『るろうに剣心 最終章 The Final』レビュー:「宿命の映画」
『るろうに剣心最終章The Final』のあらすじ(ネタバレなし)
激動の幕末を駆け抜け“人斬り抜刀斎”として恐れられてきた男・緋村剣心。新時代=明治になり、二度と人を殺さないという“不殺(ころさず)の誓い(ちかい)”の立て、逆刃(さかば)刀(とう)を手に日本転覆を企てた志々(しし)雄(お)真実(まこと)との死闘など多くの闘いを乗り越えてきました。
明治12年。志々雄との闘いを経て再び神谷道場での暮らしに戻ってきた剣心は、師範代の神谷薫や門下生の明神弥彦、盟友の相楽左之助、医者の高荷恵らと平穏な日々を送っていました。
しかし、何者かが東京を砲撃、町は燃え上がり、大混乱に陥ります。剣心が現場に向かとそこには“人誅(じんちゅう)”と書かれた手紙が落ちていました。“人誅”とは「天が裁かなくても、己が裁きを下す」という意味の言葉です。
そこへ、今は警視局の警官となっている元新撰組の斎藤一が現れ、ある男の存在を語り始めます。その男は志々雄に鋼鉄艦・煉獄を売りつけた武器商人で、中国の裏社会を牛耳っている男でした。
襲撃はその後も続き、ほんの僅かでも剣心と関りを持った者たちが次々と襲われ、瀕死の重傷を負っていきます。剣心が相手の姿も見えず、肉体的以上に精神的に追い詰められていく中で、ついに事件の首謀者が目の前に現れます。
「お前が作った新時代の総てを滅ぼす」「俺が与えたいのは痛みではなく、苦しみだ」と言い切るその男の正体を知り剣心は驚愕します。
一夜明け、仲間たちの前で剣心は首謀者の名前とその関係を語っていきます。
男の名前は雪代(ゆきしろ)縁(えにし)、剣心の頬の十字傷の秘密を知ると男であり、幕末に剣心の手で惨殺した妻・雪代巴の弟(=剣心の義弟)でした。剣心の衝撃の告白に言葉を失う神谷道場の面々。しかし、縁の襲撃は目の前に迫っていました。
そんな時、かつて戦った御庭番衆の御頭・四乃森蒼紫が巻町操を伴って京都からやってきます、何者かによる東京襲撃計画があることを知った二人は、偵察にやって来たのでした。
そして、縁とその異形の同志たちによる東京総攻撃の幕が切って落とされます。一瞬で火の海・修羅場となった町で必死に戦う剣心。蒼紫や左之助、操らも奮戦する中、縁は神谷道場に姿を現します。緋村剣心と怨讐の義弟・雪代縁との決戦の時が迫っていました。
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(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会