2021年11月28日

白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー演出に感銘!金子大地&醍醐虎汰朗『未来世紀SHIBUYA』対談

白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー演出に感銘!金子大地&醍醐虎汰朗『未来世紀SHIBUYA』対談


→画像ギャラリーはこちら

若手実力派俳優の金子大地×醍醐虎汰朗がフレッシュなタッグを組む、Huluオリジナル『未来世紀SHIBUYA』が、11月26日(金)よりHuluにて一挙独占配信される。

本作の脚本・演出を務めるのは、日本のフェイクドキュメンタリーの第一人者であり、『不能犯』(2018)、『貞子vs伽椰子』(2016)など、映画監督として特にホラーのジャンルで根強いファンを持つ映像テクニックの名士・白石晃士監督。白石監督がホラーでもバイオレンスでもサスペンスでもない作品を商業的に作ったのは、今回が初めてとなる。


2036年、高層ビルが立ち並ぶ表の顔に対し、スラム化した裏シブヤを舞台に、デジタル化社会底辺で生きる動画配信者・WeTuberのミツル(金子)とカケル(醍醐)が、人気WeTuberとなって大金を手に入れるという人生の大逆転を夢見る中、不可解な事件に巻き込まれていく様を描く本作。

今回、AI恋人・脳内チップ・記憶移植など、2036年デジタル化社会の現実を描写した異色の作品に挑んだ金子と醍醐にインタビュー。白石監督の演出や地上波のドラマとは一線を画す本作の魅力について聞いた。

【関連記事】金子大地の魅力:若手俳優界の新星、飛躍の2021年


——脚本を読まれた時、どのような感想を抱かれましたか? 

金子:1回読むだけだと、内容をあまり理解できなくて。何回か読み、本読みでも都度、監督や醍醐くんに内容を確認しながら掴んでいったという感じでした。これまで観たことのないようなドラマだったので、撮影に入るのが楽しみでした。

醍醐:すごくポップな作品という印象を台本から感じて。コロナ禍でハッピーじゃないニュースが多い現代で、僕らがやっているのはエンターテイメントのお仕事ですし、何かしら元気を与えられる作品になりそうだと思いました。


金子:そうだね。あと、非常にポップではあるけど、ありそうだなと思う内容が描かれていて。現実なのか、フェイクなのか、視聴者の方々にいろいろ考えさせる仕掛けが監督の中で全部設計されていました。

——白石監督自らiPhoneで撮影されたとのこと。従来の撮影に囚われない斬新なPOV手法で、想像を超える世界が広がっていました。白石監督の演出で驚いたことはありますか?

金子:フェイクドキュメンタリーではありますが、お芝居をしているバランスが絶妙で。その塩梅が、白石さんの色として前面に出ているなと思います。最初はこれでいいのかという不安もありましたが、監督の中に絶対的な軸があったので、僕たちはそこを信じて作品に挑んでいました。改めてすごい方だなと思います。


醍醐:僕もやっている最中は不安もありましたが、完成した映像を見てすごく安心しましたし、驚きました。WeTubeのシーンをはじめ、あそこまで YouTubeっぽくなるとは思っていなくて。テロップや効果音がついて、想像していたよりもはるかに身近なものになっていたんです。だからこそのあのお芝居の温度感や、ああいう撮り方だったんだと理解しました。元々すごい方というのは知っていましたけども、より尊敬の念が強くなりましたね。


金子:そうだね。劇中でミツルたちがWeTubeを生配信している時は、特に攻めているなと思いました。台本を読んでイメージしたものと完成した映像が想像以上に違ったので、本当に面白かったです。

——今回、ミツルとカケルとしてバディを組まれましたが、今回の共演はいかがでしたか?


金子:昨年、ドラマ『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』(テレビ東京)で一緒でしたが、その時は共演シーンが少なく会話もそんなにしていなくて。かわいくて礼儀正しい子だなという印象があり、どういう役者さんなのかすごく気になっていました。今回ガッツリ共演して、とても芝居の感覚やセンスの良さを感じて。年下ですが、すごい役者さんだなと思いました。理解力も速く、すごくお芝居しやすかったです。

醍醐:ありがとうございます。大地くんとは、今回の撮影ですぐ打ち解けられて。役柄が近いから仲良くしないといけないというよりは、気付いたら仲良くなっていた人という感じです。大地くんとのお芝居は、楽しいと思う瞬間が多くて。難しいミツルという役も初日の段階で完成させていて尊敬しましたし、すごく頼りがいがあり、頼らせていただきました。


金子:醍醐くんは僕の急なアドリブにも、全部応えてくれるのですが、それがいたって自然で。堂々と演じるので、僕も頼もしいなと思っていました。

醍醐:アドリブでやりあうのは楽しかったですね。

——演じた役とご自身で似ている部分はありましたか? 

金子:醍醐くんはカケルと近いと思います。素直でストレートなところはすごく似ているんじゃないかな。

醍醐:そうですね。台本に違和感がなく、セリフが覚えにくいってことはなかったので、きっとどこかしら似ているんだろうなって。具体的にどこが似ているのかはわかんないですけど、感覚的には分かる気がします(笑)。


金子:僕はミツルみたいに純粋ではなく、ひねくれているので、似ている部分はないですね(笑)。

醍醐:大地くんはミツルとは、180度違いますね。落ち着き具合も違うし、ミツルは女性らしい部分あるけど、大地くんは男らしさの塊のような人なので。だから、そういう大地くんがミツルを演じるのが面白いなって思いました。

金子:結構ドライだよね?

醍醐:ははは(笑)。

——お2人は関係性が出来上がっていそうですね。


醍醐:そうですね。大地くんは、僕からしたら年上でお兄ちゃんですが、友達になりました。共演者というくくりではなく、友達と現場が一緒になったみたいな感覚です(笑)

金子:たしかにね。けど、一緒にサウナ行った時は、醍醐くんのことを“師匠”と呼んでいて。醍醐くんはサウナに詳しいので立場が変わるんです(笑)

醍醐:はは(笑)。僕、サウナが好きすぎて、いろいろ熱くなっちゃうんです(笑)


——WeTubeは現代でいうYouTubeだと思いますが、お2人の世代の方はテレビよりYouTube を見る方が増えているイメージがあります。

金子:僕はYouTubeをあまり見ていないんです。若い世代の方々が、YouTubeの方が面白いと感じていると思うと、役者として、ドラマや映画をそこに負けないくらい頑張らないといけないなと思います。

醍醐:今、目がギラギラしてすごかったですよ(笑)。


金子:そう?(笑)。怒りがエネルギーになるからね(笑)。個人的には、いろいろなメディアが共存して、より面白いものができたらいいなと思います。

醍醐:そうですね。実は僕もあまり見ないのですが、同世代の友達はいろんなYouTubeを見てその話題で盛り上がったりしていますね。

——最後に、作品のみどころを含めて、読者の方にメッセージをお願いします。

金子:この作品のお話を頂いた時、監督をはじめスタッフさんの熱量をすごく感じて、挑戦したいなと思いました。完成した作品を見たら、自分の想像以上のものが出来上がっていたので、本当に参加させて頂いてよかったです。これまで絶対にこんなドラマはないだろうというものができたので、ぜひご覧ください。

醍醐:普段見ているドラマと違って、YouTubeのような仕様なので構えずに見れますし、その中にもしっかりしたメッセージ性が強く込められているので、ぜひ見てもらえたらうれしいです。


(撮影:八木英里奈、取材・文=高山美穂)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)HJホールディングス

RANKING

SPONSORD

PICK UP!