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2022年02月19日

「シジュウカラ」第7話レビュー:5年後…夫と立場が逆転した忍、元彼と新たな恋?(※ストーリーネタバレあり)

「シジュウカラ」第7話レビュー:5年後…夫と立場が逆転した忍、元彼と新たな恋?(※ストーリーネタバレあり)


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山口紗弥加主演のドラマ「シジュウカラ」が2022年1月7日深夜にスタートした。

坂井恵理原作、「JOUR」(双葉社)で連載中の同名漫画を実写化した本作は、漫画家の女性が、恋と仕事を通して自身の不確かな人生観と向き合っていくストーリー。人生のセカンドチャンスに戸惑いながらも生きる主人公を山口紗弥加、忍と18歳差の恋に落ちる若きアシスタントを板垣李光人が演じる。

本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「シジュウカラ」第7話レビュー

洋平(宮崎吐夢)が倒れる衝撃のラストで終わった前回。これまで、回を重ねるごとにモラハラ夫度が増して視聴者を苛立たせていた彼。正直筆者もいつか罰が当たれと思っていたのだが、「息してない……」はさすがにショックだった。

彼はもしや死んでしまったのか?と気になって、やきもきしつつ待った7話。結局洋平は生きていた。ただし、忍(山口紗弥加)と立場が逆転して。

あれから5年。忍は“純愛不倫の女王”と呼ばれる人気漫画家になり、息子の悠太は関西の大学に進学。そして、洋平は倒れて前のように働けなくなったらしく、稼ぎ手となった忍のために食事を作る主夫になっていた。

薬を服用し以前より体力もなさそうな感のある洋平。とはいえ、夕食を作って「家帰ったら美味しいごはんができてるって、すごい幸せなことなんだよ」「忍ちゃんは幸せ者だね」など尊大な言葉を口にするあたり、本質的な部分は全く変わっていない気がする。

そんな中、忍に新しい出会いが訪れる。相手は高校時代の元彼・岡野(池内博之)だ。漫画編集者の岡野は忍に連載を依頼。久々に再会した二人は飲みに行き、話に花を咲かせる。


岡野を意識してときめいている感もある忍。しかし、その後仕事でシビアな問題と直面することに。作品のランキングが落ちている彼女は、担当編集・荒木(後藤ユウミ)から「ただ、描いているだけじゃないですか?」と辛辣な批判を受ける。

この荒木、1話からずっと見てきているが、作家のよいところを褒めつつ適切なアドバイスもできる非常に優秀な編集者だ。不倫物は限界だから別のテーマで描きたい……と言い、しかし何が描きたいかと聞くと笑ってお茶を濁す忍に「今の佐々木さんは描けないと思います」と真剣に怒った彼女。厳しいけれど、作家を信じてきたからこそ出てきた言葉だろう。

その後、忍は岡野を呼び出して相談。しかし、岡野もまた忍の甘さを見抜いて「俺を呼んだのって編集として?それとも元彼として?編集としてならば失礼だと思うよ」と怒る。

実際、アシスタントにおざなりな指示を出すなど、惰性で仕事をしている感があった忍。忙しい中で漫画への情熱を見失っていたのだろう。しかし、そんな彼女を救ったのは高校時代の友人たちだった。漫研の同窓会に参加した忍は、「漫画、全部読んでるよ」など温かい賞賛を贈られる。なお、友人の一人はカラオケ店で働いていたあの彼女。つらいときに忍の漫画で現実逃避しつつ頑張って今は店長になったという。これはなんとも感慨深い。

自分の漫画が誰かの救いになっていたと知った忍。同じく同窓会に参加した岡野と帰りながら、「求められているものをちゃんと描いてみようと思う」と決心。岡野も「その覚悟、付き合うよ。編集として」うなずく。


編集者としての情熱があり、気さくで優しく女性の扱いも至極スマートな岡野。ここまでかなり好印象だった。しかし、問題はその後だ。

深夜に帰宅した忍。冷蔵庫を開ける彼女の背後に洋平がやってくる。「こんな日にまた浮気してきたでしょ」と襲いかかる彼を「できないくせに!」と拒否した忍だったが、冷蔵庫に入っていたのは「おめでとう」の文字がのったケーキ。この日は忍の誕生日だった。

忍に押し返され、座り込んで泣き出す洋平。かつてのような無理強いを押し通す気力や体力はもはやないらしい。忍への過度な執着だけが残り続けているその姿、怖さが拭いきれない一方あわれにも思える。ケーキを用意したのに帰ってこなかった妻に怒るのはわからなくもない。しかし、彼はたぶん昔同じような仕打ちを忍にしていたはず。それに気づいてはいるのだろうか。

洋平が倒れたため離婚届を使わずにしまったあの日を思い出す忍。するとそこへ岡野から電話。誕生日プレゼントを届けに来た彼は、忍の腕を掴んで唇を奪った。

岡野の行為に戸惑う忍。そんな彼女の目に入ってきたのは本棚の一冊。タイトルは「となりのおばさんに買われていました」。千秋(板垣李光人)の作品だ。


5年前、実家を出ると言っていた千秋。あの頃よりぐっと大人らしくなった彼はレストランで働いていた。作品は出版されたものの漫画一本ではまだ食べていけてない……というところか。そして、彼が帰宅した家には、「おかえり」と迎える若い女性がいた。


今回もまた驚きの連続だった「シジュウカラ」。中でも気になるのは岡野。バツイチだという彼は、元カノである忍への愛情が再燃し、さらには指輪をしていない忍と夫の関係を察したのかもしれない。現状忍が人妻であることに変わりはないのだが、今後、岡野との新たな恋が始まるのだろうか。

(文:田下愛)

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(C)「シジュウカラ」製作委員会

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