マーベル作品(MCU)フェーズ2 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!


『アイアンマン3』の魅力


© 2021 Marvel

アイアンマン3』は、MCUの新章「フェイズ2」の記念すべきスタートを飾ったシリーズ通算7作目。『アイアンマン』シリーズとしては、全3作品を締めくくる完結編となり、『アベンジャーズ』以後のアイアンマンの活躍が描かれます。

ストーリー


人類滅亡の危機をかろうじて回避した“アベンジャーズ”の戦いから1年。合衆国政府は、未曾有の危機に際してヒーローという“個人”の力に頼ることを危惧していた。一方、億万長者にして天才発明家のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)は、悪夢にうなされながらまだ見ぬ敵の影に脅え、何かに憑かれたかのように新型アイアンマンスーツを次々と開発する。そんなある日、心身ともに極限まで追いつめられたトニーは、正体不明の敵“マンダリン”による襲撃を受け、これまで彼を守ってきた世界から放り出されてしまう。全てを失った彼だったが、大切な者たちを守りたいという強い信念から、トニー・スターク=アイアンマンは最後にして最大の戦いに挑むことを決意する……。



PTSDに苦しめられるヒーロー


本作では、シリーズ前作『アベンジャーズ』の展開を踏まえて、PTSD(死に繋がるトラウマ経験によって引き起こされる精神障害)に陥ってしまった主人公の姿が描かれていきます。

地球を脅かす未知の存在を目の当たりにし、九死に一生を得た経験から、新たなアイアンマンスーツの制作に憑りつかれてしまったトニー。
過去作では楽観的なナルシストとして描かれてきた彼が、満身創痍になりながらも戦いに身を投じる姿は衝撃的です。

また、本作では、彼がアイアンマンスーツを装着せず、トニー・スタークという一人の人間として悪に立ち向かう物語が描かれていきます。生身の人間がトラウマに向き合っていく姿に心を打たれる一作なのです。

シリーズの後継者:シェーン・ブラック


本作の監督は、シリーズ前2作を担当したジョン・ファブローさんからシェーン·ブラックさんにバトンタッチされました。

1987年、『プレデター』で俳優として活動する一方、『リーサル・ウェポン』の脚本執筆でも高い評価を得た彼は、2005年の『キスキス,バンバン』で監督デビュー。

ロバート・ダウニー・Jrさんが主演を務めた本作は、『アイアンマン』の製作担当・ケヴィン・ファイギさんによると、主人公を決定する上で大きな後押しとなった作品とのこと。
印象的な主人公のモノローグや独特な話運び、ひねりの利いた脚本などは本作にも通じており、アイアンマンに酷似したヒーローが登場する点も興味深い作品といえます。

また、ロバート・ダウニー・Jrさんの友人でもあるシェーン・ブラックさんは、『アイアンマン』シリーズの製作時から、監督とロバートさんに作品のアドバイスを与えていたという過去もあるそうです。

現実社会に根差したリアルな描写


本作では、シリーズの過去作同様、単なるヒーロー映画では終わらせない、現実社会に根差したリアルな描写が多く見られます。

国家が兵力として管理するヒーローの描写やTVメディアでの情報操作を駆使するテロリストの戦略、敵組織が行う自爆テロや、テクノロジーの発達が引き起こす脅威など、取り扱った題材はさまざま。

現実と地続きかつ、説得力のある世界観だからこそ、主人公の姿に感情移入することができ、物語に感動するのかもしれません。

自分探し映画としての魅力


本作では、「自己」を見失った主人公が苦難を経験することで生き方を模索していく物語とも言えます。

開始早々、自宅を襲撃され、辺境の地へと旅立ったトニー。彼が地元の少年と交流を深め、次第に「自己」のあり方を捉え直していく展開はロードムービーにも近い印象を受けるかもしれません。

第1作目の『アイアンマン』と重なるようでいて、根本的には大きく異なるラストシーンを観た時、どのような感情を抱くのかにも注目してほしい一作です。

アベンジャーズを経た物語


本作では『アベンジャーズ』に向けて進められた過去のMCU作品とは異なり、その後のヒーローの苦悩を描いた部分が印象的でした。

『アベンジャーズ』での戦いを経験したヒーローは、どのように変わっていったのか。

この題材は、本作以降に続く、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカの続編でも描かれていき、「フェイズ2」を象徴する大きなテーマとなっていきます。

また、本作に登場したマンダリンと呼ばれる人物は、シリーズ続編となる短編『王は俺だ』(『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』特典映像として収録)に再登場。
彼が率いるテロ組織「テン・リングス」に関しては、2021年9月公開予定の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でも秘密が明かされる予定です。


人気映画シリーズMCUの第7作であり、『アイアンマン』シリーズの完結編となった『アイアンマン3』。
『アベンジャーズ』後、シリーズ初めての作品としても、トニー・スタークというキャラクターを深掘りしたという点でも必見の本作。

ヒーロー映画としてだけでなく、一人の男のロードムービーとしても、鑑賞してほしい一作です。

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