<じゃない方の彼女>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第12話ストーリー&レビュー
第12話のストーリー
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怜子(山下美月)のある噂を聞き、動揺した雅也(濱田岳)は慌てて怜子の部屋へ…。ところが、怜子の口からは予想外の言葉が!さらに、怜子はある想いを告げ、「答えを聞かせてほしい」と雅也に言う。タイムリミットは一週間。一方、家出をしていた妻の麗もある決断をし、雅也の前へ現れる…。妻か?妻じゃない方の彼女か?2人の愛する女性を前に恋の沼に落ちた真面目な男・雅也を待ち受ける運命とは…!?異色のコメディ堂々完結!!
第12話のレビュー
怜子(山下美月)が妊娠したらしいと聞いて慌てふためき、家へと急ぐ雅也(濱田岳)。しかし、大方の視聴者の予想通り、やはり妊娠は人違いだった。休学する理由は、ニューヨークへ留学を考えているから。来週には出発予定と聞かされ、お茶を吹き出す雅也は今日もコミカルで憎めない。
怜子は雅也に、「会いに来てくれますか?」と問う。「出発するまでに答えを聞かせてください」と続ける姿勢から、うやむやにする気はないことが伝わってくる。
雅也は、しっかり揺れていた。
母・弘子(YOU)に「美人妻とよりを戻すか、かわいい子と結婚するか」と迫られ、ちゃんと悩んでいる。正直言って、妻の立場からしたら迷われている時点で複雑な気がするが…。
「後悔しないように生きなさい。どんな時もあなたの味方だから」と、励ますと見せかけて小説の構想を練っている弘子。でもこれ、照れ隠しなんじゃないかと思った。なんだかんだ雅也の状況や気持ちが手に取るように分かっているし、ここぞという時に欲しい言葉をくれる。素敵な母親だ。
ついに怜子と話をする決意をした雅也。場所はこの作品の中で何度もドラマが起きてきたあのベンチ。もちろんしっかり雨が降っている。怜子は、改めて自分の気持ちを伝える。
「鈍臭くて、優柔不断で、融通が効かなくて、女心が全然分かってなくて、自分に自信がなくて、いつもおどおどしてて、頼りなくて。でも、そんなところが全部好き」
いい告白だったと思う。ずいぶんと年下なのに、ここまで理解してくれてるってなかなかないんじゃないか。
しかし、雅也は結局怜子の思いには答えなかった。「初めて自分から気持ちを言ってくれましたね」と嬉しそうだが、その目には涙が。怜子を泣かすなよー!!!と、筆者の中の怜子沼にずっぽりハマった部分が暴れた。
雅也が家に帰ると、麗(小西真奈美)が帰ってきていた。
「こんなに連絡きたら帰ってくるしかないでしょ」と麗が見せたトーク画面は、雅也からのメッセージで埋まっていた。
怜子と麗で揺れていながらも、帰ってきて欲しい気持ちはずっとちゃんとあったのか。雅也は、怜子のこともたしかに好きだったけど、断って傷つけてしまうから踏ん切りがつかなかったのか?という思いが過る。それは筆者の雅也への信頼が高すぎるせいだろうか。
「ベンチで何も言わずそばにいてくれた時から、わたしにとってまーくんはずっとじゃない方じゃなくて、である方だったよ」と麗。まだ元カレのことを引きずっているのでは、と勘繰り続けていたことを謝罪したい。
「1番して欲しいことを当てたら許す」と言われた雅也。謝罪や掃除と答えるも、どれも違う。結局、麗が欲しかったのは“雅也の正直な気持ち”だった。ここでは、「ずっとそばにいる」が正解。麗はずっと、雅也の本当の気持ちを言葉にして欲しかったのだ。
すべてが丸くおさまり、1週間後。怜子から連絡が入り、雅也は会いに行くことに。これを許してくれる麗の懐の深さ、無限大では…?
他愛のない会話をし、別れたかに見えた2人。
が、怜子が雅也に走り寄り、ほっぺにキスをする。やわらかくもちょっと誘うような笑顔を向け、「行ってきます」と怜子。これはもしかして、「ただいま」があるということ…?
終わってみれば、結局誰の“である方”にもならなかった怜子に翻弄された12話だった。
正直、“あざとい”って、別に誉め言葉でも何でもない。言われて嬉しいかと問われると微妙だろう。だが、本人のキャラを存分に生かし、その役に徹した山下美月が素晴らしかった。最初はあざとさを振りまきながら、実はピュアで、ただ真っ直ぐに雅也を好きだった怜子は、彼女だからこそ成立していたと言えるだろう。
最後の「行ってきます」が、「ただいま」のフラグかは分からない。だが、個人的には、あなたの帰りを待ってるからね、怜子!!という気持ちだ。楽しい時間をありがとう。
(文:シネマズ編集部)
※この記事は「じゃない方の彼女」の各話を1つにまとめたものです。
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