<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第6話ストーリー&レビュー
第6話ストーリー
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萌(萩原みのり)の残していたメモから、佐野(深水元基)に正体がバレてしまった正隆(北山宏光)。慰謝料として1000万円を要求される。佐野もまた、ヤクザの仁科(杉本哲太)への借金に追われているのだった。そんな佐野は、雪映(中村ゆり)の小学校にまで押しかけてくる。夫婦に最大のピンチが訪れるが…!?また、雪映は萌の弟・創甫(北川拓実)と接触する。萌が正隆の子供を堕胎していたという事実を知り…!?
第6話レビュー
様子見のつもりで、萌(萩原みのり)の仕事先を訪れる正隆(北山宏光)。雪映(中村ゆり)から助けを求める電話を受けて帰ろうとするも、その背に向かって、「か~き~の~さん♡」とほのか(大原優乃)が声を掛けた。天使みたいにかわいい顔をして、悪魔のようなことをしてくる子だ。そもそもこのほのか、ずっとワケ知り顔で、佐野(深水元基)や仁科(杉本哲太)とは違う怖さがある。
正隆が佐野から逃げる過程で奪われてしまった萌のスマートフォン。そのパスワードをあっさり突き止めてしまったことも、萌がいなくなった状況を正隆に監禁されているのではと言い出したことも、何か知っているんじゃないかという気がしてくる。単に勘がいいだけだろうか。
萌のスマートフォンをチェックする佐野。カメラロールに入っていた萌と正隆の2ショット写真から、雪映の勤務先が特定されてしまう。自暴自棄になっていたとはいえ、不倫をしているにしては正隆に危機管理能力がなさすぎて呆れた。どうして張本人の正隆ではなく、雪映のほうが危険にさらされなければならないんだろう。
案の定、佐野は雪映が勤める小学校に乗り込んでくる。小学生にまで絡み出す佐野にはうんざりだ。その様子を物陰から見ていた雪映は、自らの危険を顧みず、子どもたちを守った。自分の旦那がまいた種とはいえ、勇気ある行動だったと思う。だが、やはり相当な恐怖を感じていたのだろう。同僚の先生に家まで送ってもらった後、玄関先で座り込んでしまった。
この時点で、正隆はもっと雪映を気にかけるべきだったのだ。夫が不倫の末、相手を妊娠させ堕胎を迫り、挙句の果てには殺してしまった。さらにヤクザまがいの人に脅され、職場にまで押しかけられた。精神的な影響を考えると計り知れない。まして、彼女は身重なのだし。
佐野が執拗に正隆らを追い回すのには理由があった。自身も借金を理由に、仁科(杉本哲太)に追われているのだ。杉本哲太が演じているのだから、仁科には迫力がある。舎弟の薮(山口祥行)も粗相をしたらしい相手を殺してしまいそうな勢いでいたぶっている。そんな人たちに「3日後までに700万」とすごまれ、佐野も縮み上がった。いい気味だと思ったが、この矛先はすべて正隆へ向けられてしまう。
怯えきった雪映を見た正隆は、この問題を解決すべく佐野と連絡を取る。すると、「1000万用意しろ」と佐野。すべてが悪い方向に転がっていた。
翌日は仕事を休んだ雪映。一方の正隆は金策に走っていた。やらなきゃいけないことも分かるが、どうか今日くらいは雪映のそばを離れないで欲しかった…。
悪い予感は的中し、雪映はふらつく足取りで萌の家へ。産婦人科で見かけないからと萌を心配するフリをして弟の創甫(北川拓実)に声を掛け、家に上がり込む。萌が殺されても仕方のない女だった思い込めるような判断材料が欲しかったのだろう。
でも、雪映を迎える創甫は、見た目こそちょっと怖いけど、実に好青年だ。姉ちゃんのことを心配してくれてうれしい、とお茶を出し、自分の味方は姉ちゃんだけだったと話す。この子は、というか、この姉弟は随分大変な人生を送ってきたようだ。「家柄は変えられないけど、外見は変えられる」と、創甫にジャケットを着せる萌の行動がそれを物語っていた。ちょっとはにかみながら「大学行って姉ちゃん食わしたいです」という創甫がいじらしい。同時に、萌がどんなに弟思いの優しい人物だったかを痛感させられる。耐えきれず、泣き出してしまう雪映。
そんなことになっていると知る由もない正隆は、仕事先にまで給与の前借を請いに行っていた。これまでの勤務態度から取り付く島もない状況だったが、実家の製薬会社が収賄疑惑でゴシップ誌の餌食になっていることを知らされる。「ネタを掴んでくればギャラ弾むよ」と言い出す編集者。
思い詰めた表情で帰宅した正隆が柿野製薬のニュースをテレビで見ていたとき、2階から雪映が飛び降りてしまう。だから言わんこっちゃない、と思ってしまった。正隆は雪映を1人にするべきではなかったのだ。
殺人というあってはならない共通の秘密ができたことで、正隆と雪映は再び手を取り合うことができた。さらに雪映の妊娠をきっかけに、正隆は久しぶりに未来への希望を感じられたはずだ。物語の前半と比べて、正隆の顔が穏やかになり、目の焦点も合っているのはそのためだろう。
だが、すでに取り返しのつかない場所まできている正隆を、もうひとつの地獄が誘う。1度は裏切られたとはいえ、実家を売るような真似はきっとしない方がいい。そこへは足を踏み入れて欲しくない。
そして、気になるのは雪映の安否だ。追い詰められていたことを考えると、衝撃的ではあったが、ああなることは予想できないことではなかった。とにかく無事を祈るが、果たして…。
※この記事は「ただ離婚してないだけ」の各話を1つにまとめたものです。
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