俳優・映画人コラム

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2021年08月18日

永野芽郁の秘めたる底力:アクションでも存在感を発揮する、日本映画・ドラマ界に欠かせない逸材

永野芽郁の秘めたる底力:アクションでも存在感を発揮する、日本映画・ドラマ界に欠かせない逸材


新米警官・川合と永野芽郁の共通点「周囲の助けを支えにし着実に成長する」


「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(C)日本テレビ

永野芽郁演じる新米警官・川合は、交番勤務のあまりのハードさに、退職しようかどうか悩んでいる。もともと、父の勧めで公務員になることを決め、たまたま受かったのが警察官採用試験だった彼女。とくにこの仕事に思い入れもないのに、仕事はひたすらハードなのだ。それは辞めたくもなる。

そんなとき、「パワハラで飛ばされてきた」と噂の元エース刑事・藤聖子がやってきた。戸田恵梨香演じるこの聖子が、なんともかっこいいのだ。1話の冒頭から「辞めたい」を繰り返し、退職届を用意していた川合だが、藤聖子との出会いで「この人にもう少しついていこうと決めた」。新米警官・川合と元エース刑事・藤を中心に「ハコヅメ」の物語は進んでいく。

交番勤務のあまりのハードさに、いつ辞めようかタイミングをはかる川合。もう少しこの仕事を続けてみようと思えるきっかけになったのは、藤との出会いももちろんだが、とある通報者との関係性も鍵になっていた。

「今から自殺する」と虚偽通報を繰り返す男性。何度も同じような通報をしては平気な顔で川合と話すだけになっていたため、川合本人もすっかり油断していたのだろう。再度の通報を受けた際、本当に首吊りを試みていた通報者の男性を見て心が折れる川合ーーだが、ギリギリのところで命を取り留めた男性が「目が覚めた時に川合がいてくれてホッとした」と話していたのを知り、こんな自分でも役割があるのかもしれないと退職を思い直す。

「警察官なんてみんなしょうもない普通の人間だよ、制服を着てる時だけはちゃんとした面構えでいようと思ってるだけ」ーーそんな藤の言葉も支えとなった。周囲の助けを受けながら着実に成長していく川合の後ろ姿は、役者としての力を少しずつ確実に伸ばしている永野芽郁自身とも重なる。

現場や人を大事にする永野芽郁の姿勢が、良い作品作りに繋がる

「ハコヅメ」公式サイトでは、各話ごとのメイキング映像も公開されている。戸田恵梨香やムロツヨシとはもちろん、他の共演者ともリラックスしてやり取りできている様が伝わってくる永野芽郁。夜の校舎をパトロール中、山田裕貴演じる山田武志刑事に追いかけられるシーンでは、カットがかかった後に「怖かった〜」とこぼすシーンも。



また、三浦翔平演じる源誠二刑事とカップルのふりをしながらラブホに潜入捜査するシーンでも、和やかに笑い合っている様がなんとも伸び伸びした現場を感じさせた。警官の制服や装備品も重くて大変だろうに、一切つらさを見せずに笑顔を絶やさない永野芽郁の人柄も一役買っているのだろう。

「人のことを救うのも傷つけるのも人だから。人のことは好きでいたい」とインタビューで語っていた永野芽郁。大事にしているのは現場での「人との会話」だという。

21歳にして順風満帆に役者としてのキャリアを積んでいる彼女。少しくらい調子に乗ってしまいそうなものだが、人としての基本を大事にする姿勢に好感しかない。20代、30代とどんな活躍をされるのか、これほど見守るのが楽しみな役者もそういないだろう。

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