マーベル作品(MCU)フェーズ1 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』の魅力
MCU第5作となった『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』は、第二次世界大戦下を舞台にした作品。シリーズの時系列上、初期となる内容ゆえ、他作に登場したアイテムや、キャラクターの起源なども垣間見られる一作です。
ストーリー
1942年、病弱なため兵士として不適格とされたスティーブ(クリス・エヴァンス)は、軍の極秘計画“スーパーソルジャー実験”に志願する。スティーブはパワー、スピード、身長等あらゆる身体能力だけでなく、正義感溢れる魂も極限まで高められ、別人のような姿に生まれ変わったが、政府は彼を兵士として認めなかった。そして、星条旗デザインのコスチュームを着た“キャプテン・アメリカ”という名前で軍のマスコットに仕立てられ、国中の人気を集めるが、仲間である兵士たちからは相手にもされなかった。そんななか、親友が所属する部隊が全滅の危機に瀕すると、スティーブは実戦経験もないまま、無断で仲間の救出に向かう。そんな彼の前に立ちはだかったのは、ナチス化学部門ヒドラ党の支配者レッド・スカル(ヒューゴ・ウィーヴィング)だった。かつてないエネルギー源で世界侵略を企てていたレッド・スカルもまたスーパーソルジャーで、野心を極限まで凶悪なものへと変貌させていた。キャプテン・アメリカは、大軍を率いるヒドラ党を倒し、本物のヒーローになれるのだろうか?
正義の象徴・クリス・エヴァンス
本作の主人公・スティーブ・ロジャースを演じたのは、クリス・エヴァンスさん。
動じない勇気と自信を持ち、努力を積み重ねた結果、超人的な肉体を手にする正義感溢れるヒーロー・キャプテン・アメリカを見事に演じきりました!
マーベルを代表する人気キャラクターのオファーに最初こそ戸惑いを感じたというエヴァンスさん。
しかし、製作陣のミーティングやロバート・ダウニー・Jrさん(『アイアンマン』主演)の説得にも励まされ、出演を決意したそうです。
劇中では、人体実験を経て、脆弱な姿から変貌を遂げる主人公ですが、撮影のため、肉体を鍛え上げたエヴァンスさんに合わせて、製作の際には特殊な視覚効果を使用。
合成や代役、グリーンバックの撮影を駆使しながら、まるで別人のようなスティーブ・ロジャースの大変身を実現させたそうです。
ちなみに、彼がマーベル映画のヒーローを演じるのは本作が二度目。
2004年以降、2作品が作られた『ファンタスティック・フォー』シリーズでは、本作とは真逆のプレイボーイキャラ「ヒューマン・トーチ」というヒーローを演じていました。
時代の空気を取り入れる達人・ジョー・ジョンストン
本作の監督は『レイダース / 失われたアーク《聖櫃》』でアカデミー賞最優秀視覚効果賞にも輝いたジョー・ジョンストン監督。
40年代を忠実に再現した衣装やセット、当時の撮影技法を踏襲するこだわりや『レイダース / 失われたアーク《聖櫃》』を手本にした物語によって、第二次世界大戦下のアメリカを冒険映画の形式で映像へと写し取りました。
ちなみに、彼は1991年に『ロケッティア』という作品を監督しています。
こちらの作品では、第二次世界大戦直前を舞台に、飛行装置で悪に挑む主人公を描いており、まさしく、その内容は本作の原型といえるもの。
敵組織として登場するナチスやクライマックスの飛行船での戦い、さらには、本作のキャラクター「ハワード・スターク」のモデルとなった実在の人物「ハワード・ヒューズ」も登場していました。
プロパガンダ的ヒーロー像への批判
本作が、過去のヒーロー映画と大きく異なる部分のひとつに「戦時中のヒーロー」を現代的な視点から描いたということがあります。
1940年の連載開始当初はヒトラーや日本兵の登場など、プロパガンダ的な側面が強かった『キャプテン・アメリカ』。
本作ではあえて、そのような歴史から目をそらさず、「アメリカの象徴」として政治家に利用される主人公の姿を描いています。
この脚本からは「プロパガンダ的なヒーロー像」を、一歩引いた現代的な視点から捉えた独自性が感じられました。
また、2010年代以降のアメリカを象徴していた「アイアンマン」と比較すると、本作で描かれた「キャプテン・アメリカ」は、1940年代のアメリカを象徴するヒーローと言えるのかもしれません。
恋と友情の物語
『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』では、のちのシリーズに繋がっていく「恋」と「友情」の物語も印象的です。
本作のヒロインである「ペギー・カーター」は、今後の物語でもキャプテン・アメリカに大きな影響を与える重要人物。
単独ドラマ『エージェント・カーター』が作られるほど、シリーズには欠かせない存在になっていきます。
また、主人公の親友として登場する青年「バッキー・バーンズ」にも注目。
劇中では意外な展開が待ち受ける彼ですが、のちのシリーズでは、その存在が思わぬ出来事を引き起こすことになります。
本作のキャラクターは、シリーズが進むほどに重要性が増していくため、繰り返し観たくなる作品と言えるでしょう。
MCUの起源
本作でも、他作品に繋がる小ネタが多数登場します!
冒頭で『マイティ・ソー』に登場した「オーディンの宝物庫」について触れられるほか、『アイアンマン2』に初登場したアイアンマンの父・ハワード・スタークはメインキャラとして登場。
物語のキーアイテム「四次元キューブ」や驚きのラストシーンは、そのまま『アベンジャーズ』へと繋がっていきます。
このような形で、本作ではシリーズの始まりとなる描写も多いため、MCUの起源とも言える作品なのです。
人気映画シリーズMCUの第5作となった『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』。
物語の舞台を過去に遡り、シリーズにおける時間的な広がりをみせたという点で、さらなる世界観の拡張に貢献した本作。
1940年代という時代を映画的に再現した内容に、過去作とは異なった趣があるヒーロー映画の名作です!
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