさまざまな形で映画やドラマ、アニメにもなったりしてきていますが、ダーレン・アロノフスキー監督作品『ノア 約束の舟』(14)は公開当時、映画評論家はもとよりキリスト教やユダヤ教界隈でも激しく賛否が割れた問題作となり、イスラム圏の諸国では上映禁止されたほどです。

ここでラッセル・クロウが演じるノアは、いわゆる聖人的な扱いではなく、信仰と現実の狭間に苦しむ普通の人間であり、またそれゆえにだんだん狂気すら帯びていく一面も備えています。

その伝ではアロノフスキー監督ならではの重苦しい人間の業をまざまざと体現し得ている人物であり、ラッセル・クロウだからこそ演じ切れたキャラクターであるとも断言できるでしょう。

こういう作品、自分は賛否どちらに転がるだろうかといった見方をするのもまた乙なものではあります。
 

映画初監督・主演作品
『ディバイナー 戦禍に光を求めて』



2016年、ラッセル・クロウは自身のキャリアの原点でもあるオーストラリアに戻り、自らの主演で映画初監督に臨んでいます。

『ディバイナー 戦禍に光を求めて』は第1次世界大戦の実話を題材に、戦後4年経ってもガリポリの戦いに出征したまま戻ってこない3人の息子を探しにトルコへ渡った父親ジョシュア(ラッセル・クロウ)が困難を極めつつ、やがて戦争の非道に直面していくという内容sです。

演出的には粗削りなところもありますが、そこは初監督ということで十分許せる範囲。

それ以上に戦史の闇を見据えた反骨の姿勢などにも大いに共感できる作品です。

彼のファンなら一度は見ておくべ区作品ではあるでしょう。

ライアン・ゴズリングと共演の
探偵アクション『ナイスガイズ!』



最後に、コミカル・クライム・アクション『ナイスガイズ!』(16)を!

舞台は1977年のロサンゼルス。揉め事は腕力で解決する主義の示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)と、シングルファーザーで酒浸りの私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)は、お互いの仕事の流れで知り合ってしまい、さらにはマーチの13歳の娘ホリー(アンガーリー・ライス)まで加わって、失踪した少女アメリアの捜索をはじめます。

はじめは簡単に思えた仕事でしたが、やがてそれはあるポルノ映画にまつわる連続不審死事件へ、ついにはアメリカ国家を揺るがす巨大な陰謀に3人は巻き込まれていくのでした……。

ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの共演が大いに魅力の探偵アクション映画です。

基本はクライム映画なのでショッキングなシーンもあったりしますが、全体的にはコミカル・タッチで快活に進むので、見ていて楽しいことこの上なし。

監督は『アイアンマン3』(13)『ザ・プレデター』(18)などで知られるシェーン・ブラックですが、ここでは出世作『キスキス、バンバン』(05)を彷彿させる飄々さを大いに発揮しています。

そして主演ふたりのデコボコ・コンビぶりの愉しさ! まさに「ナイスガイズ」ぶりを発揮して……いるのですが、実はそれ以上に娘ホリー役のアンガーリー・ライスがかなりの儲け役。お茶目にキュートに立ち振る舞いながら捜査を敢行しつつ、名優ふたりと堂々渡り合っています。

70年代の雰囲気もさりげなく自然に醸し出されていて、今からでもシリーズ化を望みたくなるような逸品なのでした。

(文:増當竜也)

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