<敗れていった男たち> 2021年ドラマ「ヒロインと結ばれなかった」いい男ランキング


第5位「最愛」加瀬賢一郎(井浦新)


ドラマ「最愛」より © TBS


12月クールで大きな話題となった「最愛」。各事件の犯人は誰か、真相はどういうことなのか、隠された秘密はなにか……最終回の途中まで誰もが真実を追っていた。

井浦新演じる加瀬は、梨央(吉高由里子)やその家族を自分の家族のように大切にし、あらゆる障害から梨央を守り、彼女の長年の夢であった新薬の開発をサポート。梨央の弟・優の疑いも晴らした。弟・優が警察に連行されていった後「助けて」というメールに「了解」と言葉で答えていたのが印象的だ。

だが、最終回に発覚した事実は衝撃的だった。彼は梨央の父・達雄の願いを受けて15年前の時間の死体遺棄に協力したのをきっかけに、一人を殺害、一人の事故現場にも居合わせた。

「二人には一点の曇りもない人生を送ってほしい、それだけです」

二人というのは梨央と優のことだ。本当ははじめの事件に遭遇したとき通報しようとしたのに、父・達雄に止められ懇願されて、自分がすべてかぶっても守ると決めたのだ。いつか真実が明らかにされることはわかっていたという。

そんな、加瀬の人生や幸せはどうなるのだとも思うが、彼が本気で梨央と優の幸せ、二人を守ることこそが彼にとっての人生であり幸せなんだということも痛いほど伝わってきた。恋愛など超越したあまりにも大きな愛に、立ちすくむしかない。

「愛する人のためなら手段は厭わない井浦新」はそこそこ観てきたきがするが、こんなに大きな感動とともに胸にこびりつきそうなのは加瀬だと思う。

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第4位「にぶんのいち夫婦」樋口亮(坂東龍汰)


ドラマ「にぶんのいち夫婦」より © TV TOKYO Corporation All rights reserved. Copyright © BS TV TOKYO Corporation All rights reserved.

セックスレスと夫・和真(竹財輝之助)の不倫疑惑に悩む文(比嘉愛未)。坂東演じる樋口は昼は文と同じコールセンターで、夜はキャッチのバイトをしている大学生。はじめは仕事の合間の雑談で文の話を聞いていたものの、次第に文のことを本気で好きになってしまう。

本来なら年が離れすぎてて相手にされないちょい役、みたいなこともあるポジションだが、めちゃくちゃかっこいいし、文のために行動できるいい男で、観ているほうもドキッとしてしまうシーンが多々あった。

文とお茶しているときに和真(別の女性といた)とばったり会って挑戦的なまなざしを向けるシーン、その後二人になって「僕と浮気しませんか? 文ちゃん」と伝えるシーン、最終的に文が和真を心から愛していると知り身を引くシーン、どれも目つきといい表情といい素晴らしく、今後の活躍が楽しみな俳優さんだ。

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第3位「婚姻届に判を捺しただけですが」牧原唯斗(高杉真宙)


ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」より (C)TBS


高杉真宙はお顔も演技ももともと好きなのだが、こんなにかっこよかっただろうか??? といい意味で驚いたのがこの作品だ。おひとり様を謳歌していた明葉(清野菜名)が、たまたま知り会った百瀬(坂口健太郎)に偽装結婚を持ちかけられるストーリー。

高杉演じる唯斗は、もともとは行き倒れそうになっていた明葉に米をくれた通りすがりの人物で、百瀬の飼い猫・おもちを連れて行った動物病院で看護師として働いていたことで再会。チャラチャラした軽いノリで女友達もいっぱいいるザ・陽キャ。今までどちらかというと陰キャのイメージが強かった高杉だが、意外にも似合っていてめちゃくちゃかっこいい。あとシンプルに顔がめちゃくちゃいい。

軽そうに見えて、明葉を本気で好きになってしまい、自分を変えるために獣医師目指して勉強するところもいい。明葉に愛されていながら恋愛下手すぎる百瀬に苛立ち、「一生不毛な恋してろ、バーカ」とはっきり言うところもスッとした。結局百瀬の背中を押すようなことをしちゃうところもいい。

Paraviで観られる深川麻衣主演の番外編「とにかく婚姻届に判を捺したいだけですが」でも唯斗の活躍がたくさん観られるので、ぜひ観ていただきたい。壁ドン・どアップなど、かっこいい高杉真宙が堪能できるシーンが満載だ。

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第2位「大豆田とわ子と三人の元夫」小鳥遊大史(オダギリジョー)


ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」より (c)カンテレ


バツ3のとわ子が3人のクセが強い元夫たちをはじめとした人々と織りなす、笑いどころも泣きどころも満載で個人的今年ベストドラマ。小鳥遊は番組の後半に登場する。まずはとわ子の会社を買収しようとする非情な人物として出てくるのだが、朝通っているラジオ体操で、とわ子同様まわりの人と動きがずれてる人として再会する。あまりの違いっぷりに戸惑いつつも、二人の距離は近づいていく。


ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」より (c)カンテレ

とわ子と小鳥遊、初めて二人になったときの会話が本当に素晴らしかった。親友のかごめ(市川実和子)の突然の死について、一人で死なせてしまったという悔やむ気持ち・自分だけ楽しんではいけないんじゃないかという気持ちを初めて打ち明けたとわ子に、小鳥遊が伝えた言葉はとわ子だけでなく観ているこちらも救われた気持ちになった。いちばん泣いたシーンかもしれない。

「あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、今も彼女は笑っているし5歳のあなたと5歳の彼女は、今も手を繋いでいて今からだっていつだって気持ちを伝えることができる」

「幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのはその人がどういう人だったかっていうことだけ」

「人生にはふたつのルールがあって、亡くなった人を不幸だと思ってはならない。生きてる人は幸せを目指さなければならない。人はときどきさびしくなるけど人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる」

小鳥遊自身も長年ヤングケアラーとして過ごし、自分の人生を持てなかった。だから拾ってくれた社長に恩義を感じ、手段を選ばず従ってきた。でもとわ子と出会ったことで「自分がどうしたいか」で行動できるようになったのだ。

二人の喫茶店デートも家でのデートも素敵だった。「僕は青い空じゃないですか?」「むしろ夜ですね、ちょっと雨が降ってる」というたとえ話も最高だった。でも最終的に、とわ子は小鳥遊と二人で生きる道を選ばなかった。とわ子の「一人で幸せになりたい」「ほしいものは自分で手に入れたい」という答えは、とわ子が選んだ大切な結論で、そうかぁ……という納得感しかない。

でも、二人でいるところ、素敵だったなぁ、小鳥遊との未来も悪くなかったんじゃないかなぁとちょっと後ろ髪引かれてしまうのも正直なところなのだ。別れのシーンも抱き合ってお互い頬にキスして背を向けて歩いていくという、これまた素敵な大人の別れのシーンだった。

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