「シジュウカラ」第8話レビュー:“別れ”を決断した忍が千秋と再会!物語はさらなる混沌の渦へ(※ストーリーネタバレあり)
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山口紗弥加主演のドラマ「シジュウカラ」が2022年1月7日深夜にスタートした。
坂井恵理原作、「JOUR」(双葉社)で連載中の同名漫画を実写化した本作は、漫画家の女性が、恋と仕事を通して自身の不確かな人生観と向き合っていくストーリー。人生のセカンドチャンスに戸惑いながらも生きる主人公を山口紗弥加、忍と18歳差の恋に落ちる若きアシスタントを板垣李光人が演じる。
本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「シジュウカラ」第8話レビュー
岡野(池内博之)にキスされて、そのまま関係を持ってしまった忍(山口紗弥加)。今回、漫画家として取材を受けた彼女。不倫や18歳年下の相手との恋を描いた作品について、赤裸々には言えないものの精一杯本音で語る。しかし、結果的にこの忍のインタビュー記事が波紋を呼んでしまう。
千秋と暮らす若い女性(山口まゆ)。みひろという名の彼女はなんと千秋(板垣李光人)の妻だった。千秋が忍の記事を読んでいるのを目にしたみひろは、忍を呼び出して千秋と結婚したことを話す。
忍に誇示するかのように千秋の話題を並べたて、帰宅した千秋に忍のサイン入り漫画を見せるみひろ。千秋への執着加減がどうにもあの星宙(榊原有那)を彷彿させる。千秋はこういうタイプを惹きつける何かを持っているのか。
忍が好きなのかと言うみひろの質問を否定しなかった千秋。彼女と結婚してるのに?と若干不思議に思えてしまう。千秋とみひろの結婚、もしかすると何か訳アリかもしれない。
千秋の結婚に少なからずショックを受ける忍。そんな彼女に「真剣に付き合ってもらえないか」と申し込んできたのは、目下不倫関係中の岡野だ。
忍といると楽しいし、忍が笑うと嬉しいという岡野。気持ちを伝える一方押し付けようとはせず、「1年でも2年でも待ってる」と忍に迷う余裕をくれた。不倫は褒められないが、彼は自分がしたことの責任をとる覚悟もそれなりにできていそうだ。洋平や千秋とは違う大人の包容力を感じさせ、忍が惹かれるのもわからなくはない。
そんな中、スナックの従業員・涼子 (和田光沙)と再会した洋平(宮崎吐夢)は、久々にあの店を訪れていた。冬子(酒井若菜)は既にやめてしまったという店のキッチンで、見事な卵焼きを作って涼子を感心させる洋平。しかし、涼子が見つけた忍のインタビュー記事を見て顔をこわばらせていく。
離婚に心が揺れる忍は、漫画家仲間のマリ(入山法子)と息子の悠太(田代輝)に相談する。「傷つくかどうかを決めるのは相手であって忍じゃないと思う」と明快なマリと「母さんが決めたことならどっちでもいい」と母を尊重する悠太。大学生になりちょっと大人っぽくなった悠太は、相変わらずいい子のようだ。
心を決めた忍はついに夫に離婚を切りだそうとする。しかし、忍の不倫に感づいていた洋平は彼女を責め、昔の浮気まで忍のせいにしだす。「あの頃の忍ちゃん、いつもイライラして眉間にしわを寄せて、俺はもっと優しくかまってほしかった」と言う彼。当時忍は生まれたばかりの悠太の育児で大変だったに違いないのに……ただただあきれるしかない。
洋平の心ない言葉の数々を思い返す忍。なぜ5年間ずっと怒り続けているのかと憤る洋平に、「5年じゃないよ……20年だよ」と彼女は訴える。
浮気されても傷つけられても言葉を飲み込んできた忍。妻の悲しみを意に介さない夫に、「離婚してください」と彼女は書類を突きつけた。
「離婚するなら死んでやる」と自身の喉に菜箸を突きつける洋平。本当にこの男はどこまでも甘ったれでしかないのか。そんな彼に「洋平さんだけのせいじゃなくて、私もちゃんと向き合うべきだった」と謝りながらも、忍は冷たく突き放した。
「死にたいなら一人で勝手に死んで。迷惑かけないで」
ついにモラハラ夫との別れを決断した忍。しかし、その後の展開は、さらなる混沌の渦を予感させるものでしかなかった。
編集者に電話で呼び出されて出かける千秋。彼が会っていたのはなんと岡野だった。「エッセイ漫画をもう一度考えてみてほしい」と岡野は千秋に働きかける。
そして、洋平はあの涼子と再び出会う。屈託のない彼女の笑顔に安らぎを覚えているようだ。いっそこのまま涼子といい関係を築いて幸せになってくれたら……とも思うのだが、どうなのか。
一方、千秋が外出して一人になったみひろは、ドアを叩く音に怯えて泣き出してしまう。制服姿で男の声を怖がる彼女の過去が映し出され、どうやら何かトラウマを抱えている様子だ。
そして、この8話の最後、忍と千秋が数年ぶりに再会した。
ビルの巨大スクリーンに映る魚を同じように眺めていた二人。かつての水族館デートが思い出される。この先また彼らの間で恋と呼ばれるものが始まることはあるのか。
(文:田下愛)
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