<先生のおとりよせ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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榎村(向井理)は、中田(北村有起哉)とのコラボが納得いかないのか、全くプロットが思い浮かばない上に、作品の締め切りも忘れてしまいスランプに陥る。中田はそんな榎村を見て親切を施すが、それが仇となり榎村をさらに追い込むことに…それでも榎村の力になろうとある提案を持ち掛ける。2人のもとに届いたおとりよせのトマトジュースでエネルギーもチャージ!その途端、中田がまたもジュースをこぼしてしまい…!
第3話のレビュー
ⒸAN,YE(L)/TX北村有起哉という役者が堪らなく好きだ。
「視覚探偵 日暮旅人」(日本テレビ系)のリッチーや「アンナチュラル」(TBS系)の宍戸など、身震いするほど残忍な悪役を演じることもあれば、朝ドラ「エール」(NHK総合)の池田、「美食探偵 明智五郎」(日本テレビ系)の上遠野のように、やさぐれ感のある大人も、AmazonのCMで演じている優しげな雰囲気の大人もハマり役にしてしまう。
中でも、特に印象的だったのは「半径5メートル」(NHK総合)で演じたトランスジェンダーの海老原香織役。北村有起哉は自身のブログで「表現するにおいて責任というものをここまで意識するのもはじめてだったかもしれません」と綴っているように、香織をこれまでのエンタメ作品でお馴染みだった“オネエキャラ”に閉じ込めることはなかった。トランスジェンダー指導を受け、スマホの持ち方やワインの飲み方など、一つひとつ丁寧に作り上げた香織というキャラクターは自然にその世界に溶け込んでいた。
それは今回、「先生のおとりよせ」で演じる中田みるくも同じだ。“フェミニン男子”といえども、北村はただのオネエキャラにならないように気をつけているようで、なるほど中田は深みのあるキャラクターだ。
ⒸAN,YE(L)/TX
ついに始まった榎村(向井理)と中田のコラボ企画。まずはプロット作りだが、榎村は全くアイデアが浮かばないどころか、別の雑誌で連載している作品の締め切りも忘れてしまい、ピンチに陥る。
第3話では中田がそんな榎村を何とかサポートしようとするも、親切が仇となり、さらに彼を追い詰めてしまう結果となった。
榎村が仮眠をとっている間に部屋の掃除をする中田は世話好きの恋人、もしくは田舎から上京した息子に会いにやって来たお母さんのよう。しかし、その際にパソコンの電源を誤って抜いてしまい、榎村が書きかけた小説が消えてしまった。榎村に冷たく追い出され、トボトボと自分の部屋に帰っていく中田の背中が切ない。
ⒸAN,YE(L)/TX
でも、中田は簡単にくじけない。まだプロットが完成していないにもかかわらず、アイデアの種になりそうなキャラクターを思いつく限り描き上げて榎村に渡す。その中で、編集長の九堂今日子(橋本マナミ)をイメージした女王様キャラが榎村の目に留まり、物語の骨組みが出来上がった。
しかし、「何かが足りない」と頭を悩ませる中田。もう締め切りまで時間がなく、慌てる二人……。そんな中、中田はまたもや粗相をしてしまう。お取り寄せで頼んだトマトジュースをイラストの上にこぼしてしまうのだ。
ⒸAN,YE(L)/TX
今回のおとりよせは、JAPAN FOOD FACTORの「プレミアムトマトジュース ブラックラベル」。「いちごより甘い」と紹介されたように非常に糖度の高い栃木県産のミニトマトが使用されたジュースで、やつれた顔の榎村をたちまち元気にさせてしまった。
それだけではなく、その赤い果実がイラストに飛び散ったことで榎村にアイデアが降り注ぐ。九堂をイメージした物語の主人公は“ヴァンパイヤ”という設定になり、ようやく両者納得のプロットが仕上がった。
憎まれ口を叩きながらも、結局相手をほっとくことができない優しさもあり、つい横から手を出してしまうが、空回りしてトラブルを起こしてしまう……。もはや、中田は往年のヒロインではないか。どこか哀愁が漂っていて情けないおじさんに見える時もあれば、一生懸命さがいじらしい少女に見える時もある。
そんな唯一無二の存在を生み出し続ける北村有起哉に魅了されっぱなしだ。
※この記事は「先生のおとりよせ」の各話を1つにまとめたものです。
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ⒸAN,YE(L)/TX