『映画 バクテン!!』元男子新体操アスリートが涙した“リアル”
選手の感情、保護者コミュニティまでもがリアル
©映画バクテン製作委員会
――確かに『バクテン!!』は、TVアニメの時から、演技1つ1つに選手一人ひとりのクセが感じられる、あえて完璧に揃っていない描写なんかもあって、制作に携わった方々のこだわり、競技へのリスペクトが感じられますよね。
たてやま:映画でいったら、亘理の倒立失敗シーンなんかもその1つではないでしょうか。
男子新体操名物の鹿倒立は勝敗を左右する(写真提供:たてやまふうや)
たてやま:倒立は揃っているか、制止できているかが明確に得点に反映されるため、勝負の分かれ目でもあるんです。だからこそ倒立で歩いて(ふらついて)しまう、そして落ちてしまうシーンには、競技経験者としては心臓がヒュッとさせられました。映画で描かれた倒立に失敗した亘理が白く染まっていく、という描写は本当にリアルで……。競技中にミスをしたら、本当にあんなふうに頭が真っ白になるんですよ(笑)
――競技中の感情の描写までもがリアルだったと。
たてやま:とてもリアルでしたね。演技シーンや感情描写の他にも、保護者の部活へのかかわり方もあるあるでした。男子新体操の保護者コミュニティまでもが描かれているのを見て、ものすごく丁寧な取材がなされたのではと感じています。
あとはキャラクターたちの背景も、TVアニメに引き続き丁寧に描かれていました。アオ校の寮は青森山田高校男子新体操部の寮そっくりですし、映画で描かれた青森駅のバスロータリーも見慣れた風景そのもので。あの場所で過ごした人間としてにんまりしてしまうほどの景色の再現が、映像のあちこちに見られました。
ただラストの合同演技後のアンコールだけは、リアルではきっと難しいだろうなと思いましたね。想像しただけで体力的にきついです(笑)
――確かに見ているだけでも、筋肉フル稼働で運動量ハンパなさそうだとは思っていました。
たてやま:部活の指導者が言う叱咤の「もう1本」ではなく、純度100%の「もう1本」ですからね。しかも全力を出し切ったあとですから。気持ちでは応えられても、身体は応えられないと思います(笑)
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