声優・小林千晃が気になる|「普通」な青少年役が、もう絶っ品


天然天才。これまでの演技が全身全霊で活きたキャラクター


©ボンズ・内海紘子/Project SK∞

友也やパロットで表現してきた、隙がなさそうなキャラクターの裏にある人間味。それに加えてエダマメで魅せた、新しい演技フィールド。これらが合わさったと感じたのが、青春スケートボードバトルという斬新なアニメ「SK∞ エスケーエイト」で魅せた、馳河ランガの演技だ。

スケートボードにハマり、スケーターとして著しく成長していく天才少年ランガに、小林さん持ち前の爽やかな声はピッタリだった。しかも彼はちょっと天然っぽい一面も持っている。その爽やかな声で演じた、コメディタッチな演技のギャップに撃ち抜かれたファンも多いのではないだろうか。

そんな天然天才の彼にも、「普通」を感じさせる一面がある。スケートボードに夢中になりすぎて、親友・暦との距離が開いてしまったとき彼は、技術は向上しているにもかかわらず滑ることを楽しいと思えなくなってしまう。

ランガはおそらく、人の心の動きにそこまで敏感ではない。加えて口数も少ない。そのため暦との間の溝が深くなりかけた。このコミュニケーション下手な一面が、彼がただの天才ではないことの証明となっている。



特に第10話「言葉のいらないDAP」で小林さんが魅せてくれたハツラツとした演技には、想いを伝え合えたことに喜びを感じるランガの人間味がつまっていた。

小林さんが演じるキャラクターからは、完璧な人間なんていないんだと気づかされるようだ。

次はどんな「普通」が出てくるか。おすすめアイスも楽しみ


今回取り上げた作品中、「ブギーポップは笑わない」「ACCA13区監察課 Regards」「Sonny Boy」の3作品は、夏目真悟さんが監督を務めている。「ACCA13区監察課 Regards」Blu-rayについていた特典リーフレットで夏目監督は、小林さんをパロット役に登用したきっかけが「ブギーポップは笑わない」の竹田役で見せた「若者っぽい」演技の成長、伸びしろとキャラクターの読解力の高さにあることを挙げていた。またキャラクターの体格と小林さんの声質が合わないかもしれないという心配が杞憂だったとも語っている。

若者といっても、その特徴はさまざまだろう。小林さんはそのさまざまな特徴を、いろんな形で心を支配する「普通」で表現できる声優だ。

2022年もすでに「トモダチゲーム」の片切友一、「スプリガン」の御神苗優声を担当することが決まっている小林さん。どんな「普通」が見られるのか。今後の活躍からも目が離せない。

個人的には、アイス好きならではの「おすすめアイス紹介ツイート」も楽しみにしている。


(文:クリス)

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