<スナック キズツキ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
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今回スナック キズツキを訪れる客は主婦の中島香保(西田尚美)。タワマン高層階での暮らしに、息子は京大合格と、恵まれた日々…かと思ったら、彼女もまた傷ついていた。周囲にあえば息子の話ばかりで、自分の人生って…と、未来ある若者がうらやましく見える日々。今回、店主トウコ(原田知世)のおもてなしは、ミラーボールに照らされながらの歌とダンス!?甘酸っぱいリンゴジュースと共に、無敵だったあの頃を思い出す。
第6話のレビュー
今夜の「スナック キズツキ」は、なんだか母のことを思い出す回だった。
大学に合格した私を抱きしめ、一緒に喜んでくれた母。受験の時は私ももちろん頑張ったけど、母はそれ以上に私をサポートするのが大変そうだった。そんな母に、周りの人は言った。「お疲れ様」と。
第6話のお客さんも、同じように子どもが受験を終えたばかりの母親・香保さん(西田尚美)。ちなみに第3話に登場したサトちゃん(塚地武雅)の妹でもある。
香保さんは、息子が京大に受かってホッと一安心。タワマン高層階に暮らし、何不自由ない生活を送っている。
はたから見れば羨ましい限りだけど、自分の母親にも道端でばったり会った同級生にも、息子の大学合格を称賛され、「お疲れ様」と言われることに何だかモヤモヤしていた。
まだまだ若輩者の私だけれど、香保さんの気持ちはわかるような気がする。息子と一緒に頑張った分、抜け殻のようになってしまう気持ち。自分を労るために温泉に行こうと思っても、母親に「これからもっとお金がかかるでしょ」とそれとなく釘を刺され、何を相談しても夫は「君に任せるよ」と投げやりで、親身になってくれない。
青春のど真ん中にいる女子高生たちの姿を見て、「若いっていいなあ」と思った帰り道、香保さんはトウコ(原田知世)に声をかけられる。
そのまま休憩がてら「スナック キズツキ」に入り、フレッシュジュースを注文した香保さん。ふと、思い出す。
物語は遡り、第2話。香保さんは惣菜屋で働く安達さん(平岩紙)に、鯖の欠けた身を綺麗なものに変えてほしいと注文していたのだ。安達さんは何気ないそのやり取りに疲弊していたが、実は香保さんも密かに気にしていた。
「図々しくて、押しが強くて。そんな大人にはなりたくないと思っていたのに」
ルーズソックスを履いて、友達とダンスを踊り、好きな人の何気ない言動にドキドキした日々。
そんな思い出に浸る香保さんを、かつて“時をかける少女”だった原田知世演じるトウコは「今夜ふたたび、無敵になってみる?」という一言であの頃に引き戻す。
ミラーボールに照らされながら、楽しそうに踊る西田尚美と原田知世の競演シーンは見ものだ。二人は2014年のドラマ「紙の月」で共演。その際、西田尚美は映画「時をかける少女」を観て育った世代で、ずっと原田知世に憧れていたことを明かしていた。
変わらぬ美しさで、今なお女優として最前線で活躍する同世代の二人。歌っている内容は現実への嘆きだが、とびきりの笑顔で踊り狂うキュートな姿に元気をもらった人も多いのではないだろうか。
「人生100年時代」と言われる今、40代・50代なんてまだまだ若い。こぐま屋さん(浜野謙太)のように「俺の人生、この先もっと輝く予定です」と周りにアピールして、常に今が最高!と言えたら。
そう言えば、うちの母は先日高校の時に好きだった人と再会し、「昔より今の方が綺麗だね」と褒められて喜んでいた。そうそう、その笑顔が私たち下の世代にとっても、未来への希望となるのだ。
※この記事は「スナック キズツキ」の各話を1つにまとめたものです。
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