映画『ヒロアカ WHM』何度でも楽しめる「7つ」のポイント


3:ロディ×デクの凸凹バディ



ロディは一見すると軽いキャラのように思えるが、弟妹への思いや過去の境遇からわかるように、かなり人間くさいキャラクターだ。緑谷をはじめとする雄英生やオールマイトのようなヒーローを見ていると感覚が狂ってしまうが、ロディの「家族を守るためにデクを裏切る」という行動に、一般人らしさが現れている。

一度はデクを裏切ったロディも、デクのヒーローとして覚悟に触れて、徐々に心を開いた。2人が話をする場面は、ロディの価値観が大きく揺さぶられる重要なシーンであると同時に、デクの「ヒーローとして、ワン・フォー・オールの継承者としての気持ちと覚悟」を再確認できる、これまた重要なシーンでもある。

強烈なまでの“救けたい”という思いを胸にまっすぐ前に進み続けるデクは眩しく、カッコイイ。しかし一方で、執念に近い思いはデクを前に向かせると同時に、徐々に彼にまとわりついて呪いのように苦しめるのではないか、とすら感じさせる。ロディに自らのヒーロー観を語る際、今までの戦闘や訓練で負った傷跡が映され、ヒーローのカッコ良さ以上に“怖さ”を突きつけられる。



物語の軸となる「ロディ×デク」は、価値観がまったく異なるロディとデクが徐々に仲を深める様子が丁寧に描かれているため、セリフのない逃避行シーンも目を離せない。(逃避行シーンで流れるアジカンの挿入歌「フラワーズ」が心に沁みる……)

またロディの個性“魂(ソウル)”を理解したうえで本編を観ると、ロディの細かな本心まで見えるため何度でも楽しめるようになっている。物語のラスト、デクとの別れの描かれ方はきっと何回観ても泣いてしまうだろう。

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(C)2021「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C)堀越耕平/集英社

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