俳優・映画人コラム
女優・石川瑠華の魅力:清純派から体当たり演技まで3つのポイントで振り返る"変幻自在な表現力"
女優・石川瑠華の魅力:清純派から体当たり演技まで3つのポイントで振り返る"変幻自在な表現力"
2:清純派で開花した豊かな表現力
一方で「清純派で開花した豊かな表現力」も彼女の魅力といえる。
”MOOSIC LAB 2019”の短編部門作品として製作された『ビート・パー・MIZU』(19)では上記の2作品とは一転、青年・みずくんに一途な思いを寄せる大学生・隅子を好演。
「ありとあらゆるもののBPM(Beats Per Minuteの略でいわゆる"テンポ"のこと)が瞬時に分かる大学4年生が、片想い相手をストーキングする」という、一歩間違えば、不気味にもなりかねない主人公のキャラクターを彼女の魅力で愛らしい人物として成り立たせている。
印象的な心の声や生き生きとした表情など幼さを感じさせる彼女の表現力が、爽やかな青春恋愛ストーリーである本作の絶妙なバランスを保っているのだ。
(その魅力の一端は、本作の主題歌"とけた電球"「焦がれる」のMVからも確認することが出来る。)
『ビート・パー・MIZU』に続き、彼女が清純派な魅力を押し出した映像作品にはYouTubeチャンネル"みせたいすがた"で公開されたソーシャルドラマ「水曜日22時だけの彼」も挙げられる。
『サマーフィルムにのって』(21)の松本壮史監督がメガホンをとり、崎山蒼志がEDソングを担当した本作では、ミステリアスな男子・ハルトに密かな思いを抱えるナツミを演じている。
『ビート・パー・MIZU』にも通ずる可愛らしい声を活かしたモノローグ演出に加え、ほぼ二人劇といえる本作では、より変幻自在な彼女の表現力に驚かされるだろう。
コメディエンヌといっても過言ではない軽快な語りとコミカルな表情、謎に包まれたハルトに思い悩む彼女の立ち振る舞いには、つい目が離せなくなってしまう。
大きな出来事が起きるわけではなく、主人公の揺れ動く感情に寄り添った本作だからこそ、彼女から滲み出る空気感に私たちは自然と惹き込まれてしまうのかもしれない。
(『水曜日22時だけの彼』の本編はコチラから鑑賞可能。)
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