<先生のおとりよせ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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突然、中田(北村有起哉)の祖母が亡くなったとの連絡が入る。作画の締め切りに追われていた中田は、通夜にも葬儀にも行けない…悲しそうな姿を見かねた榎村(向井理)は、代わりに葬儀に参列する。漫画家になることには反対していた祖母…様々な思いが巡る中田は、榎村がおとりよせしてくれた焼き饅頭を食べながら、祖母との思い出や今の心のうちを榎村に話す。そして榎村が持ってきてくれたもう1つの品に中田の涙腺は崩壊する…
第9話のレビュー
ⒸAN,YE(L)/TXまさか、「先生のおとりよせ」でこんなに泣かされる日が来るとは……。第9話「思い出の焼きまんじゅう」は、本作始まって以来の感動回となった。
ある日、榎村(向井理)とのコラボ作品第1話の締め切りに追われていた中田(北村有起哉)。アシスタントも風邪で急遽来れなくなり、原稿を落とす寸前だった。そんな中、中田は漫画家になることを反対していた祖母(小田原さち)の夢を見る。
榎村が自宅に様子を見に来た際、そのことをふと思い出した中田の元に届いたのは祖母の訃報だった。
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幼い頃から自分のことをそれはそれは可愛がってくれた祖母の死。お通夜にも葬儀にも参列したいのは山々だが、目先の仕事を放り出すわけにはいかず、中田は苦渋の決断を下す。
漫画ばかり読むとバカになる。漫画家はロクでもない仕事。そう祖母に言われて育った中田が漫画家という不規則な仕事に就いたことで、祖母の葬儀にも出れないなんて皮肉だ。
「おばあちゃん、怒ってるだろうな」。そんな後悔と懺悔の気持ちを抱きつつも、なんとか第1話を描き終えた中田に榎村が持ってきたのは“ふるさとの味”だった。
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中田の代わりに葬儀に参列していた榎村は、彼のふるさとである群馬県前橋市の名物「原嶋屋総本家の焼きまんじゅう」をおとりよせ。まんじゅうをせいろで蒸した後、付属のハケでタレを塗り、こんがりと焼き上げたら自宅でも出来立ての美味しさを味わえる。
一串じゃ足りないけど、二串だとお腹が苦しい。そんな幼い頃の中田に祖母が自分の串に刺さったおまんじゅうを一つ分けてくれた。彼にとっては大事な大事な思い出の味だ。
きっと榎村は、祖母の訃報を聞いてから一切涙を流さず、冷静なふりをしている中田を思う存分泣かせてあげようとしたのだろう。口下手だが、仕事のパートナーであり、貴重なおとりよせ仲間でもある中田のことを彼なりに大切にしていることが伝わってきた。
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しかし、それでも「仕方ないよね」と自分を言い聞かせる中田。そんな中田に榎村が授けたのは、「(あなたを)応援しているファンの方はきっと誇りに思ってくれるに違いない」という言葉と、ある人物からの読者アンケートだった。
中田の代表作『ぷるぷるはにぃ』を「とっても楽しい作品です」「才能溢れる作家なのだと思います」「作画が丁寧で構図も工夫されている」と大絶賛の読者はなんと99歳。嬉しい気持ちでハガキの裏面を見た中田の手が止まる。
読者の名前は「中田絹子」。それは祖母の名前だった。
実は中田が漫画家であることを知っていて、密かに応援していた生前の絹子。あんなに漫画家になることを反対していた彼女だったが、孫である中田のことを心から誇りに思っていたのだ。
「これからも身体に気をつけて頑張っていただきたい。あなたの作品で大勢の人を楽しませてください。いつまでも応援しています」
その言葉を目にした瞬間、中田は声を上げて涙を流す。あたたかな光に包まれながら子どものように泣きじゃくる中田の横顔がただただ映し出されるラストシーンが胸に迫った。
もしかしたら永遠に届くことがなかったかもしれない絹子からのファンレター。「お二人にとっての自然の恵み、それはお互いに出会えたことですね」。前回、今日子(橋本マナミ)が言ったセリフが改めて響く。榎村と中田が出会えて本当に良かった。
※この記事は「先生のおとりよせ」の各話を1つにまとめたものです。
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