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2021年09月01日

<彼女はキレイだった>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<彼女はキレイだった>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第10話ストーリー&レビュー

第10話ストーリー



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宗介(中島健人)が起死回生の一手として取材交渉を続けてきた謎の作家・楠瀬凛の正体は、樋口(赤楚衛二)だった。にわかには信じられず、言葉を失う宗介に、樋口は「モストを救いたい」と、自らの生い立ちや小説への思いをつづったインタビュー原稿を手渡す。記事を掲載すれば話題になることは間違いなく、『ザ・モスト』の存続も夢ではない。しかし、正体が明らかになったら楠瀬凛の生活は一変してしまう——。悩んだ末、宗介は掲載を見送ることを決めるが…。

一方、愛(小芝風花)の元には、絵本作家のちかげ(日髙のり子)から「絵本の仕事を再開する」とうれしい知らせが届く。さらに、ちかげのアトリエへ行くと、「ここで、いっしょに働かない?」と誘われ、胸がときめく愛。絵本作家になることが幼い頃からの夢だった愛は、うれしくなり、早速宗介に報告するが…。

小さなうそから始まった、愛と宗介の初恋の行方は!?

第10話レビュー




大円団! である。

謎の作家・楠瀬凛が実は樋口だったと発覚。『ザ・モスト』の存続のために、自身のインタビューを掲載して構わないと言う。すでにインタビュー原稿も用意済み。編集部員だから、入稿予定日も全部わかっている。しかし、宗介は樋口のこれからの生活を案じて掲載は見送ることを決意。雑誌の存続よりも、樋口を守るための決断だったわけだが、結局、インタビューは掲載されてしまう。樋口自身が印刷所に連絡をして、インタビューが掲載されたものを印刷するように指示したのだった。

そのおかげもあって、『ザ・モスト』の販売数は伸び、存続も決まる。
正直、宗介も、愛も樋口に助けられてばかりだ。愛がここまで編集部でがんばることができたのも、2人が付き合うことになったのも、バラバラになりそうになった編集部をまとめたのも樋口。これで廃刊の危機までも救ったとなったら、そりゃあ宗介だって「自分の力じゃない」と言うわけである。
樋口のすごいところは、がんばる誰かの背中を押し続けていることだ。隠した本音も見透かしてしまう。そのせいで彼は自分本位に動けないのかもしれないけれど。自分の意志を優先させたのは、愛に告白をし、「(宗介のもとに)行くな」と言ったときだけではないだろうか。

編集部を去ることになった樋口。それでも、愛の幸せを一番に願っているし、大切な存在で居続けたいと思っている。「納豆をまぜるときくらいは俺のことを思い出して」って愛だけじゃなくてたぶん“かのイレ”視聴者全員思い出すので安心してください……。

そんな樋口のサポートもあって、恋人同士になれた宗介と愛。宗介はモストでの功績が認められニューヨークに戻ることに。つまり、2人は離れ離れになるということだ。
愛は絵本作家の夢を叶えられるかもしれない、チャンスのとき。
黙ってニューヨーク行きを決めてしまう宗介に愛は怒る。一度はついていくことも決めかけるが、愛が選んだのは、日本に残り、絵本作家を目指す道だった。
離れて暮らすことで心配なのは、2人の場合はシンプルに「会えなくて寂しい」だけな気がする。遠距離恋愛になったことで気持ちが離れるとか、他の人を好きになるといったことがあまり想像できない。初恋の相手で、大人になるまで会わなかったのに、もう一度恋に落ちた。2人にしかわからない世界や価値観があるし、お互いじゃないとダメなのだ。
だから、愛の「人は好きなことをやっている姿はキレイ。私もキレイになりたい」というセリフもすんなり伝わる。

そんな2人に何が必要だったかというと、幼なじみの恋から、大人の恋への脱皮だ。
ということで、あの玄関先でのキスですよ!!
一旦は帰った彼女が覚悟を決めて戻ってきたんだから、帰すわけがないでしょうが!!
思わず「おめでとう」とスタンディングオベーションをするところだった。

ラストシーンは子どもと手を繋ぎ、横断歩道を渡る宗介の姿。
「雨」が「彼女はキレイだった」では印象的だった(生放送シーンも雨!)中で、最後は傘を閉じて、虹の下を歩く。ハッピーエンドに心も晴れ晴れだ。


※この記事は「彼女はキレイだった」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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