黒木華の魅力を再検証<いい子ちゃんからヤバいヤツまで変貌自在!>


ドラマ「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」:“素直な無愛想さ”に図らずともギャップ萌え


(C)フジテレビ

2022年1月6日からフジテレビ系木曜劇場枠で放送されている「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」。

黒木華演じる瀬古凛々子は、大手出版社「クスノキ出版」で経理として働いていたが、上司・仁和正樹(安藤政信)に命じられ「カンフルNEWS」に編集部員として異動、さっそく編集長に成り上がり、個性豊かな編集部員とともにメディア閉鎖の危機を挽回していくお仕事ドラマである。

性格診断でよくある「感情と論理、どちらを重視する?」的な質問。
凛々子は間違いなく論理に振り切っている。曲がったことが大嫌いで、正しさを証明するためにはどんな手段も厭わない。

“空気が読めない”という点は「凪のお暇」での凪とは真逆だが、“感情表現が苦手”という点は黒木華が演じてきた役柄に通づる部分がある。
そして、そんな凛々子だからこそ(相手の働きかけがあってこそではあるが)感情を素直に表現したときのギャップに、根津(溝端淳一)だけでなく見ているこちらもキュンキュンしてしまう。


(C)フジテレビ

理屈っぽかったり情が皆無だったりするところから、血が通っていない冷酷な人と思われ孤立する場面も多い凛々子。だが、本質的には正論であり結果として全方位に対してプラスとなる行動となっていることに気付き始めた編集部員たちとの関係性の変化にも注目。

個人的には、凛々子の仁和への感情がただの尊敬心によるものなのか恋心なのか?もし後者であれば今後、仁和(安藤政信)VS根津(溝端淳一)という構図が見られるのか?むしろ見たい。うん、大いに期待している。

“黒木華”という幹に"役柄"という枝が生えることで完成する「女優・黒木華」


(C)フジテレビ

黒木華の持つ儚さと素朴さから形成される幸薄さは、おかしくも矛盾するようにどんな役にもずっしりと存在している。

にもかかわらず、典型的ないい子ちゃんだったりちょっとヤバいヤツだったり、感じ取る印象がまったく異なるのだから不思議だ。

新・薄幸系女優、黒木華の魅力を充分に堪能し、ドラマ「ゴシップ」、そして、映画『ノイズ』『余命十年』の公開を待ちわびることにしよう。

(文:桐本絵梨花)

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