マーベル作品(MCU)フェーズ1 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!


『インクレディブル・ハルク』の魅力



インクレディブル・ハルクは、MCU第2弾となった緑の怪物・ハルクを主人公にしたアクション映画。他作への繋がりが明白となったことで、シリーズの面白さが観客に広まった一作です。

ストーリー


科学者のブルース・バナーは、恋人ベティの父、ロス将軍の命令を受けて人体への放射線抵抗を研究していた。ところがその研究実験中に事故が発生、多量のガンマ線を浴びたブルースは、怒りを感じて心拍数が200を越えると約2.7メートルもの巨大な緑色のモンスター=ハルクに変身する特殊体質となってしまう。それ以来、彼を利用しようとする軍の追跡を逃れ、ブラジルに身を隠して治療薬開発と細胞の解明に専念するブルース。しかし、ふとした出来事からブルースの居場所が割れてしまい、ロス将軍によって送り込まれた特殊部隊員ブロンスキーらに包囲されてしまう。だがその時ブルースはハルクへと変身、部隊を一蹴し、間一髪のとこで逃亡に成功するのだったが…。

エドワード・ノートンが息を吹き込んだハルクの魅力


まるで、ジキル博士とハイド氏のように二面性を持つ主人公を見事に表現したのが、エドワード・ノートンさんです。

温厚な性格のブルース・バナー博士と恐ろしい力を持った怪物・ハルク。

自己に潜む脅威により社会から孤立してしまった博士の哀愁は、二度アカデミー賞にノミネートされた彼だからこそ実現できた魅力といえるでしょう!
また、彼は過去に監督経験がある人物でもあり、本作ではノークレジットながら脚本の改稿にも携わっていたそうです。

よりダークなトーンで二部作を描く予定だったそうですが、その構想がスタジオの想定していた展開とは大きく異なったことで却下。
このような創造上の違いもあり、公開後にノートンさんはハルク役を降板することになりますが、『アベンジャーズ』以降は、マーク・ラファロさんが彼の意志を引き継いで同役を演じています!

エンタメ映画の名手・ルイ・レテリエ


本作のメガホンをとったのは『タイタンの戦い』、『グランド・イリュージョン』など、人気シリーズの第1作も手掛けたルイ・レテリエ監督。

それゆえ、作品には確かな娯楽性が光ります。

主人公とヒロインのラブストーリーや、悪役・アボミネーションとのバトルシーンなど、様々な要素をテンポよく詰め込んだ内容には、エンタメ映画として納得の満足感が得られるでしょう!

また、過去の実写作品へ敬意を払った小ネタの数々も見所です。

公開時のインタビューで70~80年代に放送されたテレビ版のファンだということを公言している監督。
それゆえ、劇中ではテレビ版でハルクを演じた俳優がカメオ出演しているほか、『逃亡者』の設定も強い影響を受けていると言われています。

ちなみに、ラストのサプライズ展開は監督たっての希望で追加された場面。
アメコミ映画に熱い思いを抱えた監督だからこそ生まれた名シーンは、本作の面白さをより高みに押し上げています。

軍事国・アメリカへの批判的視点


本作では『アイアンマン』同様、世界トップレベルの軍事国・アメリカを批判するような視点も目立ちます。
というのも、『インクレディブル・ハルク』における悪役は、まさしくアメリカ軍だからです。

大量の戦車や軍隊を投入する軍人・ロス将軍や、常軌を逸した肉体改造に臨む精鋭兵士・ブロンスキーなど、劇中では軍事力を過信する米軍たちが意図的に描かれているのです。

彼らの兵器がスターク・インダストリーズ(アイアンマンことトニーが社長を務める軍需企業)製であるという小ネタも印象的で、『アイアンマン』と同様に、当時の軍事産業を批判的に描いた作品と受け取ることもできるのです。


スリリングな逃亡劇と切ない恋愛物語


本作はヒーロー映画でありながら、スリリングな逃亡劇切ない恋愛物語としても楽しめる一作です!

物語の前半、ブラジル・リオデジャネイロを舞台に主人公が追っ手から逃げる場面には圧倒されます。
「住居から住居へ飛び移っていく」という特殊なロケーションを活かしたアクションシーンには、観客の誰もが興奮することは間違いないでしょう!

また、主人公とヒロインの儚いラブストーリーにも注目です!
恐ろしい怪物を宿した主人公がかつての恋人と再会し、惹かれ合う展開には王道ながらも心に響くものがあるのではないでしょうか。

お互いを思うゆえに簡単には近づくことの出来ない二人。
そんな彼らの関係性が、単なるヒーロー映画とは異なる、魅力的なドラマを生み出しているのです。

『アイアンマン』との繋がり


本作では、シリーズ前作『アイアンマン』と繋がる場面も多数登場します。

秘密諜報機関・S.H.I.E.L.D.の長官・ニック・フューリーや、スターク・インダストリーズの名前が登場するOPシーンほか、S.H.I.E.L.D.について言及されるシーンがあるなど、小ネタは満載です。

特にラストシーンは『アイアンマン』を観た方であれば、より楽しめるサプライズも!

また、今後登場するヒーロー・キャプテン・アメリカに関わる「スーパーソルジャー計画」というキーワードも登場します。

ちなみに、本作のロス将軍は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に再登場。
今後、公開される『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で悪役・アボミネーションの再登場が発表されているほか、配信予定のドラマ『シーハルク』(ハルクの従姉妹である弁護士が主人公!)では、精鋭兵士・ブロンスキーが再登場する予定です!


人気映画シリーズMCUの第2作となったインクレディブル・ハルク

日本では『アイアンマン』大ヒットの裏で知名度が低い本作ですが、ストーリーの面白さは前作にも匹敵する隠れた名作

今後、MCUを追っていきたい方のみならず、アクションとロマンスが融合したヒーロー映画に興味があるという方にもオススメしたい、知られざる名作です。

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