マーベル作品(MCU)フェーズ1 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
『アベンジャーズ』の魅力
『アベンジャーズ』は、MCU第6作となった初のオールスター作品。フェイズ1の締め括りとなり、これまでの作品の集大成となった「お祭り映画」といえる内容です。
ストーリー
長官ニック・フューリー(サミュエル・L. ジャクソン)率いる国際平和維持組織シールドの基地で、世界を破壊する力を持つ四次元キューブの極秘研究が行われていた。だが突然、制御不能に陥ったキューブが別世界への扉を開いてしまう。そこから現れたのは、神々の国アスガルドを追放され、地球支配を目論むロキ(トム・ヒドルストン)。彼は、セルヴィグ博士(ステラン・スカルスガルド)やシールド最強のエージェント、クリント・バートン(ジェレミー・レナー)を操り、キューブを強奪して姿を消す。その野心を知ったフューリーは、最強ヒーローたちによる“アベンジャーズ”結成を決意し、女スパイのナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)やエージェントのフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)とともに、ヒーローたちを招集する。70年の眠りから覚めたキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)、インドのカルカッタに身を隠していたブルース・バナー(マーク・ラファロ)などが集結。キューブの力で異世界の軍隊を地球に呼び込もうとするロキはドイツへ向かうが、ロジャース、ロマノフ、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)らによって捕えられてしまう。ロキを特殊監房に収容しようとしたところ、姿を現したのは兄のソー(クリス・ヘムズワース)。一堂に会したアベンジャーズだったが、意思に関係なく集められた彼らは、チームを組むことを拒否する。そこへ、ロキ奪還を狙い、バートン率いる部隊が空飛ぶ母艦ヘリキャリアを急襲。爆発の衝撃で我を失ったバナーは、凶暴なハルクに変貌し、暴れ始める。混乱に乗じてロキは逃走。ソーとバナーも乱戦の果てに姿を消し、アベンジャーズは存続の危機に陥る。ロキの地球侵略計画によって、マンハッタン上空に次々と姿を現す地球外の軍勢。この危機を前に、アベンジャーズは世界を救うことができるのか……?
初のオールスター映画
ファンの間で、長年、熱望されながらも実現が難しかった企画が『アベンジャーズ』でした。
マーベル・コミックのヒーローたちによるオールスターチームは、漫画では実現可能だったものの、実写作品ではキャラクターの権利問題から難しかったのが事実。
しかし、2008年、マーベル・スタジオは『アイアンマン』を機に独自製作となる実写化作品群・MCUをスタート。
本作の大ヒットを機に、キャラクターの権利回収を次第に進めることも可能になり、念願のプロジェクトが実現したのです!
ヒーロー大集合映画の革命児・ジョス・ウェドン
本作のメガホンをとったのは、ジョス・ウェドン監督。
過去には『トイ・ストーリー』の共同脚本や様々なドラマシリーズの脚本、名作映画の脚本の修正・書き直し作業などを経験した人物で、本作の成功から、その名前を世界に轟かせることになります。
複数のヒーローたちが登場する本作では、各メンバーにスポットを当てた「群像劇」のような作風で物語を構成。
その成功を経て、2015年には本作の続編となる『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』を担当し、2017年にはザック・スナイダー監督の後を引き継ぎ、DCコミックス原作のヒーロー集結映画『ジャスティス・リーグ』を完成させました。
痛快娯楽作では終わらない脚本の面白さ
一見、痛快娯楽大作に見える本作ですが、その中にも深いテーマを描いた内容が興味深いポイントです。
個性豊かなヒーローたちが集まって起きる内部分裂の危機や、明らかになる秘密諜報機関・S.H.I.E.L.D.の思惑、空中分解直前のチームに訪れる思わぬ転機など。
本来なら単なる「お祭り映画」で終わってしまいがちな題材を、一つのドラマ映画として成り立たせており、秀逸な脚本が本作の魅力を高めています。
監督・脚本を担当したジョス・ウェドンさんによれば、『七人の侍』、『特攻大作戦』といったチームものだけでなく、『ブラックホーク・ダウン』といった作品にも影響を受けたことで「戦争映画」としても意識していたという本作。
それゆえ、クライマックスに展開されるニューヨーク決戦のシーンでは、アクション映画でありながらも、過去に類を見ない壮絶な戦いが繰り広げられていきます。
人気シリーズの立て役者
世界の興行収入で15億ドルを超える大ヒットを記録し、世界歴代興行収入ランキングでは、未だにトップ10に位置している『アベンジャーズ』。
そんな本作が世界に与えた影響力は計り知れないでしょう。
日本でも、過去に公開されたMCU作品5本を超える大ヒットを記録し、本作を機にシリーズを知ったという人も多いのでは?
これまでの集大成でありながら、入門作としても鑑賞できる物語が人気を呼び、様々な新規ファンを生み出したことでシリーズの代表作にもなりました。
今後に繋がる要素
シリーズにおける一旦の集大成として完成された本作。
しかし、これを機にMCUはさらなる広がりをみせるため、様々な布石が散りばめられた作品でもあります。
劇中に登場した「四次元キューブ」や「ロキの杖」、また、本作の黒幕として示唆される強大な存在「サノス」など、のちの作品を観ていけば、次第に明らかになっていく謎にも注目してほしい一作です。
人気映画シリーズMCUの第6作となった『アベンジャーズ』。
ヒーローが集合するお祭り映画として、日本でも過去6作品の中で最もヒットした本作。
MCUの作品を世界に知らしめたという意味で、シリーズに興味がない人であっても、観ておいて損はないヒーロー映画史を代表する一作でした。
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(文:大矢哲紀)
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