<駐在刑事Season3>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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美也子(市毛良枝)がおかみを務める水根旅館で、将棋のタイトル戦が行われることに。現役最年長のタイトル保持者・重盛(小木茂光)とその弟子・白石(金井勇太)の師弟対決とあって注目度も高く、江波(寺島進)も警備を担当する。そんな中、空き地で元棋士でゴシップ記者の港(中村織央)の変死体が見つかる。
第4話のレビュー
奥多摩の水根旅館で、将棋のタイトル戦が行われることになった。その様子がメディアに報道されることによって、水根旅館や奥多摩の魅力をより広く伝えられるかもしれない。水根旅館の女将・美也子(市毛良枝)をはじめ、駐在さん・江波(寺島進)も活気付く。
戦うのは、九段竜神の重盛幸三(小木茂光)と、九段三冠の白石喜与彦(金井勇太)。二人は師弟同士であり、師匠の重盛が冠を守り抜くか、それとも弟子の白石がそれを奪い取るかで、世間の注目を集めている。
師匠に挑む白石は、このところ調子が悪いと噂されつつも、婚約者である早瀬茜(井上小百合)と結婚間近であることを報告。このタイミングでタイトルを奪取し、勢いをつけたいところだ。
しかし、いざ二人の対局が始まった頃、またもや奥多摩で不穏な出来事が。ゴシップ記者・港基晴の変死体が、奥多摩の山中に放置された車内で発見されたのだ。
このゴシップ記者は、元棋士であることがわかっている。満26歳までに四段になれなければ引退となる厳しい将棋の世界で、彼は過去に白石と対戦し、棋士としての道を絶たれていた。そのことを恨み、以前から白石を強請っていたのだ。
「あんな奴、いなくなって清々する」と婚約者の茜に漏らしていた白石。港と白石の関係性をつかんだ警察は、白石に疑いの目を向ける。
港は練炭自殺に見せかけて殺害されていた。タイミングを見計らって、白石が手を下したのではないかと推理されるが……、対局中だった彼にはアリバイがある。
果たして、誰がゴシップ記者・港を練炭自殺に見せかけて殺害したのか?
そこには、師弟愛と切っても切り離せない真実が隠されていた。なんと、犯人は白石の師匠・重盛だったのである。
彼も同じく対局中だったが、途中でお手洗いのため離席していた。前もって、車内にいた港を睡眠薬で眠らせ、練炭をセットしていた重盛。離席したタイミングでこっそりと旅館の外へ出て、車のキーについている遠隔機能で窓とドアをロックした。アリバイを確保しつつ、港を練炭自殺に見せかけることが可能である。
なぜ、個人的な恨みのない重盛が、港に手をかけたのか?
それは、弟子である白石を思ってのことだった。
港が白石を脅しているのを知っていた重盛。可愛い弟子のため、なんとか強請るのをやめてくれないかと直談判しに行くも、港は「1000万払え」と理不尽な態度をとる。言われた通りに振り込んでも約束を守らない港に腹を据えかね、今回の犯行に及んでしまったのだ。
病気で、もう長くはない重盛。そんな状態で弟子との一戦に賭けていた。その傍らで、弟子を救うために心を砕いていたのだ。
彼がそれほどまでに弟子の立場を考えるのと同時に、大事な局面で奥多摩を選んだのはなぜか。
実は、重盛には結婚を約束した女性がいた。現在は亡くなってしまったが、彼女が終のすみかとして選び、10年前に移住してきたのが奥多摩だったのである。
大切な人が眠る土地で、自身の進退を決めたい。それが、重盛の望みだったのである。
重盛の愛した女性と、弟子・白石の婚約者である茜は、母娘だったこともわかった。師弟の絆が、不思議な縁で結ばれた瞬間である。
重盛は後悔していた。大切な女性を捨て、将棋人生を選んだことを。しかし、その娘である茜は言う。「母は重盛さんをずっと応援していた。奥多摩に移住してきたのも、あなたとの思い出があるからだ」と。
二人で何度もお参りした神社で、最後の命を終えようとしていた重盛。またもや持ち前の洞察力でそのことを察知した江波は、重盛の自死を阻止する。
江波が止めたおかげで、重盛は目の前の苦しみとあらためて向き合うことになる。しかし、それと同時に、大切な人たちとの絆にも気づき直すことになるだろう。
悲しく切ない死と、それが浮き彫りにする人の絆。なんとも人情味あふれる駐在さん・江波は、事件を解決に導くことで人の心を守っている。それを見届ける私たち視聴者の心とともに。
※この記事は「駐在刑事Season3」の各話を1つにまとめたものです。
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