<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第8話ストーリー&レビュー
第8話ストーリー
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雪映(中村ゆり)が自殺を図った。病院へ運びこまれ一命はとりとめたものの、翌日も意識の戻らない雪映を心配して正隆(北山宏光)は病院へ向かう。しかし、雪映の妹・菜穂(西川可奈子)から追い返される。頭の整理がつかない正隆の元に贈賄疑惑の渦中にいる弟の利治(武田航平)から連絡が来る。柿野製薬の会長で父の利通(団時朗)が危篤状態だという知らせだった…。そんな折、佐野(深水元基)が自宅に押しかけてきて…!?絶体絶命の大ピンチ!!
第8話レビュー
前回、暴れ出した佐野(深水元基)を大人しくさせるため、一気に態度を豹変させた雪映(中村ゆり)。正隆(北山宏光)と向き合い、「やるしかないよね」と包丁を手にする。この時の暗い瞳が、少し前の正隆とダブった。正隆は雪映を制止し、「俺が殺るから」と佐野を監禁している2階へ上がる。どうしてそうなってしまうんだろう。それしか方法はないのだろうか? もうかなりダメージを負っているように見える佐野の首筋に包丁を当てる正隆。ここで涙を流す彼の心は、以前より人間らしさを取り戻しているように感じた。
一ヶ月後――。
平然と暮らしているように見える正隆。なぜか書斎ではなく、ダイニングで仕事をしていた。雪映も産婦人科へ定期健診に行き、充実した表情を浮かべていた。お腹の子どもは順調らしい。
ソファで並んでエコー写真を見る2人に、かつてのようなよそよそしさやぎこちなさはない。あぁ、ここだけ見ていたら幸せそうなのに…。
そんな折、正隆らの家に菜穂(西川可奈子)が娘の陽菜を連れてやって来る。すると、陽菜がどこかへ行ってしまう。
窓もカーテンも閉め切られた薄暗い部屋。一部のみを照らす小さな電気が灯され、扇風機だけが静かにまわる。まさか…と、最悪の想像が頭を過る。この空間はどう考えても普通じゃない。筆者だったら怖くなってすぐに引き返すだろう。でもまだ幼い陽菜は、好奇心が勝ったのだろうか、部屋の奥へと歩を進めてしまう。じわじわと見えてくる全貌に、思わず呼吸をするのを忘れた。
クローゼットを改装したらしい狭い空間には、口をガムテープで塞がれ、オムツを履かされた佐野がいた。威圧感は微塵もない。痩せこけ、縄で繋がれ、衰弱しきっていた。
そこに正隆が駆け込んでくる。もう遅いって…と思うと同時に、なぜこういう場合を想定して対策をしておかなかったのか疑問だ。
監禁している佐野に、わずかな食事を与える。
この時の雪映の表情は冷徹そのものだった。エコー写真を見せ「私に似てる?」と笑顔を浮かべていたのと同一人物とは到底思えない。正隆がこれまでしてきたことよりも、雪映の狂気に背筋を冷たいものが走った。
「蓋をしたままにした」という正隆のナレーションが入ったが、考えうる中でも最悪の方法ではないかと思う。正隆たちのここまでの行動に褒められるものはほとんどないし、肩を持つことは到底できないけれど、やっぱりすべてが中途半端だ。このまま逃げおおせたいのか、バレてもいいと思っているのかよく分からない。第一、無事に子どもが生まれたとして、こんな環境にある家に大事な我が子を連れ帰ってこれるだろうか…? どう考えても普通の神経じゃない。
そして、事態が動くのは陽菜が描いた1枚の絵。そこには、正隆の家で見た佐野の姿が描かれていた。妙に生々しく、それでいてまったく現実感がない。真っ黒に塗りつぶされた中に、浮かぶように存在する髭面の男。こんな絵を自分の娘が描いたら、かなり心配になるだろう。
案の定、菜穂が再び雪映を訪ねてくる。「(雪映が)寝てるから」、「散らかっているから」となんとか菜穂を2階に上がらせまいとする正隆の言い訳が全部苦しい。そもそも正隆に不信感を持っている菜穂をごまかせるわけがない。
さらに、そんなタイミングで佐野が暴れ、拘束が解けてしまう。追い詰められた雪映は2階の別の部屋に菜穂がいるにもかかわらず、佐野を扇風機で殴る…!?
正隆の焦る様子からも、聞こえたはずの大きな物音からも、もはやこの家で何か大きな隠し事をしていると確信しただろう菜穂。
正隆らの犯行を暴きかねない人物は、菜穂だけじゃない。
佐野にお金を貸していた仁科(杉本哲太)ももちろんまだ佐野を探しているし、創甫(北川拓実)だって萌の捜索状況を確認しに連日警察に足を運んでいるらしかった。かつて創甫を捕まえたという、一癖も二癖もありそうな少年課の刑事・池崎(甲本雅裕)まで登場し、より複雑に。
もはや逃げ切るのは困難なように見えるが、2人は次にどんな行動を取るのだろう。
※この記事は「ただ離婚してないだけ」の各話を1つにまとめたものです。
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