マーベル作品(MCU)フェーズ1 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
『マイティ・ソー』の魅力
『マイティ・ソー』は、神話を基にしたヒーロー・ソーが活躍するMCU第4作。主人公と彼の弟・ロキとの関係性は『アベンジャーズ』へと繋がるため、シリーズを追いかける上で特に重要度の高い一作です。
ストーリー
神の世界アスガルドの王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子ソー(クリス・ヘムズワース)は、選ばれた者しか持つことのできない伝説の武器“ムジョルニア”を手に、最強の戦士としてその力を誇っていた。しかし強すぎるあまりその傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、アスガルドを戦乱の危機に陥れる。その行為に怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放する。地球の荒野で目覚めたソーは、天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)たちの乗った車に追突される。ジェーンたちはソーを病院へ連れていくが、ソーはそこでも暴れ出す。ソーは慣れない人間生活を送るが、ジェーンとの出会いによって人間の痛みや弱さを学び、彼女に心を奪われていく。一方そのころ神の世界では、邪神ロキ(トム・ヒドルストン)がアスガルド征服を狙い、陰謀を企てていた。ソーの護衛であったホーガン(浅野忠信)、ヴォルスタッグ(レイ・スティーヴンソン)、ファンドラル(ジョシュア・ダラス)の三銃士は、国家の危機をソーに伝えるため地球へやってくる。しかしロキは、破壊者デストロイヤーというマシンをソーに向けて放っていた。さらに危機は、ジェーンにまで迫っていた。ソーは力を取り戻し、地球と神の世界を救うことができるのだろうか?
クリス・ヘムズワースさんによる野性的な魅力をもったソー
本作の見どころは、なんといっても、クリス・ヘムズワースさんが演じた北欧神話の神・ソーの魅力でしょう!
粗野で横暴な性格から神の能力を失い、地球に追放されてしまった主人公。
そんな彼が次第に改心していくさまには、愛くるしさを感じる人も多いはず!
外見から滲み出る野性的な魅力と内面から滲み出る優しさのギャップは、多くの観客を虜にしたことでしょう。
いまや、ハリウッドを代表する人気俳優として地位を確立したクリス・ヘムズワースさんですが、そのきっかけとなったのが本作と言えるのです!
シェイクスピア俳優・ケネス・ブラナー
監督を担当したのは、映画界きってのシェイクスピア俳優・ケネス・ブラナーさん。
20代でロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加し、数多くの舞台経験を踏まえた彼は、監督・俳優業を両立しながら、過去には数多くのシェイクスピア作品を映画化してきました。
そのため、作中の様々な描写には、シェイクスピア文学を彷彿とするものが見受けられます。
主人公の弟・ロキが抱える苦悩と一族への嫉妬心には『から騒ぎ』等を、話術たくみに企みを成し遂げる様子には『リチャード三世』等を想起させられる部分が……。
また、横暴な主人公に堂々と自身の主張を伝えるヒロインの姿には『じゃじゃ馬ならし』、神と人間という隔たりを超えたロマンス描写に『ロミオとジュリエット』等の影響を感じるのも、気のせいではないのでは。
過去のインタビューで「凶暴なヨーロッパ人が死闘を繰り広げる展開は『ヘンリー五世』に似ている」と発言していた監督だけに、その点を着目してみると、様々なシェイクスピア文学の影響が感じられるのではないでしょうか。
北欧神話を基にしたヒーロー映画の誕生
本作では、ヒーロー映画でありながら北欧神話を題材にした異色のストーリーが注目を集めました!
最強の戦神と言われるソーに悪戯好きの神・ロキ、光の神・ヘイムダルに戦争と死の神・オーディンといったキャラクター。
ムジョルニアと呼ばれるハンマーや虹の橋・ビフレストといった用語に至るまで、劇中で描かれる要素の多くは北欧神話と共通するものと言えます。
CG技術の発達により映像化が可能になった神々の王国・アスガルドの描写も相まって、過去のヒーロー映画とは異なる壮大な世界観をもたらした本作は、のちのマーベル作品にも大きな影響を与えたと言えるでしょう!
大人気キャラ・ロキの誕生
いまやスピンオフドラマが制作されるまでの人気キャラクターになった悪役・ロキの初登場も本作の見どころです。
出生に複雑な事情を抱え、兄であるソーや父・オーディンに嫉妬心を募らせるロキ。
神でありながら人間臭い彼の描写には、過去作の悪役以上の時間が割かれ、影の主役といってもいいほどに、圧倒的な存在感を放っています!
本作で人気キャラクターとなった彼は、のちの『マイティ・ソー』シリーズはもちろん、『アベンジャーズ』シリーズでも大活躍を果たすことになります!
『アベンジャーズ』への重要な布石
本作で描かれたソーとロキの確執など、劇中には『アベンジャーズ』へと繋がる重要な布石が散りばめられています。
のちにメンバーの一員となるホークアイの初登場や、エンドクレジット後に登場する映像にも大きなヒントが……。
また、『アイアンマン』以降の作品で、シリーズのお馴染みキャラクターとなったS.H.I.E.L.D.諜報部員・コールソンも本作で再登場。『アイアンマン2』直後という設定で、メインキャラクターと敵対する役割を担っています。
人気シリーズMCUの第4作となった『マイティ・ソー』。
過去作とは異なる舞台を登場させ、シリーズにさらなる広がりを与えたという意味で、大きな意義を持った本作。
シェイクスピア文学や北欧神話といった題材に興味がある方にこそ観ていただきたい、ヒーロー映画の異色作です!
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