(C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
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2021年10月29日

『アイの歌声を聴かせて』が大傑作である5つの理由|過去最高の土屋太鳳が爆誕!

『アイの歌声を聴かせて』が大傑作である5つの理由|過去最高の土屋太鳳が爆誕!


5:まとめとおまけ〜『ロン 僕のポンコツ・ボット』も要チェック〜

『アイの歌声を聴かせて』の魅力を今一度整理すると、アニメ映画×ミュージカル×学園青春もの×群像劇×コメディ×人間とAIの関係性を描いたSFという、下手にやってしまうとバラバラになってしまいそうな多数の要素が、互い互いを補うように密接に絡み合っていることが何よりも大きい。さらに史上最高の土屋太鳳の声の演技と歌唱、その他の豪華ボイスキャストの熱演とハマりぶり、そしてエモーショナルかつ見事に統制された物語と、最高か……!と思うばかりなのである。

しかも『アイの歌声を聴かせて』はAIのかわいらしさや健気さだけじゃなく、AIの危険性もしっかり描いた(ちょっと怖いホラー描写もある!)上で、「人間の主観」でAIの価値観も変わっていくことも示されており、AIを描いたSFとしても画期的と言える。後半の言葉の1つ1つから「AIって実はこうなのかも?」という豊かな知見を与えてくれること、そして「人は、AIは、どうしたら幸せになれるのか?」という難しい問いにも、一元的にならない見事な解答をしてみせたことが素晴らしい。

そして、奇しくもというべきか、この『アイの歌声を聴かせて』の公開より1週間前、10月22日より『ロン 僕のポンコツ・ボット』が公開されており、なんとこちらも「ポンコツロボット(AI)もののアニメ映画」だったのだ。



『ロン 僕のポンコツ・ボット』のあらすじは、スマホの機能を一通り備えた最新式ロボット型デバイス「Bボット」が普及した世界で、孤独な少年の元にオンラインにすら接続できないポンコツが届いてしまうというもの。ロボットの造形や人間との関わり方は『ベイマックス』(2014)らしくもあるが、普通のロボットと思いきやとんでもないヤツがやってきたという導入部は少年ジャンプで連載しているマンガ『僕とロボコ』も彷彿とさせた。

さらなる特徴は、現代のSNSの事情が物語に組み込まれていること。「いいね」をもらうことが日常化したり、バズることを目論む同級生がいたり、はたまた炎上や誹謗中傷も描かれていたりもするのだ。そんな世界で、ポンコツだけど主人公に友達を作ってもらおうと奮闘するロボット(これも『アイの歌声を聴かせて』と同じ!)の姿がコミカルに描かれている。そこから導かれるのは、「本当の友達とは何か?」という深い問いかけだった。

とにかくテンポ良く展開するのでお子様でも飽きずに観られるだろうし、大人にとっても経営者側のいざこざや父子家庭(祖母もいる)の子どもの悩みが描かれているのも興味深く観られるだろう。個人的にはもう少し同級生たちの活躍や内面も丁寧に描いて欲しかったという不満もあるのだが、新たなスタジオ「ロックスミス・アニメーション」による3DCGの質は高く、老若男女が楽しめるアニメ映画の良作に仕上がっていた。

余談だが、吉浦康裕監督は『サカサマのパテマ』の公開時にも、『アップサイドダウン 重力の恋人』(12)という同じく重力が逆転したそれぞれの世界にいた男女の物語の映画が同時期に日本で公開されていた。このシンクロニシティも面白い。

ぜひ、『アイの歌声を聴かせて』と似た要素がありながらも異なる魅力のある作品として、ぜひ『ロン 僕のポンコツ・ボット』も楽しんでほしい。

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(文:ヒナタカ)

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