<武士スタント 逢坂くん!>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話ストーリー
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「令和は誠に素晴らしき世にございます」
春画師である武士・逢坂くん(濵田崇裕)は、皆で締め切りのピンチをくぐり抜けた時に、江戸時代へタイムスリップしかける。そんな時、師匠である漫画家・宮上(今井隆文)は、「単行本のオマケ漫画を描いて欲しい」と逢坂くんにお願いする。
大仕事を拝命し、不安に思う逢坂くんに、宮上の師匠・AEGからも「伝えたい想いを漫画に込めろ!」と背中を押され、アシスタントの緋村(森本慎太郎)も、逢坂くんにあるモノを見せる。
一方、宮上の担当編集・丹内(久保田紗友)は、逢坂くんが本当に江戸時代に戻ってしまうのでは?と心配し、帰らない方法を考えてみる。
しかし、その方法とは「漫画を描かないこと」。丹内が選んだ「逢坂くんにできること」とは?
そして、逢坂くんは、江戸時代に帰ってしまうのか?逢坂くんは、春爛漫の現代で「まん画道」を見つけることはできたのか!?オールスター集結の最終話が開幕!
第10話レビュー
前回のラストで逢坂くんに「願いは叶ったか?」と問いかけた龍の絵。それを受けて逢坂くんは、自分が令和の世に来たのは願いを叶えるためなのだと理解していく。そんな中、宮上は逢坂くんに「単行本用のおまけ漫画を描いてほしい」と命じる。重大な仕事を授けられて悩む逢坂くん。そんな彼を「お前の全身全霊の情熱をどう伝えるか楽しみにしているぜ」と励ましたのはAEG。墨汁で汚れた顔は相変わらずのヤバい奴感満載だったけれど、彼の言葉はいつでも本当に的確だ。AEGが非常にまっとうな師匠だからこそ、弟子の宮上もいい師匠になったのだろうとつくづく思う。
最初に描いた原稿を宮上にボツにされ、改めてまん画に挑む逢坂くん。そんな彼のそばでもう一人「全身全霊、ありのまま…」で取組む者がいた。緋村である。自分のすべてをかけて応募するまん画を描こうとする緋村を見て昂った逢坂くんは、自分を探しに外へ飛び出していった。
街へ出た逢坂くんはさまざまな人に出会う。まず、4話に登場した慶太とそのボス。二人は逢坂くんに売りつけようとしていたあのツボに梅干を入れて売っていた。「しあわせの実」と名前はまたアレだったが、値段は至極普通の価格で、ちゃんとした商売をしている様子。「逢坂さんみたいにまっすぐ生きたくなったんです」と語る慶太だった。
その後、3話で迷子になっていたチワワにも再会。相変わらずの愛らしい姿だった。
そして、途中で丹内と会って、彼女と一緒に4話で訪れたレストランに行くと、店長が近づいてくる。彼の手には以前逢坂くんが描いたイラスト。この絵が気に入っていた店長は、逢坂くんに「サインを入れてくれ」と頼むのだった。
ふりかえってみれば、行く先々で人や犬を助け、そして誰かを幸せにしていた逢坂くん。サインの件で自分の描いたものを愛してくれる人がいる喜びを実感していくが、そんな彼に、丹内は「(おまけ漫画を)本当に描くんですか?」とたずねる。ここのところ逢坂くんの正体を察していた彼女。逢坂くんが江戸に帰らないですむ方法=まん画を描かないことだと知って悩んでいた。
江戸では処刑されそうになったのに、それでもいいのか…と問いかける丹内。しかし、逢坂くんの心は決まっていた。絵は一人で描くものだと思っていたけれど、そうではなかった。人との出会いが教えとなって心の中で昂っている。それを描いてみたい…と、彼はこの日描いていた絵を丹内に渡す。それは、丹内の似顔絵だった。
逢坂くんの思いを受けとった丹内。迷いが晴れたようで「最高のまん画ができるよう一緒に走ります」と笑顔で宣言した。彼女の言葉を聞いて思わず抱きしめ…とはいかず手を差し出す逢坂くん。最高のまん画を目指す二人はしっかり握手を交わすのだった。
