マーベル作品(MCU)フェーズ2 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!

『アントマン』の魅力

 
© 2021 Marvel

アントマン』は、「フェイズ2」のラストを締めくくるMCU第12作。オールスター作品の前作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』とは異なり、ファミリー映画の形式で冴えない中年ヒーロー・アントマンの誕生秘話を描きます。

ストーリー


やる気も能力もあるのに、なぜか空回りばかりのスコット・ラング(ポール・ラッド)は、仕事も家庭も失って絶体絶命。別れた妻と暮らす最愛の娘の養育費すら払えなくなった彼に、最後にして唯一の仕事のオファーが舞い込む。それは、身長わずか1.5cmに変身できる特殊なスーツを着用し、驚異的な能力を持つ“アントマン”になることだった。アントマン・スーツを着れば、誰でもアントマンになることが可能。とはいえ、それとヒーローになることは別の話だった。スーツを着用したスコットは、アントマンのパワーを使いこなすため、満身創痍でトレーニングに奮闘する。だが、思い描いていたカッコいいヒーローになるには、あまりにも長く険しい道のりが待っていた。最愛の娘のために猛特訓を開始した彼は、本当のヒーローとなり、人生のセカンド・チャンスをつかむことができるのか?そして、アントマンに託された決死のミッションとは……?



ヒーローによるファミリー映画


比較的シリアス路線だった前作に比べ、ファミリー向け映画としての魅力に溢れているのが『アントマン』の魅力でしょう。

コソ泥ゆえに妻から愛想を尽かされ、最愛の娘にも会えなくなってしまった主人公。

そんな彼が人生の再起をかけ、娘のために奮闘する物語はファミリー映画の王道といえるのではないでしょうか。

彼が変身するヒーローが、アリのように小さくなれる変わり種な能力という設定も相まって、家族で楽しめるアドベンチャー映画として完成されているのも、本作ならではの魅力です。

ファミリー向けコメディ映画の風雲児・ペイトン・リード


本作のメガホンをとったのは、ペイトン・リード監督。

過去に『チアーズ!』、『イエスマン “YES”は人生のパスワード』など、映画ファンからも絶大な支持を集めるコメディ作品を世に送り出しただけあって、その手腕は見事。

本作でも、主演・ポール・ラッドさんの卓越したコメディセンスを引き出し、テンポの良い会話劇を積み上げており、誰が見ても楽しめるコメディ映画としての価値に磨きをかけていました。

縮みゆく人間のヒーロー映画


縮みゆく人間』、『ミクロの決死圏』、『ミクロキッズ』など、これまでも様々な作品で描かれてきた縮んだ人間たちの大冒険。

しかし、そのような題材でヒーロー映画を実現した作品は本作が初めてでしょう。

巨大なアリや、身の危険さえ感じてしまう巨大な玩具など、映画だからこそ描くことの出来るファンタジックな世界には、興奮すること間違いなしでしょう!

幻のエドガー・ライト版


MCU設立の立役者に『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督が携わっていたのは、知る人ぞ知る真実かもしれません。

『アイアンマン』が公開される以前、2006年ごろに『アントマン』の映画化を企画し、MCUの構想にも様々な助言をしていたと語られるエドガー・ライト監督。
(実は、2005年から始まった映画『ファンタスティック・フォー』シリーズでも監督を務める予定だったとも言われています。)

マーベル映画への熱意から、ファンも本作の製作を期待していたのですが、脚本執筆段階でスタジオ側と創作上の相違が起き、降板。
アダム・マッケイ監督(『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』)に引き継いだのち、最終的には、ペイトン・リード監督がメガホンをとることになりました。

そのため、本作の脚本には彼らの名前もクレジットされており、主人公が冴えない中年男性という部分や彼が働く先がアイスクリーム店という設定は、エドガー・ライト脚本の名残といえるのかもしれません。
(エドガー・ライト監督は、コーンのアイスクリーム=コルネットが登場するスリー・フレーバー・コルネット3部作なる過去作を手掛けています。)

MCU作品としての魅力


一見、MCUの中では、異端ともいえる『アントマン』の立ち位置。

しかし、本作をみると、しっかり、アベンジャーズのメンバーと同じ世界線に存在することが強調されています。

作品の冒頭では、シリーズを代表する人気キャラクターの父が登場し、その横には、彼と共に活躍した、あの女性の姿も!

劇中、アントマンがアベンジャーズの倉庫に忍び込むシーンでは、とあるヒーローも登場するため、シリーズを追っていると、驚くような場面も多数含まれています。


人気映画シリーズMCUの第12作となり、「フェイズ2」のラストを締めくくった『アントマン』。

本作では、コメディキャラクターとして印象深い彼ですが、のちの作品では、思わぬ大活躍も……⁈

これまでの作品とは、かなり異なるライトな作品ではありますが、だからこそ、楽しめるかもしれないヒーロー映画とファミリー向けコメディ映画が融合した奇跡の一作でした!

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(文:大矢哲紀)

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