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2022年07月01日

【台湾ホラー】台湾映画の歴史とそこから生まれたホラー映画5選

【台湾ホラー】台湾映画の歴史とそこから生まれたホラー映画5選


『返校 言葉が消えた日』の衝撃 ~台湾ホラー作品 5選~



台湾でもホラー映画の制作が難しい時代がありましたが、それが昔のことなのだなと感じさせてくれたのが昨年、2021年に日本でも公開された『返校 言葉が消えた日』です。

なんと原作はゲームというから驚きですが、ホラー映画と言いつつ戒厳令下の厳しい生活を描くという離れ業をやってのけて台湾でも大ヒットしました。

この大ヒットをうけて後日談をドラマ化した「返校-DETENTION-」がNetflixで全世界配信されています。

『牯嶺街少年殺人事件』のテーマ性をホラー映画に落とし込んでくるとは思いませんでした。しかも、繰り返しになりますが、原作がゲームですから、凄いセンスです。

台湾ホラーを見るのに便利なのが東京国際映画祭で、2006年の『シルク』や2017年の『怪怪怪怪物!』などの日本初上映は東京国際映画祭でした。



『シルク』は前述の台湾を代表する国際派スターのチャン・チェンに加えて日本から江口洋介も参加した面白い座組の映画です。

天才物理学者の橋本(江口洋介)は、かつてさまざまな電磁波を吸収可能な“メンジャー・スポンジ”を発明。その後、台北で研究班を組織し、廃虚の団地の一室で少年の幽霊を閉じ込めることに成功、彼はまったく見当がつかない少年の過去を探るため、腕利きの刑事イエ・チートン(チャン・チェン)に協力を求め、捜査を始める…。

『海角七号/君想う、国境の南(2008)』『セデック・バレ(2011)』などなど意外と日本人俳優の台湾映画出演は多いので、そういう意味でも親しみが持てるかと思います。

2017年の『怪怪怪怪物!』は日本でも乃木坂46の齋藤飛鳥主演でリメイクされた『あの頃、君を追いかけた(2011)』で知られるギデンス・コー監督作品。


(C)2017 Star Ritz International Entertainment

『あの頃…』は爽やかな青春恋愛劇でしたが、こちら一転して学園を舞台にしたホラー映画。

ギデンス・コー監督は脚本も兼任しています。『あの頃…』の時も監督だけでなく、原作、脚本に名前を連ねているのですが、頭の中を覗い見たいですね。

『怪怪怪怪物!』はいつもクラスメイトにいじめられているリン・シューウェイはある日、問題を起こし、いじめっ子の3人とともに奉仕活動として独居老人の手伝いを命じられてしまう。

そして、手伝いのために訪れた老人宅でシューウェイたちは、夜中に2匹のモンスターと遭遇!

モンスターを捕獲したシューウェイたちは、彼らなりの調査と実験をスタートさせ、友情を深めていく……というハイテンションな映画です。


(C)2017 Star Ritz International Entertainment

モンスターの描写などを見ると様々な国の各年代のホラー映画描写を、巧く自分の血肉としたうえで、オリジナリティを感じさせる映画に仕上がっていて、一見の価値ありです。

ギデンス・コー監督は2021年に新作を撮っているようなのですが、日本にはあまり情報伝わってきておらず、今後の情報を気になるところです。

『シルク』はソフトだけになっているようですが『怪怪怪怪物!』は各種配信系で見ることができるのでお勧めします。できれば2本ともチェックして台湾ホラーのふり幅を体感していただければと思います。

旧作だけでなく新作からもピックアップすると2022年7月には劇場公開と配信とで注目のタイトルが公開されます。

海外の映画祭で“内臓を抉られる衝撃”“二度と見たくない傑作”と評されたのが2022年7月1日から公開される『哭悲/THE SADNESS』です。



こちらはウィルスパンデミックを扱った映画で、『28日後(2002)』や『バイオハザードシリーズ』を思わせるテンションの高いパニックホラーです。

これまで感染者は意志がなくなる(=単純化する)パターンが多かったのですが、『哭悲』では狂暴性に駆られたうえでの意思表示があるところがかえって怖いです。

ゾンビ、並びに感染系のホラーは意志表示、意思疎通がないのが嫌だったのですが、意思表示されると、それはそれで厄介ですね。

もう一本、Netflixで2022年7月8日に配信開始されるのが『呪詛』です。台湾では先行して劇場公開され大ヒットを記録されたほか、映画祭でも候補に残るなどクオリティの面でも保証されている一本のようです。



日本のJホラーを筆頭にアジア各国のホラー映画と『パラノーマル・アクティビティ』などのファウンド・フッテージの要素を取り込んだ作品で、“台湾史上最も怖い映画”と言われています。

“史上最も狂暴で邪悪”と言われている『哭悲/THE SADNESS』と“台湾史上最も怖い映画”の『呪詛』、果たしてどちらが怖いのか?7月に入り夏本番、暑さを吹き飛ばす極恐ホラーを是非どうぞ!

(文:村松健太郎)

■『怪怪怪怪物!』配信サービス一覧




| 2017年 | 台湾 | 110分 | (C)2017 Star Ritz International Entertainment | 監督:ギデンズ・コー | トン・ユィカイ/ケント・ツァイ/ユージェニー・リウ |

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