俳優・映画人コラム

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2021年08月18日

永野芽郁の秘めたる底力:アクションでも存在感を発揮する、日本映画・ドラマ界に欠かせない逸材

永野芽郁の秘めたる底力:アクションでも存在感を発揮する、日本映画・ドラマ界に欠かせない逸材


「親バカ青春白書」ムロツヨシとの名コンビは健在


「親バカ青春白書」(C)日本テレビ

2021年放送水曜ドラマ「ハコヅメ」にて、戸田恵梨香とのW主演で新米警官・川合を演じる永野芽郁。本作では、2020年放送日曜ドラマ「親バカ青春白書」で親子役として共演したムロツヨシとも再共演している。ムロツヨシ&永野芽郁のほのぼの仲良し親子っぷりに癒されていた身としては、また二人でわちゃわちゃしている様子が見られて嬉しい限り。

「親バカ青春白書」では、父役のムロツヨシが、娘役である永野芽郁とともに大学に進学し、キャンパスライフを満喫する展開に。娘と一緒に大学に入る父親なんて聞いたことがないが、娘が心配なあまりに荒唐無稽な行動をしてしまうのは、なんとなくムロツヨシ本人にも通じるところがある気がする。本職である小説家として話のネタにもなるだろう、との考えからまかり通ってしまったこの展開、娘も戸惑いながらも受け入れているのが面白い。

箱入り天然娘として大切に育てられてきた、永野芽郁演じるさくら。大学に入学するや否や、かわいい友達ができたり(演:今田美桜)、バイトやYouTubeに生きる同級生に出会ったり(演:小野花梨、戸塚純貴)、好きな相手ができたりする(演:中川大志)。そんな様子にいてもたってもいられなくなる父・ガタローという構図。

作中では永野芽郁の「鬼滅の刃」キャラクター・禰?豆子のコスプレが披露され話題となることもあった。娘のことを尊重しつつも、大事にしたいがあまり行きすぎてしまう父ガタローと、そんな父を優しく受け入れながらも時には疲れてしまう娘さくら。そんな二人の関係性が、ドラマ「ハコヅメ」では上司・部下の関係性になっているのだから面白い。

『地獄の花園』で培われたアクションの素地


(C)2021「地獄の花園」製作委員会

「ハコヅメ」も相当な体力勝負の撮影だろうと想像できるが、アクションの素地は2021年に公開された映画『地獄の花園』で培われていた。本作で初アクションを経験した永野芽郁。公式サイトで紹介されているメイキング映像では「(アクションは)難しい、筋肉痛になりそう」と語っている。ワイヤーアクションにも挑戦していて「力の入れどころがわからないから難しい」とも。永野芽郁が啖呵を切ったり「オラオラ!」と敵を一網打尽にしたり拳をふるいまくったり、そんなの見たことない。明らかに彼女の真骨頂と言える。

永野芽郁が演じるのは普通のOL・田中直子。同僚とともに平凡なオフィスライフを過ごしているが、その会社が少し普通とは違っている。

複数の暴走族を束ね、本職からスカウトもあったという開発部のOLがいたり、キレたら手が付けられない「狂犬」とあだ名のつく営業部のトップOLがいたり、刑務所帰りの製造部のOLもいる。それぞれ派閥争いを繰り広げる毎日で、永野芽郁演じる普通(堅気?)のOL・田中直子はさぞ戦々恐々としているだろうと想像するが……。


(C)2021「地獄の花園」製作委員会

ところがどっこい、まるで暴力団のようなOLたちは普通のOLたちには一切手を出さないのだ。「堅気に手を出さないこと」を美学にしているような節もある。そのミスマッチ感、同次元上でパラレルワールドが展開しているような異空間が実現しているのが面白い。

作公開時のインタビューにて「今一番見たい映画ができました。簡単に外に出られる時期ではありませんが、心のもやもやがスカッと晴れる」とコメントした永野芽郁

ご時世柄、なるべく自宅にいなければならない時期が続く。身体を思いっきり動かす機会が少ないと、自然と気持ちも曇っていくだろう。

そんな時にこそ観てほしい映画だ。バッタバッタと悪者がなぎ倒されていく様はシンプルに爽快。スカッとしたい方、日頃のモヤモヤを解消したい方、とにかくアクション映画が観たいという方、全方位におすすめできる。

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