ドラマ「俺の家の話」全10話のあらすじ感想|ありがとう寿一、ありがとう長瀬智也、ありがとうクドカン
第9話あらすじ&感想
第9話あらすじ
妹弟が去り、寿三郎(西田敏行)がグループホームへ入所し、観山家に残った寿一(長瀬智也)は、ひたすら稽古に励んでいた。そこへ、半年前に家を出た寿限無(桐谷健太)が突然の帰宅。「自分には能しかないと気づいた」と言う寿限無を誘い、寿一は寿三郎のいるグループホームへと出かける。スーパー世阿弥マシンに扮した寿一をはじめ、慰問に来たさんたまプロレスのレスラーたちを見たお年寄りは歓声を上げる。そして、その中には寿三郎の姿もあり、寿限無は泣き笑うような気持ちでそれを見つめるのだった。
一方、寿一と結婚を誓い合ったはずのさくら(戸田恵梨香)は、この2週間ほど観山家には行かなかった。能とプロレスが頭の大部分を占め、手を出してこない寿一に不満を覚えていたのだ。同じ頃、踊介(永山絢斗)は週刊誌の記者からある記事を見せられていた。そこには、グループホームの中庭で運動している寿三郎の姿があり・・・。
第9話感想
一度は寿一(長瀬智也)一人になってしまった観山家。再集結した家族、また倒れて寿三郎(西田敏行)にかけるそれぞれの言葉にもらい泣きしまくってしまった回でした。
寿一と寿限無(桐谷健太)の再会、良い
家の前で「お邪魔しますかただいまかわからなくて……」と戸惑う寿限無に、「おかえり」と言って腕を広げる寿一。寿一のこのさりげない優しさ、好き。
寿一が手を出してこない愚痴をユカ(平岩紙)にするさくら
寿一の頭の中のハードディスクはほとんど能とプロレスで埋まってて、私に割く容量は2GBしかない! と意気投合しててうける。二人で会うくらい仲良くなってるのも面白い。
でも、ユカの新夫が1年育休を取って家事育児をほぼやってくれてるという話を聞いて「無理!」を連発するさくら、「無理」と言うたびにユカ夫妻の顔が映るのテンポが良すぎて笑ってしまった。ごめんなさいと言って帰って行ってしまったけど、話あれだけ聞いてもらってわりと失礼じゃない?
分家の万寿(ムロツヨシ)現る、ちらつく大恋愛
週刊誌の報道を見て押し掛けてきた、分家の万寿(ムロツヨシ)。
え? これクドカン作品だけどムロツヨシ?? っていう動揺がすごかった(福田雄一監督作品の印象が強い)。めちゃくちゃ嫌味だし怖い感じ。
ムロツヨシと戸田恵梨香といえばドラマ『大恋愛』の二人じゃないか~と思った人も多そう。
万寿に後釜として引っ張り出された踊介。聞いた時の観山家の(いやこいつは駄目だろ)的な反応がすごい。演目の土蜘蛛、はみ出てばれちゃってるし。
「バカ息子!」と言ってくる関係者の人(この人身内なのか何なのかわからんけど失礼だな)に、「うちにはもうバカ息子とバカ娘しかいない、だがそれを言っていいのは親父だけだ」と寿一が言い返すと、意外とあっさり帰って行った万寿。何だったんだ。
ホームを抜け出して帰ってくる寿三郎
能の稽古に根を詰め、寿三郎(まだ生きてる)の亡霊を見るようになった寿一。
ある日「さくらちゃんと別れなさい」と言ってきた亡霊寿三郎をよく見ると、ホームのスリッパをはいた本物だった。抜け出してきたのだ。
「あそこのみんな、孫と薬の話しかしない。つまんねー」
確かに……!
演目の隅田川、世阿弥親子が子供の亡霊を出すか出さないかの演出で揉めた話を聞いて「俺なら出ていくよ。だって会いてえもん」と答えた寿一に「そうか、お前は出るのか」と嬉しそうな顔そした寿三郎は、そのまま脳梗塞を起こして倒れる。
能について、ずっと寿一は寿三郎がどう思うかで悩んできたけど、この時の笑顔が本心だったんじゃないかな。
寿三郎に話しかける家族の言葉に泣いた
実はホームに行ってた踊介。間接的にホームに差し入れしてた舞。ひどいこと言っちゃったから直接会いに行けなかったと気にしていた。
現れる葬儀屋の塚本高史。木更津キャッツアイにもタイガー&ドラゴンにも出てた!
これまた胸熱だ~! でも「前の道霊柩車Uターンできますかね?」とか病人の前で言うのやめろ。
戒名考えてなかったという話で、長州力が考えてくれると言い、なぜか寿一の戒名を考え出す。
吹雪院親不孝革命居士。ブリザードだから吹雪らしい。
寿三郎の心拍数を上げる大喜利みたいになる。
秀生の能の話や女の子の話題のときは上がるのに、踊介が「俺の土蜘蛛も観てくれよ」と言ったときだけ下がったのは笑った。
舞が「あんたこのままだと地獄行きだよ。それが嫌なら目を覚まして。愛人の子まで作って……」
というと、寿限無が「俺は気にしてないから。この家好きだし、能が好きだし、短い間だけど親子になれて嬉しかったよ。あの時落とし前つけてくれてありがとう」
寿限無ーーーーー(涙)。やっぱまじでいいやつだな……。
みんな言いたいことを言い出した。
秀生の言葉「おじいちゃんのおかげで、漢字は書けないけどウロウロしなくなりました。漢字が書けなくても能楽師になれるかな? なれるよね、おじいちゃんも野菜の名前言えないもんね、おじいちゃん」これは泣いてしまう……。
離見の見
離見の見の考え方が出てきて、自分を俯瞰して観ている寿一。まだ、観山家の能を取り仕切るのは寿三郎だなと思う。
寿三郎、奇跡の復活
いよいよ寿三郎が危ないというとき、寿三郎が口にしたのは「世阿弥マシーン」。
世阿弥マシーンに扮した寿一が現れ、自分がプロレスしていたこと、能より全然プロレスだったことを告白。
みんな知ってたけど気を遣って見て見ぬふりしてたらしい。
まあ、体格も目も声もバレバレだったよね……。
舞が「また出ていっちゃうかもしれないから」黙ってたというのにジーンとした。
世阿弥マシーンの声掛けで奇跡が起こり、寿三郎は一命を取り戻す。
ラストが意味深で怖い
大晦日の試合の日。寿三郎はだいぶ元気になり寿一に「行ってこいや!」と声をかける。
「奇跡は二度起きなかった」のナレーションと、リングに向かう寿一を悲し気な顔で観ている着物を着た寿一。まさか寿一、死んだりしないよね……? 対戦相手のホセはプロレス愛がないし、キレると何するかわからないというアドバイスも気になる。
能の演目「隅田川」が子が亡くなる話だということや、長州力が考えた戒名の話も伏線のような気がしてきてしまう。いや、寿三郎も嫌だけど寿一が死ぬのは嫌だ~、次回、頼む……。
クドカンから長瀬智也へのエール?
長州力の「引退しても何度でもカムバックすればいいじゃねぇか」の言葉が、この作品でドラマ最後という長瀬智也への、宮藤官九郎からのエールのようにも感じた。
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