「明日、私は誰かのカノジョ」第2話レビュー:横田真悠はリナそのもの。映像化でより伝わる彼女の孤独(※ストーリーネタバレあり)
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累計発行部数300万部突破したをのひなおの人気漫画「明日、私は誰かのカノジョ」(マンガアプリ「サイコミ」で連載中)がMBS/TBSドラマイズムにてドラマ化。2022年4月12日放送スタートした。
悩みを抱えて生きる5人の少女を描いた本作。一週間に一回レンタル彼女としてお金を稼ぐ「雪」や、孤独を抱えて寂しさを男で紛らわす「リナ」、見た目に固執して整形を繰り返す「彩」、周りに流されず、“自分”を持っていると語る「萌」、夜の街で“今”を生きる「ゆあ」らが各章で主人公となり物語が進む。
本記事では、その第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「明日、私は誰かのカノジョ」第2話レビュー
「だって雪は私のこと抱いてくれないじゃん!」彼氏と別れたことで自暴自棄になり、そう雪(吉川愛)に言い残してナンパしてきた2人組の大学生と夜の街に消えたリナ(横田真悠)。ラブホテルに置き去りにされ、余計に大きくなった寂しさを紛らわすためにリナは一度辞めていた“パパ活”を再開してしまう。
側から見ればリナは容姿に恵まれているし、異性にモテて友達もたくさんいる、誰もが羨むような女の子だ。その実、埋められない人一倍孤独を抱えている。
サークルの友達とBBQをするシーンでも、周りの女の子のリナに対する言葉にはどこか棘があるし、リナの“パパ”である飯田(神尾佑)もナンパしてきた大学生たちも、ただ彼女を喰い物にして欲を満たしているだけ。誰も本当のリナを見ようとはしていない。本人もそのことに気づいているからこそ、寂しいのだ。
リナが周りに嫌われないように笑顔でふるまう姿を見ていると胸が痛む。女優としてはまだキャリアが少ないものの、横田真悠はリナそのもの。笑顔の裏に隠されたリナの不安や孤独が映像化されることでよりひしひしと伝わってきた。
思いやりがあって、素直に友達の良いところを褒めたり尊敬できるリナだからこそ、幸せになってほしい。一方で、真に自分を大切にしてくれる存在に気づけないのがリナの悲しいところでもある。
自分のことで精一杯な時は雪をお店に置き去りにしたのに、一転して気持ちが満たされている時は「一緒にいてくれてありがとう」と優しくできてしまう感じがリアルだ。雪とリナは孤独が良い形で埋め合える関係性になれるのに、周りの雑音がそれを邪魔する。
それにしても、雪に「友達の誕生日を祝いたいから」とデートを断られて工事現場で一人、雪とのツーショットを眺める正之(西洋亮)の切ないこと……。リナや正之だけじゃなく、夜も煌々と明かりが灯る東京の街ではたくさんの人が孤独を抱えている。「明日カノ」は原作もドラマも、分かりやすい“救い”を提示してくれるわけではないが、こういうところで誰かが隣にそっと座ってくれるような感覚にさせてくれる。
(文:苫とり子)
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