続・朝ドライフ

SPECIAL

2023年10月04日

「ブギウギ」妾の子だったら「あかん?」とタイ子が問題提起<第3回>

「ブギウギ」妾の子だったら「あかん?」とタイ子が問題提起<第3回>

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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。小さい頃から歌って踊るのが大好き、後に戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第3回を紐解いていく。

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胸がちくぅ〜

義理と人情を実行しようとする鈴子(澤井梨丘)タイ子(清水胡桃)松岡(湯田大夢)への恋を応援しようとしますが、空回りして……。

お祭りの帰り、松岡の友人たちが、鈴子が松岡を好きだと勘違いして大騒ぎ。弟の六郎(又野暁仁)が空気を読まず、松岡を好きなのはタイ子だと言って、場を混ぜっ返します。

子どもたちは残酷で、芸者の子、妾の子と囃し立て、鈴子は怒り出し、六郎はへんなタイミングで転び、わちゃわちゃに。

子供時代ってこんなふうにあけすけだったような気もしますが、みんなの見てる前で、
誰が誰が好きという話になったり、芸者の子、妾の子で悪い?と主張したり、おもらしした話をしたり、客観的に見てるといたたまれない気持ちになったのも正直なところです。

鈴子が、かなり暴力的に男子たちに食ってかかっていきます。

「カーネーション」や「おちょやん」ではヒロインが腕っぷしと負けん気の強いヒロインでした。が、最近は控えめなキャラが増えています。「舞いあがれ!」はおとなしめ、「らんまん」はしっかり者でしたが乱暴な口調ではなかった。「カムカムエヴリバディ」の3代目は時代劇好きで刀を振り回していましたが乱暴なイメージはありませんでした。鈴子のような言動が激しめ、しかもちょっとおせっかい過ぎるヒロインは久しぶり。ちょっとベタ過ぎなキャラ造形な気もしますが、絶滅するのも惜しいので、適度にこういう人物が出てきていいかと思います。

鈴子のおせっかいのおかげで、タイ子はすっきりして、芸者や妾の子だからと遠慮することをやめるのです。これで鈴子の恩返し(義理返し)は完了。

「おまえらいいな」と言う松岡が好感触。残念ながらほかに好きな子がいて、タイ子の気持ちに応えることができませんが、ちゃんと帽子を脱いでタイ子に敬意を表する態度は清潔感ありましたし、タイ子を見つめる瞳が、ヒロインの相手役の眼差しのようでした。

松岡役の湯田大夢さん、「舞いあがれ!」短歌教室・少年1役を演じていたそうです。
ほかに「心の傷を癒すということ」壮介(子ども時代)役も。これからの活躍に期待です。

不思議な浮遊感ある六郎役の又野暁仁さんは「舞いあがれ!」の朝陽くんを演じていました。コミュ障だった朝陽くんも印象的でしたが、六郎も、喧嘩を止めに入ろうとして(?)でいきなりすっ転ぶという斬新な動きや「胸がちくぅ〜」という言い回しの余韻が独特です。

ほか、第3回で印象的だったの田山先生(大塚宣幸)。鈴子が歌う姿を絵に描いてくれます。それだけでいい先生なんだろうなあと感じます。全員に描いてやれよという気もしますが。

鈴子は、第3回のお祭りで写真を見た、花咲歌劇団のことは忘れていましたが、先生は、彼女が歌ったり踊ったりすることに才や興味がありそうと見抜いている。そして鈴子も、自分が将来なにをしたいか考えはじめます。歌劇団のことを忘れていたのも、彼女なりの気遣いで、風呂屋を手伝うのが当然と思い込んでいるのかも?  


【朝ドラ辞典2.0 将来(しょうらい)】

朝ドラはたいてい主人公の幼少時からはじまり、ある段階で、将来、なにをするか進路を考える局面がある。進学か就職か、結婚か仕事か、仕事だったら何の仕事か、家を継ぐのか、継がないのか等々、様々な選択肢のなかから何かを選び取ることが、ドラマの題材になる。ドラマの冒頭は、主人公が夢を達成した将来の場面からはじまることもしばしば。


関連語:仕事、進学 
やりたいこと 
夢、未来




(文:木俣冬)

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