<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第11話ストーリー&レビュー
第11話ストーリー
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正隆(北山宏光)と雪映(中村ゆり)の元から監禁していた佐野(深水元基)が逃げ出した。自分たちの身に警察の捜査が及ぶと考えた2人は逃避行生活を送っていた。その頃、佐野はヤクザの仁科(杉本哲太)から再び拷問を受け、正隆たちが萌(萩原みのり)の遺体を掘り返している様子を撮影したSDカードを渡す。正隆と雪映、そして2人の間に生まれてくる子供の運命はどうなるのか…!?
第11話レビュー
佐野(深水元基)の脱走を許してしまった正隆(北山宏光)と雪映(中村ゆり)。「俺たちどこまで堕ちるんだろう」「死ぬか」と、絶望の色が濃い正隆の隣で、「私決めたの、3人で生きていくって」と雪映はまだ前を向いていた。というより、訪れるはずだった未来に執着していた。誰が見ても行き止まりの状況なのに。
その後、正隆と雪映は逃亡の旅に出る。並んで海岸を歩く姿は、爽やかな恋愛映画かと錯覚する。「やっと来れたね、新婚旅行」「今が1番幸せ」と呑気に言う雪映。正直なところ、正気か?と思ってしまった。いくつもの犠牲の上に成り立つ幸せなんてあるはずがない。さらに、2人はまだ追われている身なのだ。
一方の佐野は、柿野家から脱走した直後に、仁科(杉本哲太)らに捕まえられてしまう。両手を縛られ、袋を被ったまま水を浴びせられる、フォークで顔や腹を刺される…見ているのが辛くなるくらい痛々しいシーンの連続だった。
拷問の末、正隆が萌(萩原みのり)の遺体を遺棄している証拠を収めたSDカードは、仁科の手元へと渡った。1番避けたかった未来が、どんどん現実になっていく。
佐野が焼死体となって発見されたことをテレビのニュースで知った正隆ら。最初こそ動揺したものの、これで家へ帰れるのではないかとすぐに安堵した。そうだ、この人たちは佐野に写真を撮られていたことを知らないのだった…。そして2人は自宅へ。菜穂(西川可奈子)に「本当の夫婦みたい」と言ってもらえたのは、本当は喜ぶべきことのはずなのに。2人が深めた絆が、あまりにも悲しくてやりきれない思いがした。
正隆の新しい仕事も決まり、平穏な日常を取り戻したかに見えた。
だがもちろん、現実はそんなに甘いわけがない。まずは道端でいきなり創甫に襲い掛かられる正隆。佐野の死を知らされた時、「無駄だよ、姉ちゃんはもう死んでいる」と呟いた表情、そしてナイフを持って正隆の上に馬乗りになる状態が萌とダブる。この子を、この姉弟を、こんな風に変えてしまったのは紛れもなく正隆だ。その事実に直面し、自分がしてしまったことの大きさに動揺しているように見えた。
警察での取り調べを終えた正隆に、「社会は1度堕ちた人間を許さない」と刑事の池崎(甲本雅裕)が呟く。これは創甫のことを指しているようで、その実、正隆へカマをかけたのではないかと思った。お前の罪を社会は許さない、だから覚悟しておけよ、と。そして正隆もまた自分自身を重ねていたようだった。こういう場面でこそ、目線の揺らぎに含みを持たせる北山宏光の表現力が光る。
そして、恐れていた出来事はすぐにやって来た。
仁科が柿野家を訪ねてきて、写真のデータを1億円で買えという。行くところまで行ってしまった感。
雪映は「(お金の)受け渡しの時にあいつらを殺す」と言い始めた。それはさすがに無理なのではないかと思う。正隆も反対する様子を見せるが…。
次回、ついに最終回。
八方塞がりの状況の中、正隆と雪映はどう決着をつけるのか。それがどんな結末だったとしても、受け入れる覚悟をしておきたいと思う。
※この記事は「ただ離婚してないだけ」の各話を1つにまとめたものです。
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