<駐在刑事Season3>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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捜査一課が殺人容疑で逮捕した日比野(竹財輝之助)のアリバイを証言する人物が現れ、誤認逮捕だったことが判明。加倉井(北村有起哉)は会見後、捜査から外されてしまう。上の判断に納得できない江波(寺島進)は、独自で捜査を開始。軽部(佐藤寛太)も迷いながらも、日比野の証拠に疑問を持ち江波の捜査に協力する。
第7話のレビュー
森神琢磨(河原健二)が変死体となって発見された事件。日比野達矢(竹財輝之助)を真犯人とし、警察は逮捕まで漕ぎ着けたが……最後の最後で覆せないアリバイがあることがわかり、釈放せざるを得なくなった。森神を殺害したのは、日比野ではないのか?
だとしたら、真犯人は誰なのか?
誤認逮捕をしてしまったことで、警察は謝罪会見を開くことに。全責任を押し付けられた加倉井管理官(北村有起哉)は、本件の捜査本部から外されることになってしまった。
しかし、江波(寺島進)をはじめとする加倉井チームは、このまま黙って終わらない。警察本部とは別口で捜査本部を置き、独自に捜査を進めることを決めた。
決定的なアリバイによって、日比野は捜査線上から外れた。まるで罠のように張り巡らされた数々の証拠には、何かメッセージが込められているのだろうか?
ここで、数日前から奥多摩に滞在しているバッグアーティスト・真澄(映美くらら)の存在が浮上する。彼女は事件に関わりのない存在だと勘違いしていたのだが……。
なんと、森神を殺害した真犯人こそが、真澄だったのだ。
当初、日比野が森神を殺害したとみられていたのは、森神が麻生つむぎという女性をストーキングしていたから。日比野は麻生つむぎのことを「大切な女性」と表していたため、てっきり二人は恋人同士だと思い込んでいた。そのため、彼女に危害を加えていた森神を恨んで犯行に及んだと捉えられていたのだ。
しかし、実際は違った。
真澄こそが、日比野と恋人関係にあった。真澄の本名は「麻生真澄」ーーつまり、森神にストーキングされ、不運にも命を落とした女性・麻生つむぎの姉だったのだ。森神は麻生姉妹に対して、しつこくつきまとっていたことになる。
バッグアーティストとして、ニューヨークで個展を開く夢を持っていた真澄。しかし、奥多摩の地まで追いかけてきた森神の存在に頭を悩ませていた。鉢合わせ、揉みあった末に誤って殺害してしまったのだ。
日比野がわざと自分を誤認逮捕させたのは、より一層、警察に対して「日比野こそが森神殺害の真犯人である」と植え付けさせるため。罠のように証拠を散りばめたのも、真澄に捜査の手が及ばないようにするためだった。
大切な人の、大切な夢を壊さないために、自分が身代わりになろうとしたのである。
学生時代に日比野と親交があった軽部刑事(佐藤寛太)。利他の精神について教えてくれた日比野が、人を殺すはずはない……。そう信じていた彼にとって、この事実は吉なのか、それとも凶なのか。
ただひとつ言えることは、やはり軽部にとって、日比野は日比野のままだったのだ。人のためを思い、人のために行動できる人。恋人のために殺人の罪を被ろうとした彼の行動は、まさに利他の精神に則っていると言えるだろう。
「やっぱり、先生は先生だった」ーー軽部のこの言葉が、苦々しくも沁みる一言だった。
そんな軽部は、奥多摩を去って警視庁官を目指す道を選んだようだ。「寂しくなるな」と江波が言うように、Season3まで続いた本シリーズが幕を閉じるのも、何とも寂しい。
しかし、彼らは再び帰ってくるはず……。なぜかそう思えるから、不思議だ。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「駐在刑事Season3」の各話を1つにまとめたものです。
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