<鎌倉殿の13人・執権義時編>39話~最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第45話ストーリー&レビュー
第45話のストーリー
▶︎「鎌倉殿の13人」の画像をすべて見る京から大納言ら公卿を招き、鶴岡八幡宮で盛大に執り行われる源実朝(柿澤勇人)の右大臣拝賀式。泰時(坂口健太郎)が警固をする中、公暁(寛一郎)は門弟と共に木の陰に潜んでいた。御家人たちに交じり、状況を静観する三浦義村(山本耕史)。今後の鎌倉と自身の命運を賭し、儀式を見守る義時(小栗旬)と時房(瀬戸康史)。式を終えて楼門から出てきた実朝を公卿と源仲章(生田斗真)が迎えて整列すると、牡丹ぼたん雪が降り積もる中……
第45話のレビュー
美しい雪景色が血と涙でにじむ。鶴岡八幡宮本宮での拝賀を終えた実朝(柿澤勇人)。そのそばには太刀持ちの源仲章(生田斗真)がいた。直前で、義時(小栗旬)と太刀持ちの役目を交代したのだ。
これで、邪魔な義時を追い落とした。「次は私が執権になろうかなあ!」と言っていた仲章だが、その実現は近い……と本人も思っていたかもしれない。しかし、そこに現れたのは公暁(寛一郎)。
「覚悟、義時!」と仲章に斬りかかる。血を見た仲章は半狂乱で叫ぶ。
「寒い……寒いぞぉ……寒いんだよぉ!」
そう叫んだ瞬間、公暁の刀が仲章を貫く。
なんで自分がこんな目に。仲章は義時の代わりに殺されたわけだ。その理不尽さが寒いという言葉になって表れたのか。もしかしたら、太刀持ちの間中、寒いと思っていたのかもしれない。その本音が出たのか。ある種、衝撃的なラストだった。
そして最後の最後まで良い表情だった、生田斗真……。
そして、実朝と相対する公暁。
実朝は、泰時(坂口健太郎)に言われて持っていた短刀に手をかける。
が、実朝は直前に歩き巫女から言われた「天命に逆らうな」という言葉を思い出していた。短刀を手放す実朝。
全てを受け入れたような表情を浮かべ、小さく頷く。公暁の刀を受ける実朝。その直前、泰時が叫ぶ。「鎌倉殿!」最後に実朝の耳に届いたのが、泰時の声ならば、いい。
義時としてみれば、邪魔な実朝と仲章を同時に片付けることができた。公暁も謀反人として始末すればよい。それで丸く収まるが、義時には引っ掛かるものがあった。
幼馴染の三浦義村(山本耕史)はどの程度、公暁の企みにかかわっていたのか。そして、義村は義時がターゲットになっていることを知っていたのか。
問われた義村は、義時への殺意を知っていたら、その場で公暁を殺していたと言って立ち去る。襟元に手を添えて。前回、明らかになった義村の嘘をつくときの癖だ。義時が信頼できる人間は、減っていくばかりだ。
義時にとって、もはや妻も心を許せる相手ではない。
帰ってきた義時に抱き着くのえ(菊地凛子)。のえは義時の無事を喜ぶが、当の義時の反応は薄い。
仲章が斬られなければ、のえも危なかった。言わなくてもいい
「お前も救われたな」
「あいつはお前に目をつけていた。いずれ言わなくてもいいことをしゃべっていただろう」
そして、話していたら、自分はのえを斬っていただろう、と。
そんな義時にのえは「妬いておられるのですか?」と笑って問う。
鎌倉殿が殺され、仲章も殺され、妬いた妬いてないの話をしている場合ではない。が、そんなときでもマイペースなのはのえの強さなのだろうけれど、義時は冷たい視線を投げかける。
「八重も比奈ももう少しできたおなごだった」
全国民が知っている。絶対にそれは言わなくていいことだ。
前妻と比べるなんてもってのほか……ではあるが、義時ってこういう人なのだよなあ……ということが初回から積み重ねられてきているので、ここにきてこういう効き方になるのか、と感心してしまう。
人生は積み重ねなのだと、こんなところで気づかされてしまう。
鎌倉殿がいなくなり、鎌倉の混沌は深まるばかり。
そして、義時の孤独も深まる。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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(C)NHK