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2021年09月01日

<武士スタント 逢坂くん!>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<武士スタント 逢坂くん!>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】


第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー



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「画に深みを出すには、人と触れあうでござる」

春画師である武士・逢坂くん(濵田崇裕)は、漫画編集・丹内(久保田紗友)を画で笑顔にした出来事をきっかけに、画描きとして為すべき事を見いだした。しかし、師匠であり漫画家の宮上(今井隆文)たちと、お昼を食べに入ったレストランで初めて見た「ゴルゴンゾーラのペンネ」から想像して武将を描いた逢坂くん。

そこで、画を見た宮上は

「逢坂くんの画は、表面しか映っていない。もっと人と触れあうべきだ」

とアドバイス。すると、逢坂くんは街中で人とのふれ合いを試みることに。

しかし、ちょんまげに江戸言葉で「触れあいを欲しており…」と話す逢坂くんは「THE 不審者」。

画を描かずに、丹内のような笑顔を引き出すことはできないのか?苦戦しているときに、ある青年と出会う。「あなたに聞いて欲しい話があって」と言われ、逢坂くんんはついていく。逢坂くんを心配して追いかけた緋村は、その青年を見てヤバイと感じる。そして、事件は起こった…!逢坂くん、ついに切腹の危機に!?


第4話のレビュー

なんだか楽しそうにお出かけする逢坂くんや宮上たち。一行はイタリアンのお店にランチに入る。知らない言葉が並ぶメニューを見て、「想像せよ、逢坂!」と懸命に頭をめぐらせる逢坂くん。ペペロンチーノから「ペペろんちぃの茂助」、ゴルゴンゾーラから「悟流権憎羅宗則政親(ごろごんぞーらむねのりまさちか)」などのキャラクターを勝手に作り出す。いろいろズレてはいるが、ゴルゴンゾーラは確かに強そうな響きなので、想像の方向性としては悪くない気がする。


 

実際に「ごるごんぞーらむねのりまさちか」を描いてみる逢坂くん。だが、宮上から「これはどういう人?」と聞かれると、「とても強きもののふにございます」としか答えられない。「逢坂くんはもっと人と触れ合ったほうがいいね」と指導する宮上。何かあるごとに逢坂くんにまん画の描き方をしっかり教えていて、いい師匠だなあと思う。

ただ、宮上は一つ大事なことを忘れていた。それは、逢坂くんが思い立ったら突っ走る男であること。宮上の言葉を聞いた逢坂くんは、「今から街へ出て人と触れ合い、答えを探してまいります!」と店を飛び出す。そして、いきなり女子高生に「どうかひととき拙者と触れ合ってはくださらぬか?」と頼み、悲鳴をあげて逃げられてしまう。そりゃそうだろう。絶対別の意味の「触れ合い」だと思われたはず。

その後、ビジネスマンに声をかけたり小さな女の子に笑いかけたりするも、不審者扱いされて気落ちしていく逢坂くん。しかし、転んでいる老婆を助けて「どうもありがとう」とお礼を言われたときに、かつて丹内の笑顔を見たときのような温かさを覚える。

ここからヒントを得たらしく、荷物を運んだり道案内をしたりと人助けに励む逢坂くん。そして、子どもたちと触れ合っている最中にそばのはしごが突如倒れそうになり、間一髪一人の青年に救われる。「危なかったっすね…」と微笑む彼を見て、「ごるごんぞーらむねのりまさちかっぽい奴…見参!」と驚く逢坂くん。

助けてくれた青年・慶太と打ち解けていく逢坂くん。ただ、慶太が「聞いてほしい話がある」と逢坂くんを誘うと、突如きな臭い雰囲気が立ち込めてきた。前回と違い今回はそばで緋村が見張っているので、いざとなれば彼が助けてくれる…という安心感はあったけれど、それでも心配は心配。逢坂くんの行くところ、基本トラブルありだ。

慶太と逢坂くん、そして、跡をつける緋村がやってきたのはとある建物。入口の前で慶太に「お疲れ様です」と頭を下げる男から舎弟感が漂い、絶対に何かあやしい。そして、案の定…だった。部屋に入った逢坂くんは慶太から運気が上がるツボを売りつけられてしまう。

支払えるお金がない…という逢坂くんに、「すぐに買っていただかないと」「カードとか持ってないんですか?」と迫る慶太。追い詰められた逢坂くんはツボを落として割ってしまう。壊れたツボの破片を手に「きちんと弁償してもらわなきゃ…」とさらに責め立てる慶太。

しかし、そんな彼の目の前に飛び込んできたのは、素っ裸で泣きじゃくる逢坂くんの姿だった。今回もやっぱり彼は泣いて、そして脱いだ。(一応、足袋と草履は履いていたみたいだけれど)

「霊験あらたかなツボを割ってしまった逢坂の罪…何事にも代えがたし!」と自分を責め、ひと思いに殺ってくれと慶太に詰め寄る逢坂くん。その迫力がただただすごい、というか怖い。慶太のほうにちょっと同情を覚えてしまった。

そんな中、逢坂くんを助けるために緋村が動いた。建物の中に突入して男たちをなぎ倒していく姿はただただかっこいい。さすが普段から鍛えているだけある。

しかし、緋村が部屋に乗り込むと、「助けて!」と叫んでいたのは裸の逢坂くんを前にした慶太のほうだった。

昂る逢坂くんに「君は騙されているんです!」と言い聞かせる緋村。しかし、逢坂くんは「悪人にあらず」と慶太を庇う。自分を助けてくれた彼の笑顔に丹内の微笑みと同じものが見えた、だから「このお方の優しさは嘘偽りなきものなり!」と訴える逢坂くん。「服を着てください!」という緋村の説得にも応じず、「何かを纏う資格などござらん…!」とひたすら泣きじゃくる。そのそばで、自分を悪人でないと信じる逢坂くんに心動かされたのか、いつしか慶太も泣きだしていた。

トラブルが解決した後、慶太は足を洗う気になったのか「仕事をしばらく休ませてもらえませんか」とボスに申し出る。理由を聞かれて「一人の侍に出会いました」と話すと、「あんたもかい」ボスが振り向く。ボスは逢坂くんが助けたあの老婆だった。どうやらこの日、逢坂くんは二人の悪人の心を救ってしまったらしい。

けっこうな騒動になりかけたけど、得意(?)の全裸の迫力で相手の悪意を吹き飛ばしてしまった逢坂くん。彼が裸になると何かが起こる。というか、そこで逢坂くん無双が始まり、脱いだ彼はもはや無敵。それが本作のセオリーであるとわかってきた。

とはいえ、もちろん脱いだだけじゃない。さまざまな人と触れ合ったおかげで、「人は見えている部分だけがすべてにあらず。表情の奥にみなぬくもりがある」と身をもって知った逢坂くん。彼はこれからもきっとこんな調子で、思い立ったらすぐ動き、必要ならばすぐ脱いで、いろいろと学んでいくのだろう。

次回は、同人誌即売会に行くという逢坂くん。即売会場でいったい何をやらかすか…と心配ではあるけれど、楽しみだ。


※この記事は「武士スタント 逢坂くん!」の各話を1つにまとめたものです。

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