「虎に翼」よね(土居志央梨)が弁護士になって、山田轟法律事務所に<第97回>
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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。
日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となるヒロイン・寅子を伊藤沙莉が演じる。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第97回を紐解いていく。
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気まずい両家顔合わせ
3年ぶりに東京に戻ってきた寅子(伊藤沙莉)。新潟で土台を作り、成長した寅子ですが、東京に残っていた人々もそれぞれ変化が起きています。
猪爪家では直明(三山凌輝)に結婚話が持ち上がっています。ただ、同居するかしないかで花江(森田望智)と揉めていました。
その花江から、よね(土居志央梨)の変化を聞いた寅子は、東京地裁出勤前に会いに向かいます。
よねはついに弁護士になり「轟法律事務所」は「山田轟法律事務所」に名称が変わっていました。名前の順番をじゃんけんで決めた回想シーンにほっこり。
自分を曲げず、何も変えず、よねのままで、みごとに弁護士になったことを寅子は喜びますが、よねは相変わらずむすっとしたまま。簡単に愛想をふりまかないところがよねらしい。
東京地裁に出勤すると、桂場(松山ケンイチ)、多岐川(滝藤賢一)、久藤(沢村一樹)が迎えてくれます。彼らはそれぞれ所長に出世しています。
法曹界の超エリート集団といったところでしょう。まぶしい。
めっちゃ盤石な派閥のなかに運良く寅子も紅一点、混ざっているわけです。「紅一点」という言葉は、ジェンダー平等を目指す令和の時代、使用することがためらわれますが、ドラマ内ではそういう雰囲気になっております。ただ、法曹界にも女性が少しずつ増えていると久藤が語ります。
寅子は桂場に、法とは「きれいな水、水源のようなもの」と以前言ったが、きれいな水、水源は法律ではなく、人権や人の尊厳ではないかと思ったと話します。桂場はそれには答えませんでしたが、寅子が去ったあと、少しだけ顔をほころばせます。新潟で、いろいろ経験や勉強を積んだと感じたのでしょう。
ただし、桂場はそのあと竹もとで、寅子と航一(岡田将生)が交際していると知ったときにはかなりまずいものを食べたような渋い顔になります。松山ケンイチさんの顔が最高でした。
「本当に彼女でいいのか」と航一に確認し、「いい年をしてそんなことを大ぴらにすべきではない」と苦言を呈す桂場。ようやく適切なツッコミ役が帰ってきてくれてホッとしました。自由な寅子には力のあるツッコミが必要なのです。漫才でいえば、千鳥のノブ、オードリーの若林正恭、博多華丸・大吉の大吉、南海キャンディーズの山里亮太、ダウンタウンの浜田雅功などのような人がいてこそ、輝くのです。
竹もとでは、梅子(平岩紙)があんこの味を引き継ぐ修業中でした。
寅子は、上司になった汐見(平埜生成)から、香淑(ハ・ヨンス)が法律の勉強を再開したと聞きます。
同級生がみんな、一度は夢やぶれたものの、再び、夢に向かっていることがほんとうによかった。
寅子は仕事も私生活も順調。優未(毎田暖乃)を連れて、航一の家族に会いに行きます。義母(再婚なので航一と血がつながっていない)・百合(余貴美子)は寅子のファンで、大歓迎。いい感じかと思ったところ、美味しいうなぎを食べながらついついおしゃべりが過ぎて、へんな空気になってしまいます。
百合はともかく、航一の子供たちの表情がかなり白けた感じに。彼らの知らない父の明るく愉快な話を聞いて、おもしろくないのでしょう。空気を読まない(読めない?)寅子らしい失態です。彼らとの溝は埋まるでしょうか。
(文:木俣冬)
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