<鎌倉殿の13人・執権義時編>39話~最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第44話ストーリー&レビュー
第44話のストーリー
▶︎「鎌倉殿の13人」の画像をすべて見る後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)は三浦義村(山本耕史)のもとを訪れ、鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)。一方、義時(小栗旬)の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章(生田斗真)がのえ(菊地凛子)を……
第44話のレビュー
「明日、実朝を討つ」
このときが来てしまった……公暁(寛一郎)が決意を固めた。
北条のこれまでの行い、そして誰が鎌倉殿にふさわしいのかを知らしめると言う。そのそばにいるのは三浦義村(山本耕史)。
本来なら、義時(小栗旬)はその企みを阻止しなければならないはずだが……。
実朝(柿澤勇人)のそばには源仲章(生田斗真)がいる。後鳥羽上皇(尾上松也)を頼りにしている実朝からすれば、仲章は信頼する側近なのだろう。
そして実朝は義時に向かって「いずれ私は京に行こうと思う」と言い出す。
義時にとって、鎌倉は頼朝が作った守らなければならない場所であり、そのために今まで苦心してきたのだ。しかし、実朝は鎌倉を捨てようとしている。なら、もう義時にとって実朝は邪魔でしかない。
そして回を追うごとに存在感が増している仲章。
のえ(菊地凛子)に近づき、どうにか義時の弱みを握ろうとする。欲しいのは、義時が実朝の兄・頼家を殺したという証拠。
もちろん、のえはそんな仲章の企みには気づかず、ヘラヘラしている。そんな2人が一緒にいるのを見た義時は顔色を変えた。
余計なことを話していないか、と怒り、問い詰める。
そこは、フリだけでもいいから、のえが言い寄られていないかと心配して、自己肯定感を高めてあげるべき……なのだけれど、それができる義時ならこんなことにはなっていない(まあ、八重や比奈なら仲章を寄せ付けることもしなかっただろうけれど……)。
義時を追い詰めたい仲章の望みはひとつ。
「こちら(鎌倉)で思う存分自分の腕を試したい」
「人の上に立ちたい」
そんな本音をどうしてわざわざ義時にさらすのか。もう義時には勝った、と思っているからなのか。
一方、公暁の企みに気がつき、どうにかして実朝を守ろうと動くのが泰時(坂口健太郎)だ。
式を取りやめることはできない。それならば、鎧を下につけてくれと頼む。が、実朝は頷かない。そこで泰時は短刀を差し出す。
「太郎のわがまま、どうかお聞き届けください」
ずるい。大好きな泰時にそんなことを言われたら、実朝も受け入れざるを得ない。これを計算してやっているのだとしたら、なんて恐ろしい子!という話なのだけれど、実際のところはどうなのか……。
そして、ここに来て実朝は頼家の死の真相について知ってしまう。公暁がどうして鎌倉殿に固執するのか。その理由が実朝にはわからなかったのだ。
知ったら知ったで、実朝には辛い事実だ。政子(小池栄子)の元を訪れ、責める。
「私と同じ自分の腹を痛めた子ではないのですか」
「私はあなたがわからない」
政子だってできることなら頼家を守りたかった。でも、それが叶わなかった。
次第に、政子の孤独が際立っていく。
もはや、こんなことになっているのも頼朝が早くに亡くなってしまったのが原因なのでは? 結局、頼朝のせいなのではないか? とここに来て責任転嫁をしたくなってしまう。
そしてピュアな実朝はそのまま公暁のもとに行き、頭を下げる。
「お前の気持ちが痛いほどわかる」
公暁は「分かるものか!」と声を荒げるが、そう、実朝にはわからない。
頼家の息子である公暁は出家させられ、一幡は殺された。鎌倉殿の子どもでありながら、苦しい時を過ごしてきた。
実朝が鎌倉殿になったことは悪いことではない。彼なりに、鎌倉のことを考えてきていた。でも、公暁にとっては、その存在自体がもはや悪なのかもしれない。
そして、義時のことは問答無用できっと憎い。
そんな義時は、実朝の京へ行く言葉を聞いて決意し、トキューサ(瀬戸康史)に語り掛ける。
「ここからは修羅の道だ。つきあってくれるな」
仲章も暗殺しようとするが、失敗。トウ(山本千尋)、任務が失敗続きだが、大丈夫か?
そして、仲章としては、義時を追い詰めるいい証拠がゲットできたことになる。義時に対して、あの勝ち誇った顔! なんて悪そうな顔! なんて腹立つ顔!
そして、サラリと義時から太刀持ちの役目を奪ってしまう。
これが、2人の運命の分かれ道だった。
拝賀式が始まった。
雪がしんしんと降り積もる。
悲劇の幕が上がる。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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