<じゃない方の彼女>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
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肉の商品券が当たったことから、小谷家でバーベキューをすることになった雅也(濱田岳)たち。押しかけてきた片桐(山崎樹範)と共に準備をする中、妻の麗(小西真奈美)が友達を連れて来る。その友達とは、道ならぬ恋の相手である怜子(山下美月)と怜子の友達の彩菜(東野絢香)だった…。思わぬ展開に愕然とする雅也。不倫マスターの片桐に助けを求めるが、さらに母・弘子(YOU)までやってきてしまい…!
第8話のレビュー
ついに始まってしまった業火に焼かれるBBQ。雅也(濱田岳)の家とは知らず、怜子(山下美月)が彩菜(東野絢香)を連れてやって来る。当然、お互いの姿を認めた瞬間、2人に動揺が走る。
ドラマ的な展開だが、ちょっと1回自分のこととして考えてみて欲しい。自分の不倫相手が、よりによってパートナーに招かれて家にやって来るところを。…「地獄」以外に、なんと表現したらいいんだろう。
雅也は持っていた炭を落とすわ、漫画のように汗をだらだら流すわ、もう明らかに様子がおかしい。そんな雅也を見て、飛び入り参加していた片桐(山崎樹範)は何かを察した様子だ。さすが、不倫のプロ(褒めてない)。
なんとなくぎこちない中でBBQはスタート。雅也はずっと上の空だし、怜子は居心地が悪そうだし、全然楽しそうじゃない。
そこに、まさかの珍客がやって来る。小説の執筆に煮詰まった雅也の母・弘子(YOU)だ。
筆者はこの弘子というキャラクターが好きでたまらない。早々に「あの右の子タイプでしょ」と怜子を見て雅也に言っちゃうところなんか最高だった。 「大人しそうに見えて頑固で…」と、言葉すら交わさずに分析していくのもいい。こんなお母さん、厄介だけどちょっと欲しい。だが、この局面ではもっとも招かれざる客の1人といっても過言ではないだろう。
さらに最悪なのは、片桐が弘子の小説の大ファンだったこと。光の速さで意気投合した2人は、雅也、怜子、弘子、片桐の4人で酒を酌み交わすというシチュエーションを作り上げた挙句、2人で消えてしまう。
自分の先輩と手を取り、「始まっちゃったかも…」なんて言っている母を見るのもまた、雅也にとっては地獄だっただろう。この日の雅也、間違いなくツイてない。
もう考えうる限り、すべての最悪が出そろったかに見えた。…が、まだ続く。彩菜の恋愛相談を聞いていた麗(小西真奈美)が、「彼氏も呼んじゃいなよ」と言い出したのだ。促されるまま誠(豊田裕大)を呼ぶ彩菜。いや頼む、どっちかでいい、断ってくれ…。
誠の登場で、怜子はさらに居心地を悪くする。そんな怜子に構わず、お肉や野菜を取り分けたり、勝手にソースをかけたりと、彩菜は世話を焼く。無遠慮にかけられたソースに、筆者も思わず、うわぁ、と声が出てしまったのだが、画面の中では弘子と片桐も同じような反応を示していた。「彼、きっとエリンギが嫌いよ」と見抜く弘子、さすがだ(これは褒めてる)。ただでさえ上手く行っていない2人に、追い打ちをかけるように「そういう関係は長く続かない」という言葉を浴びせる弘子&片桐、容赦ない。
場の空気は最悪だ。さすがにいられなくなったのだろう、怜子は帰ると言い出した。
すると、荷物を取りに戻った部屋で、雅也たち家族の仲睦まじい写真に釘付けになってしまう。
ここまで怜子の純粋な思いに、どうしてもそういう意識が希薄になってしまっていたのだが、雅也と怜子は不倫をしているのだ。ゆえに、ずっと麗や沙織(宝辺花帆美)を傷付け続けていることになる。そのことを、この日怜子はおそらく改めて自覚してしまった。
帰り道、雅也と2人きりなのに怜子の様子はこれまでとはまるで違う。「じゃあ、また」と言った時、その目には涙が溜まっているように見えた。自分の行動が誰かを傷付けてしまっていること、そして何より、雅也に自分以外の居場所があることに打ちひしがれているのだろう。
歪んだギターのイントロから、「これ以上など望んでなかった」と歌うエンディング曲の「豪雨」の歌詞がぐさぐさと刺さる。今までの怜子からは、これ以上を望んでいるようにはたしかに感じなかった。同じように雅也からも、これ以上とかこの先とかを考えている素振りは一切ない。だからといって2人の気持ちが同じかというと、そういうことではないはずだ。それぞれの立ち位置の違いによるこの隔たりは、あまりにもつらい。
「近いうちにちゃんと話そう」とメールを打っては消す雅也。せめてそれを送らなかったことだけは褒めたい。今の怜子に、その言葉はどうしたって後ろ向きにしか捉えられないだろうから。
なんとか麗には、怜子との関係を疑われずに済んだ。しかし、最後の最後、着信音で怜子と雅也の関係に確信を持つ彩菜。よりによってなぜ彼女にバレるのか…。1人誰にも相談もせず、自分の思いに苦しむ怜子が、なるべくつらい思いをしないといいのだが。
※この記事は「じゃない方の彼女」の各話を1つにまとめたものです。
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