インタビュー

2021年04月25日

キラメイジャーとリアルにVSしてる!篠宮暁&「リュウソウジャー」プロデューサーズ座談会

キラメイジャーとリアルにVSしてる!篠宮暁&「リュウソウジャー」プロデューサーズ座談会





篠宮 そして、そんなリュウソウジャーの最新の活躍がみられるのが、「キラメイジャーVSリュウソウジャー」ですね。どんな感じのお話になっていますか?

土井 台本作りは現行作品がメインなので、僕たちはキャラ監修としての役割が多いんですけど、最初に入った台本打ち合わせで、丸山さんがリュウソウジャーの台本打ち合わせと同じように「こうした方が面白くない?」って突飛な意見を出したので、「おぉ、言うなぁ〜」と思っていました(笑)。

丸山 忘れました(笑)リュウソウジャーとキラメイジャーがそれぞれコンビを組むような展開なんですが、それぞれに何をさせたら面白いかな?みたいなところには口を出したりしたかな。でもキャラクター監修の範囲です(笑)。

篠宮 VSを作るときは、スタッフさんの間で、それぞれの作品の世界観の押し合いへし合いがあったりするんですか?

丸山 現行作品の世界に先輩ヒーローがお邪魔するっていうのが基本スタイルですね。今回も、「キラメイジャー」の世界の中で、リュウソウジャーが久しぶりに集まったという感じです。「キラメイジャー」の世界の中でじゃないと、敵のロジックも成立しないですし、「キラメイジャー」の世界にいる以上、彼らの世界のルールの中で戦うしかないので、世界観に関してはそういうものだと思っています。

篠宮 でも、『騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』のときは、「リュウソウジャー」が現行作品でしたよね。

土井 あのときは、あえて「ルパパト」の世界に行った作りにしましたね。

丸山 タイミング的に自分たちの本編をどうまとめてどう終わらせるか、というのに真剣になっていたときで。しかも「リュウソウジャー」の最終回をやっているめちゃめちゃシリアスな時期に上映されるわけだから、そこで、楽しかった頃、それこそナダがいたころの話に「ルパパト」を混ぜてやるという発想にはならなかったんですよね。さらに、「ルパパト」のプロデューサーがみんな異動してしまっていて、監修できる人がいなかったんですよ。

土井 なので、監修込みで脚本の香村純子さんにお願いして。世界観を崩しにくい作品でしたから。

丸山 あんなに世の中で話題になった作品を、僕らが触ってバッシングを浴びるのも怖いし(笑)。忙しいからダメです、って断られたんだけれども、「書かなくてもいいから、一回打ち合わせだけしましょう」って香村さんにお願いしたら、最終的に書いてくれました。



篠宮 いや〜、すごいなぁ。今回はスムーズに行きましたか?

土井 今作の監督が「リュウソウジャー」を一番数多く撮ってくれていて、「キラメイジャー」も撮っている坂本浩一監督でしたし、脚本も両作担当していた下さんだったので、スムーズでしたね。坂本監督は「キラメイジャー」のチーフプロデューサーの塚田さんとも長い仲なので、塚田さんが求めるものをわかっていらっしゃるし。そう、リュウソウジャーは素面のアクションがすごく多かったんですよね。キラメイジャーは変身後にすごく強くなるという設定だったので、坂本監督は打ち合わせから、キラメイチームにも素面アクションをやらせたいと話していました。逆にリュウソウジャーチームは、坂本監督なら絶対素面アクションがあるって言うのを楽しみにしていて。キラメイチームにマウントをとるわけじゃないですけど、キラメイチームに負けないようにしよう、っていう意気込みは衣装合わせの時からうっすら感じました。

篠宮 リアルにVSだったと。

丸山 そういう意味ではすごくちゃんとVSしてるよね。VSの名に恥じないというか。

篠宮 確かに、リュウソウジャーは本編での素面アクションが多かったですね。「みなさんめっちゃ動けるやん!」って。

土井 坂本監督の回が多かったからだと思います。本人たちがすごく負けず嫌いだったので。

篠宮 (岸田タツヤ演じる)バンバとかは、かなり張り切っていた印象でした。

丸山 動けるから(笑)。チェーンをぐるぐる回したり、剣さばきだったり。

篠宮 そういうところも期待できるということですね。

土井 そうですね。今回、キャスト達自身が吹き替えもなるべく無くしたいと言っていました。カナロ役の兵頭(功海)君はバク宙とかの吹き替えカットが4カットあったんですけど、そのうちの3カットを自分でやりたいと監督に直談判してアクターさんから奪って自分でやってましたし、岸田くんも寒い中、泣き言も言わずに裸足で剣アクションやったりしてましたね。

篠宮 楽しみやなぁ〜! では最後に、こだわった点など、見どころを教えてください。



土井 リュウソウジャーはあまり衣装を変えない人たちだったんです。42話で一回スーツは着たけど、基本は年中同じ。彼らの使命をまっとうする覚悟が服装にも現れているんだ、ということを丸山さんがどこかで話していました。それが今回は、思いっきり衣装が変わっているので、そこはかなり見どころだと思います。本人たちも、衣装合わせからすごく乗り気で現場でも楽しそうでしたね。アスナ役の尾碕(真花)さんは特攻服を着たレディースの姿がすごく似合ってましたし、岸田くんの素浪人としてのボロボロの着物もよかったと思います。トワ役の小原(唯和)くんも怪盗の格好をしてパルクールよろしく走り回ったりしているので、そういう姿も楽しんでいただけるんじゃないかと。「キラメイジャー」の世界に行ったからこその、「リュウソウジャー」のスタッフだけだったら生まれなかったテイストの作品になっていると思います。

丸山 彼らは本編の最終回で、ほとんど使命を果たしてるんです。マイナソーを生み出す存在がなくなったので、戦わなくてよくなったわけで。そんな彼らがあのあとどう生きてるのか、どんな若者として暮らしているのかを初めて観ることができる唯一の作品なので、ぜひそこに期待していただきたいです。

【取材後記】
「リュウソウジャー」のテレビ放送が終わって一年以上経ってるんですが、今回、VSきっかけでお話しを聞かせていただけるということで、リュウソウジャーで個人的に一番好きなナダについて厚めに聞かせていただきました。

ナダ演じた長田さんの熱量をプロデューサーのお二人のインタビューからインプットした上で、神回でもある32話「憎悪の雨が止む時」と33話「新たなる刺客」を見ると、さらに胸が熱くなり、よりナダを好きになりました。

あの日、あの時、ナダによってトラウマ級のショックを受けたファンの皆様、この記事を読んだ上でもう一回見てみましょう。

そしてお話にもあった「キラメイvsリュウソウ」の素面アクションも楽しみに、作品が公開される29日を待ちたいと思います。


(取材:篠宮暁、文:大谷和美)

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