「恋です!」杉咲花が魅せる喜怒哀楽|「夜行観覧車」「湯を沸かすほどの熱い愛」…


映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)幸野安澄役


©「湯を沸かすほどの熱い愛」

父がふらっと出奔し、女手一つで娘を育てる双葉(宮沢りえ)はある日、がんで余命2か月という告知を受ける。杉咲はその娘・亜澄役。

杉咲の演技の繊細さを堪能できる作品だ。学校でいじめを受けて制服を隠され、行きたくないと言うが母・双葉に許してもらえず「立ち向かわなきゃと言われ、体操服を脱いで下着姿になり、震える声で「制服返してください」「今は体育の時間じゃないから」と言って嘔吐するシーン。

実は生みの母が別にいたと知り、会いに行くシーン。涙をこらえながら聴覚障害者の母に手話で挨拶し、なんで手話を? と聞かれて「お母ちゃんがいつか役に立つからって……」と聞いて泣いた生みの母を見て、自分も泣くシーン。この泣き方がまた、喉の奥から出た声という感じ。

双葉の枕元で、もう母が長くないと悟ったときの表情もたまらない。一度横を向いて泣いてから、笑顔で「お母ちゃんを一人に絶対しないから」と話すいじらしさに観ているほうが泣いた。彼女は「泣く」という演技だけで、どれだけのバリエーションを持っているのだろうか

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