(C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
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インタビュー

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2022年07月27日

『アイの歌声を聴かせて』の「神PV」はこうして生まれた!予告編ディレクター・横山裕一朗ロングインタビュー

『アイの歌声を聴かせて』の「神PV」はこうして生まれた!予告編ディレクター・横山裕一朗ロングインタビュー


いちばん重要なことは、最初と最後のセリフにあった

横山:この『アイの歌声を聴かせて』には、「AIが人の幸せを問う」ことから始まって、最終的に「人間がAIの幸せを問う」という物語の流れがあります。それが作品を通して、吉浦監督がひとつの軸として表現したかったことなんだろうなと考えていました。PVの初めのセリフを覚えていますか?

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――「今、幸せ?」です。

横山:逆にPVのラストではサトミが「シオンは今、幸せ?」と聞いています。初めは「AIが人の幸せを問う」、逆にラストは「人間がAIの幸せを問う」。PVも本編に近い構成を目指しました。

――(拍手)ありがとうございます! この作品のいちばん重要なことを打ち出していただき、ありがとうございます!

横山:もちろん、そういうことに気づいて欲しくて作っているわけではないのですが、感覚的に作っているところと、そうしたロジックに基づいて作っているところの、両方があります。

――その横山さんのセンス、作品への理解、はたまた尽力が合わさって、素晴らしいPVになったのだと確信しました。聞けば聞くほど、細部までよく練られ考えられているPVであると、思い知らされました。依頼があってから2週間足らずで作るのは、大変だったのではないでしょうか。

横山:たしかに大変だったかもしれませんが、こういう仕事が好きですから、とても楽しかったです。構成や細かい調整は悩みましたが、「ここで音楽だ~!」「ここで感動を煽るんじゃ〜!」とずっと高いテンションで作らせていただきました。素敵な機会をいただけて、本当に感謝しております。

映画館で映画を観てほしい

――今になっての質問で恐縮ですが、そもそも予告編ディレクターとはどういう仕事なのでしょうか。

横山:まだまだ業界を語れるような器ではないのですが、私は邦画や洋画の宣伝のための予告編やTVCMをメインにしつつ、TVアニメやドラマ・特撮・配信コンテンツ等のプロモーションのお手伝いをさせていただいております。

――どのような経緯で、この仕事に携わるようになったのでしょうか。

横山:業界に足を踏み入れるキッカケになったのは、映画の劇伴、音楽が好きだったことです。大学生の頃、予告編に使われている音楽が、本編やサウンドトラックCDに入っていなくて、そこから予告編の音楽に興味を持って、予告編そのものにも興味を持ち始めました。

映像の編集を始めたのは中学3年生の頃で、自分の手持ちの映像と、フリーの効果音や洋画のサントラCD音源を映像に当てたりしていました。高校生の時も映像の部活を自分で立ち上げて、第1回映画甲子園に出品して、初めて映像にまつわる賞をいただいたりしていました。その後は上京して大学で映画の勉強をしつつ、現場に行ったり、自主制作もしていて、卒業後はすぐこの業界に入って今に至ります。10代の頃から、やってる事がずっと同じなんですよね(笑)。

――最後に、予告編ディレクターとして、読者の方にお伝えしたいことなどありますでしょうか。

横山:本当に小物なので大した事も言えませんが……映画館に足を運んでの映画鑑賞は、素晴らしい体験だと確信しております。もちろん、映像作品を家でくつろぎながら観るのも良いことなのですが、大きなスクリーンとスピーカーで、物語の世界に没入・体感できるのは、唯一無二だと思うんです。少しでもお時間があれば、ぜひ、映画館で映画を楽しんでいただきたいですね。あとは、劇場で予告編もチェックしていただけると嬉しいですね。WEBでも気に入ったものがあればSNSで拡散して欲しいです(笑)。今回のPVは制作期間が超短期間でしたが、半年以上かけて、多くの方々が心血を注ぐ予告編も、たくさんありますので!

――ありがとうございます。最後に、この『アイの歌声を聴かせて』のBlu-ray&DVDの発売日であり、この記事が掲載される7月27日が、横山さんのお誕生日とお聞きました。お誕生日、おめでとうございます。

横山:ありがとうございます!

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横山裕一朗さんは、数々の作品の予告編やPVを制作中。公式サイトTwitterから、ぜひ最新の仕事もチェックしてみてほしい。

(取材・文:ヒナタカ)

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