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2021年08月27日

<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第10話ストーリー&レビュー

第10話ストーリー



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正隆(北山宏光)と雪映(中村ゆり)の元に刑事の池崎(甲本雅裕)と萌(萩原みのり)の弟・創甫(北川拓実)がやってくる。2人は萌と佐野(深水元基)の失踪について問い詰めるが、雪映は冷静なまま、不倫相手だった萌を心配したフリをする。池崎は2人が殺されている可能性を指摘し、家中の部屋を見せるよう要求するが…?一方、正隆の仕事部屋に監禁されている佐野は結束バンドを切り、逃げ出す機会をうかがっていた…。

第10話レビュー

刑事の池崎(甲本雅裕)が柿野家を訪ねてきた。横には威嚇するように睨みをきかせた創甫(北川拓実)も一緒だ。2人を迎える正隆(北山宏光)は案外冷静に見えるが…?

家の中に入ってきた池崎と創甫。リビングには雪映(中村ゆり)の姿が。
この瞬間まで失念していたが、そういえば創甫と雪映には面識があったのだった。まずいのでは…と思う間もなく、何であんたがここにいるんだと噛みつく創甫に、スラスラと嘘を並べる雪映。「萌さんに謝りたくて」「この人から不倫を聞いた時はショックだった」「しかも堕胎手術まで…」。雪映ってば、女優だ。改めて、覚悟を決めてからの雪映の振り切れ具合に驚愕する。

池崎に、萌(萩原みのり)と佐野(深水元基)について尋ねられた正隆と雪映は、事実を半分くらい認めながら、佐野に渡したお金で2人は新しい生活を始めているのではないかと言い出す。たしかに、ちょっと辻褄は合ってはいるのだけれど。
もちろん黙っていないのは創甫だ。姉ちゃんがあんな最低な奴と一緒にいるはずがない、と怒鳴る。この子、萌のことを上手に大事にできていなかっただけで、めちゃくちゃ頼りにしていたんだろうな。冒頭の睨みもそうだけれど、虚勢を張る様子に不安が滲み出ているように見えた。

確認のために家の中を見せて欲しいという池崎の申し出も、雪映は断固として突っぱねる。平静を装いつつ、時折目が泳いでしまっている正隆とは対照的に、雪映には一切の迷いがない。

前回、ピンセットを手に入れた佐野は、ついに手元の拘束をといてしまう。
そして正隆と雪映が出かけた隙を見て、脱出しようとする佐野。隠してあった煙草を吸った時の昇天してしまうのではないかという表情が妙に生々しかった。
ところがそこへ、忘れ物を取りに雪映が戻って来る。異変に気付いた雪映は、今回は扇風機ではなく電子レンジで佐野を殴りつけた。何でもっとちゃんと確認しないんだろうか、またしても詰めの甘さで危機を招いてしまった。

刑事にも目を付けられ、佐野からは脱出への意欲が消えていない。追い詰められた雪映は「衰弱死させる」「あの人が勝手に死ぬの…」と、うわ言のようにつぶやき始める。その姿を見つめる正隆の表情から、動揺が伝わってくる。
でも、この事態を招いたのはほかでもない正隆なのだ。その後のナレーションにもあった「昔の俺の毒が移った」という表現が、まさにその通りだと思う。

翌朝、佐野が脱出に成功する。どうやらライターを隠し持っていたらしい。油断も隙もありゃしない。よれよれのタンクトップにオムツ姿のガリガリの男性が、閑静な住宅街で息を切らして走る様は信じられないくらい異様だった。映像だけでトラウマになりそう。絶対に遭遇したくない。
さらに狂気じみてきた雪映は包丁まで取り出して佐野の太ももを刺し、1度は佐野を連れ戻せたかに見えたが、結局は脱出を許してしまう。火事場の馬鹿力とでもいおうか、命の危険を感じた佐野はもう止まらなかった。

佐野の脱出にまつわるスリリングな展開が続いた第10話。
今回大きな動きのなかった仁科(杉本哲太)らだったが、正隆が柿野製薬元社長の息子であることを掴む。それを知った仁科、次はどんな行動に出るのか。
池崎の捜査にもどかしさを感じてしまったらしい創甫も、単独で何か行動を起こしてきそうだ。正直、この子にはもう悲しい出来事を経験してほしくないのだが…。

ところで、今回気になったのは創甫を演じる北川拓実だ。正隆を威嚇する睨み、萌の部屋に飾られたお土産を見る切ない表情、そして何かを決意した強くて鋭い視線…と、繰り出す様々な表情が印象的で、放送終了後に調べてしまった。筆者は今作で彼のことを知ったようなものなので金髪/細眉のイメージしかないのだが、本来は王子様系の正統派アイドルであることに、画像検索をして驚いた。当たり前だが創甫が持つ“少年院上がりのヤンキー”の要素は微塵も感じられない。
そんな北川がこの役にこんなにぴったりハマっている。顔つき、喋り方、歩き方など、容姿的な部分だけでなく、かなり細かく作り込んだのだろうと思う。そのおかげで、敵意を剥き出しにして人を寄せ付けない中に、少年の危うさを感じさせる創甫が出来上がったのだろう。
先述の通り、創甫にはもう傷付いてほしくないなと思う。ただ、萌がすでに殺されているという事実に直面した時の創甫を、北川がどんな風に演じるのかだけは見てみたいかもしれない。


※この記事は「ただ離婚してないだけ」の各話を1つにまとめたものです。

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