そして、ついに逢坂くんがまん画にとりかかるときが来る。シャワーで身体を清めて裸になる逢坂くん。最初のころは「なぜそこで脱ぐ…?」と思っていたのだが、今となっては、「逢坂くんはそりゃ脱がないと」という感覚でこちらも見てしまう。そして、裸の逢坂くんに一足先に原稿を仕上げた緋村が作品を見せてきた。彼が描いたのは、江戸から来た武士が漫画家に弟子入りする…という逢坂くんがモデルの話。兄弟子の奮闘でさらなる気合が入った逢坂くん。瀬戸に頼んで縄と例のホースを身体にまきつけてもらい、原稿を描き始めるのだった。
師匠や仲間に応援されて無事原稿を仕上げた逢坂くん。コミックス発売日に書店を訪れ、山積みの本に喜ぶ。そして、自分の描いたまん画を読みながら笑う人たちを見て感極まる。そこで、ついに時が来た。
龍の絵の「願いは叶ったか?」の問いかけに、「うむ」とうなずき「令和は誠に素晴らしき世にござる」と笑顔になる逢坂くん。そして、宮内たちが気づいたとき、そこには、逢坂くんが身に着けていた服と草履が置かれていた。
あまりに突然のことに驚く宮上たち。おのおの悲しみの表情を見せるが、中でも瀬戸が泣きそうになっていたのにちょっと驚いた。いつもどこか冷めてサバサバした印象のあった彼女。そうそう泣くようなタイプには見えなかったが、それだけ逢坂くんが好きで親しみを感じていたんだなと、素顔を垣間見た気がした。そして、宮上の仕事場にやってきた丹内もショックを受ける。彼女がバッグから出したのは逢坂くんが描いた春画。彼の生きた証が一枚だけ時を越えて残っていたのだった。
一方江戸へ戻ってきた逢坂くん。春画を買いに来た客に絵を渡すが、それは春画ではなく彼が描いたまん画だった。逢坂くんの原稿を読んだ客は思わず笑いだす。もっと読みたいから続きを描いてくれ…と言われた逢坂くん。彼の中に「まだまだまん画が描きたいでござる…!」と新たな願いが昂っていった。
時代は戻って宮上の仕事場。宮上と緋村は困惑し、瀬戸はスマホでバシャバシャ写真を撮る。そこにいたのは、ちょんまげを結い全裸に亀甲縛りの武士。そう。逢坂くんである。まん画を描きたい逢坂くんは再び令和の世に戻ってきたのだった。
「けっこうな覚悟で送り出したのに、こんなに早く戻ってくるなんて…!」と思わず叫んだのは宮上。逢坂くんの縄をはさみで切って「おかえりなさい」と迎えたのは丹内。みんなの表情から逢坂くんの帰還を喜んでいるのが伝わってくる。そして、締め切り前で張り切る面々とともに逢坂くんも消しがけを始めるのだった。
今回で物語はひとまず終幕。江戸の世で春画師として生き、令和の世でまん画道を歩む男・逢坂くんの生きた証を、全10話しっかり見届けた。本当に楽しいドラマだった。
本作が面白かった要因はいくつもあると思うが、何より素晴らしかったのは、やはり主演の濵田崇裕の熱演。毎回彼がパワー全開で逢坂くんになりきっていたからこそ、物語が躍動感あふれるものになった。よくぞここまで体当たりで演じてくれた…と、ただただ賞賛と拍手しかない。このドラマのおかげで、しばらくは彼をどこかで見かけたとき、まず「逢坂くん」だと思ってしまいそうな気がしている。
正直、筆者はこのドラマが始まった当初、エロや下ネタもかなり飛び交う話なのかな…と少々身構えていた。しかし、見始めたらそんな必要はまったくないことにすぐ気づいた。毎回、泣いて笑って、そして脱いで奮闘する逢坂くん。彼のハチャメチャな活躍がただただ楽しく、そしてすがすがしかった。
逢坂くん、楽しい物語をありがとう…全身全霊のあなたが大好きです!
※この記事は「武士スタント 逢坂くん!」の各話を1つにまとめたものです。
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(文:シネマズ編集部)
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