「妻、小学生になる。」第8話レビュー:“生まれ変わり”の真実。貴恵の決断は2度目の別れだった(※ストーリーネタバレあり)
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堤真一が主演するTBSの金曜ドラマ「妻、小学生になる。」が、2022年1月21日放送スタートした。
村田椰融(むらた・やゆう)の同名漫画を原作とする本作は、最愛の妻を亡くした男性が小学生に生まれ変わった妻と再会し、戸惑いながらも生きることに向き合っていくストーリー。主人公・新島圭介役はTBSドラマに16年ぶりの出演となる堤真一。他、圭介の妻・貴恵を石田ゆり子、圭介と貴恵の娘・麻衣を蒔田彩珠、貴恵の生まれ変わりである10歳の少女・白石万理華を毎田暖乃が演じる。
本記事では、その第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「妻、小学生になる。」第8話レビュー
一瞬、本来の人格を取り戻した万理華(毎田暖乃)。しかし、朝目覚めると、万理華の中にいたのは貴恵(石田ゆり子)だった。
このことがきっかけで、貴恵が消えてしまうのではないかと圭介(堤真一)、麻衣(蒔田彩珠)、友利(神木隆之介)。ヒントを得るために、圭介たちは貴恵と似た境遇にある中学生小説家の出雲(當真あみ)に話を聞きに行く。
出雲から得られたのは、「生まれ変わり」ではなく、「憑依」であるということ。出雲に憑依しているのは小説家を夢みていた高校教師の吉原(水川かたまり)。事故死したが、吉原はこの世に未練があり、そこに怪我をして「消えたい」と絶望していた出雲と出会い、その体に偶然にも憑依してしまったのだ。
吉原は万理華に「借りたものはいつか返さなきゃいけない」と伝える。
吉原の言葉をきっかけに、貴恵はこれまでのことを振り返り始める。思い出したのは、「消えたい」と泣いていた万理華に出会い、そんな彼女を慰めようとしたこと。そして触れたことで万理華に憑依したのだ。
生まれ変わりだと思っていたけれど、実は、万理華の体を借りているだけだった。そう気がついた貴恵がそのまま万理華の体に居座り続けるはずがない。それに、「消えたい」と言っていた万理華が一瞬でも戻ってきたことは、心が変わり始めているということだ。母の元に戻りたい、と。
決心した貴恵は、圭介たちに体を万理華に返すことを告げる。もちろん、圭介たちはその考えに反対する。貴恵と万理華が共存できる方法をどうにか探したいと粘る圭介。麻衣も再びの母との別れを嫌がる。
でも、そこには万理華の母・千嘉(吉田羊)もいる。千嘉からすれば、自分の娘の人生を奪っておいて、よくそんな勝手なことが言えるものだと怒ったっておかしくない。でも、万理華がこうなってしまったのは千嘉が発した言葉が原因となっている。そして、千嘉自身も大切な人を失った気持ちを知っている。圭介たちから貴恵を奪うようなことを、もう言えないのだ。
冷静になれば、万理華と貴恵が共存するのは不可能だとわかる。どうしたって、万理華は自分らしい人生を歩めない。でも、10年、成仏もできずにさまよっていた貴恵のことを考えると……。
悲しいけれど、圭介たちがやらなければいけないのは、貴恵がいなくても前を向くことなのかもしれない。そうでなければ、貴恵の魂はいつまでも解放されない。ただ頭ではわかっていてもできるかどうかは難しい。
再び、貴恵を失った新島家。圭介は、麻衣は、新たな一歩を踏み出せるのだろうか。
(文:ふくだりょうこ)
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