<武士スタント 逢坂くん!>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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「逢坂くんのリベンジ始まる!しかし、描けない!」
春画師である武士・逢坂くん(濵田崇裕)は、マンガ編集者・丹内(久保田紗友)と共に漫画を作ると決め、ネーム作り(お話作り)を始める。
しかし、春画の世界で生きていた逢坂くんに、丹内は「エロ禁止」を命じる。
エロ無しで、現代にウケる漫画のストーリーを考えることに四苦八苦。見かねた漫画アシスタント・瀬戸(長井短)は、逢坂くんに「自由に画を描いてみなよ」と、好きを突き詰めることの大切さを独自の手法で教える。
しかし、その画は春(=エロ)爛漫。丹内は「本当に漫画作る気あるんですか?」と逢坂くんに問い詰めるが、瀬戸は「そっちのほうが逢坂くんらしいよ」と対立。
見かねた宮上(今井隆文)が、気分転換にBBQに誘うと…女2人のバトルがヒートアップ!?今回は、まん画ドラマが、アクションドラマになっちゃうかも!?
第7話のレビュー
再び鶯谷に見せるネームに挑戦する逢坂くん。しかし、彼が意気込んで書いた原稿を、丹内は「全体的によくわからない」「意味不明」とメッタ刺し。さらに、「エロ禁止」を彼に命じる。
そもそも春画師で、春(エロ)への昂ぶりを糧に絵を描いてきた逢坂くん。彼から春をとりあげて果たしていいものか?と心配になったが、案の定、「何も描けぬ…」とスランプに。そして、宮上も緋村も忙しそう…ということで、彼が頼ったのは瀬戸。しかし、意外にも彼女は面倒見がよく、逢坂くんを裸にして、あやしげなリラクゼーション法を伝授する(脱がせたのは、瀬戸本人が逢坂くんの肉体を見たかったからに違いないが…)。
瀬戸のおかげで、身体も心もほぐれた逢坂くん。思いのままに女性と触手のイラストを描きあげるが、これがかなりいい感じ。やはり無理せず好きに描いたほうがいいのでは?と見ているこっちも思ってしまう。その後も逢坂くんは瀬戸お手製の“男根スタンプ”をイラストに押して、大はしゃぎの夜を過ごすのだった。
しかし、翌日やってきた丹内は、逢坂くんが描いたイラストを見て「こんなことして遊んでたんですか?」と怒る。描くように言ったのは自分だから…と逢坂くんを庇う瀬戸。女性二人の間になにやら険悪な雰囲気が流れる。
鶯谷に認められるためにもエロなしで描いてもらいたい…という丹内。エロが逢坂くんの良さだし、鶯谷に認められることだけがすべてではない…という瀬戸。どちらの言い分も一理あるはある。ただ、この時点で筆者が個人的に共感できたのは瀬戸のほう。丹内も一生懸命なのはわかるが、逢坂くんに春なしで描け…というのはあまりに酷な気がする。
逢坂くんのためと譲らず、エスカレートしていく丹内と瀬戸。そんな二人の間でパニくる逢坂くん。みかねた宮上は「バーベキューに行こう!」と提案する。
バーベキューのため水辺にやってきた一行たち。しかし、丹内は浮かない顔で、瀬戸のちょっとした言葉にもピリピリした態度を見せる。いつしか言い争いが始まり、バーベキューの串を片手に激しい戦いを繰り広げる丹内と瀬戸。ただ、これは逢坂くんの妄想だったよう。なお、逢坂くんの妄想の中では、丹内が袴姿で瀬戸は忍者のような恰好。凛とした乙女(丹内)と魔性の笑みを浮かべるくノ一(瀬戸)という感じで、どちらも扮装がよく似合っていた。
女性たちが争う姿(の妄想)に耐えられず、悲鳴を上げて座り込んでしまう逢坂くん。そんな彼を見て「逢坂くんはあの日描けなくなっていた」と話し出す瀬戸。瀬戸の話を聞いて、自分は逢坂くんを苦しめてしまったのか…と苦悩する丹内。そんな彼女に、「あとは背中の押し方だよね」と助言したのが宮上だった。この人はいつも本当に適切かつ優しいアドバイスをくれるなあと思う。辛辣なことを言うときもあるけれど、その一方で相手に元気をあげることも決して忘れない。漫画家や編集者を指導する力に一番長けているのは、鶯谷よりむしろ宮上じゃないだろうか。
そして、丹内と瀬戸の板挟みの中で、逢坂くんは一つの境地にたどりつく。それは「忖度」。丹内と瀬戸、どちらの意見もそれなりに取り入れれば丸く収まるだろう…と、折衷案的な原稿を描き上げる。いやいや、それはちょっと違わないか?とつっこみたくなったが、そこは丹内もさすが編集者。逢坂くんの原稿を「ひどいです。どっちつかずで中途半端になっている」ぶった切った。そりゃそうである。
ただ、今回の丹内はそれだけでは終わらせなかった。「逢坂くんの創作の原点になるようなまん画を描いてもらいたい」からと、彼女が提案したのはラブコメを描くこと。これならば春の要素も取り入れて逢坂くんの強みを活かせる…というのだ。その後、丹内は瀬戸に謝罪。逢坂くんも「逢坂が逢坂を疑ってはならぬ。春をあきらめてはならぬ」と心に決めて、導いてくれた女性二人に感謝するのだった。
丹内vs瀬戸の対決がメインとなった今回。どうなることかと思ったが、いろいろあって丹内が編集者として一皮むけていく姿がとてもすがすがしかった。この物語、決して逢坂くんだけの成長物語ではないらしい。丹内だけでなく緋村にも成長の兆しが実は見えていて、彼は「描きます」という思いを宮上に打ち明けていた。緋村のまん画道の行方もちょっと気になるところである。
そして、逢坂くんは、懸命に描いたラブコメの原稿を鶯谷のもとへ持ち込む。ところが、鶯谷は原稿を破り「俺はラブコメディが大嫌いなんだ…!」と怒り出してしまう。この男、本当に優秀な編集者なのだろうか? 嫌いという個人的感情で人の描いたものを破ってしまうのは、さすがにひどい。
しかし、その後は予想外の展開。かわいらしい女性社員・ひづきに声をかけられた鶯谷は、突如挙動不審な態度。さらに、ひづきが別の男性社員と話すのを見て切なさと嫉妬が入り混じった表情をする。どうやら、鶯谷はひづきにお熱の様子。ラブコメが嫌いなのは、叶わぬ恋をしているから…ということか。
鶯谷の意外な一面を知った逢坂くんたち。次回、「ラブコメ大作戦」なるものを決行するらしい。彼らが仕掛けるのは果たしてどんなものなのか? ちょっと不安だけれど楽しみだ。
※この記事は「武士スタント 逢坂くん!」の各話を1つにまとめたものです。
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