「明日カノ」第8話:箭内夢菜×高野洸、齊藤なぎさ×藤原樹の芝居が“ホスト編”成功を導く
>>>「明日、私は誰かのカノジョ」の画像を全て見る
累計発行部数300万部突破したをのひなおの人気漫画「明日、私は誰かのカノジョ」(マンガアプリ「サイコミ」で連載中)がMBS/TBSドラマイズムにてドラマ化。2022年4月12日放送スタートした。
悩みを抱えて生きる5人の少女を描いた本作。一週間に一回レンタル彼女としてお金を稼ぐ「雪」や、孤独を抱えて寂しさを男で紛らわす「リナ」、見た目に固執して整形を繰り返す「彩」、周りに流されず、“自分”を持っていると語る「萌」、夜の街で“今”を生きる「ゆあ」らが各章で主人公となり物語が進む。
本記事では、その第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「明日、私は誰かのカノジョ」をDisney+ (ディズニープラス)で視聴する
>>>【関連記事】<明日、私は誰かのカノジョ>最終回までの全話の解説
>>>【関連記事】“明日カノ”吉川愛インタビュー「作品への理解と自分らしさ、どちらも大切にしたい」
>>>【関連記事】「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。」第10話までのネタバレ感想
「明日、私は誰かのカノジョ」第8話レビュー
「キャストの再現度が凄すぎる!」思わず叫んでしまいそうにになったドラマ「明日カノ」第8話。前回に引き続き、萌(箭内夢菜)と優愛(齊藤なぎさ)を中心に据えた“ホスト編”が展開される。
萌行きつけの新宿二丁目のバーで知り合った2人。優愛に連れられ、初めてホストクラブに入った萌はそこで楓(高野洸)と出会う。今回は優しくて安心感のある楓に惹かれていく萌と、そんな彼女の未来を表しているような優愛と担当ホスト・ハルヒ(藤原樹)の泥沼な関係が描かれた。
第8話は原作6巻のほとんどを映像化しているにもかかわらず、展開が早すぎるとか、大事な場面を飛ばしているなどの違和感が全くない。要所要所省かれている場面もあるが、そこはキャストの演技力に任せている感じだ。
特に感心したのは、ホストクラブで優愛が約束を破ったハルヒに怒りを露わにするシーン。「ハルヒの今の幸せは全部、私の不幸の上に成り立っている」と優愛が言った直後、原作ではハルヒが想像で彼女を殴る。
だけど、ドラマで映し出されたのはハルヒの表情と彼が握りしめるタバコの箱。優愛のせいで何人もの客が切れたことへの怒りが爆発しそうになりながらも、何とか自分を抑えようとする藤原樹の表情はお見事としか言いようがなかった。
また女性陣の演技も素晴らしい。ハルヒの態度一つでコロッと変化してしまう優愛の揺れ動く感情を表現する齊藤なぎさ。ホストにはハマらないと心に誓いながらも、楓からのアプローチに顔がにやけてしまう萌のトキメキを映し出す箭内夢菜。
2人のリアルな芝居が提示する「頭では分かっていても心がゴネる」状況は、たとえホストにハマった経験がなくとも多くの人が共感できるものだろう。見ているだけで何らかの過去がプレイバックして、胸が痛い。
さらに前話のレビューでも言及したが、特筆すべきは原作以上に楓を魅力的なキャラクターに仕上げている高野洸。自分の存在意義が分からず泣いている萌のところに走って駆けつけたり、ホストクラブでのお会計を一部負担したり、それこそ全部営業だと分かっていても惹かれざるを得ない吸引力を持っている。思わず、「楓がいるホストクラブはどこですか?」と聞きたくなった。良い人なのか、悪い人なのか、全く見当がつかないグレーの人間を演じさせたら高野洸の右に出るものはいないんじゃないかとすら思う。
レンタル彼女編、パパ活編、整形編も、もちろん素晴らしかった。だけど、原作でも人気の高いホスト編の作り込みは異常だ。次週から本格的に泥沼化していく展開を思うだけで、ワクワクと同時に自分の気持ちが持つだろうか……という心配が拭えない。
(文:苫とり子)
「明日、私は誰かのカノジョ」をDisney+ (ディズニープラス)で視聴する
>>>【関連記事】<明日、私は誰かのカノジョ>最終回までの全話の解説
>>>【関連記事】“明日カノ”吉川愛インタビュー「作品への理解と自分らしさ、どちらも大切にしたい」
>>>【関連記事】「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。」第10話までのネタバレ感想
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS